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トランスフォーマーレガシー ユナイテッド TL-69 マグマトロン(2024) 【前編】

ビーストガルバトロンとマグマトロンはいつかリメイクして欲しい玩具筆頭だったけど、まさかここまでガッチリした現行フォーマットでは完璧といって良いリメイクが発売されるとはね!

玩具的ギミック要素が非常に魅力的だったオリジナル版のマグマトロンに対してそれらギミックを排した可動性能を強化した現シリーズのコンセプトで叶うリメイクとしては最高峰の出来だと思います。

タカトミ版にはオリジナルのスリーブが付属。これトランスフォーマーレガシーではアルマダユニバースオプで好評だった奴ですが、当時品は窓あき箱だったので特に当時品再現という訳でもなくちょっと意図不明の日本仕様でした。私は箱を捨てる派なので格好いいパッケージだな!って感想ののち捨ててしまうんですが。

標準の横向き画像も日本版の縦向き画像も玩具を参考にした作画がされているんですが、日本仕様の作画がかなり忠実に玩具再現しているのに対し、海外版のパッケージアートは頭部の羽根やシールドが明らかに小ぶりに描かれており玩具とイメージちょっと違ってるのが興味深い。その癖海外版パッケージの方は玩具付属のエフェクトパーツ使ってたりしてるのも面白いですね。

パッケージ裏には製品画像のみで文字情報はほとんど書かれていませんでした。

オルトモード:

オリジナル版と比べるとシーサウルスの首が短くなっているので各先史爬虫類の体格差が小さくなっているような気がします。パーツ構成はほぼ一緒だしロボットモードの等身バランスも大差ないと思うんだけど、なんかスカイサウルスが随分大型化されているような気がするな……全体的に大型化されているので黒背景ではもう限界です。

ランドサウルス:

ランドサウルスといえば隠しきれていないロボットモードの胸部がチャームポイントなわけですが、と思ったけど、


Beast Wars Neo ENG SUBBED 34 The Final Battle 最後の戦い - YouTube

野良ファンサブYoutube にアップロードしている動画からのキャプチャですが上がロボットモードからの分離時、下がマグマサウルスへの合体時にはロービジではありますがランドサウルスにロボットモードの胸のモールドがあるのが確認できますが、バラのビーストモードで活躍する回とかあるんだろうか?

オリジナル版と比較するとデカいしロボットモードの胸部も完全に胴体内部に格納される凄い設計で非常にリアルな外観になっています。

またロボットモードと共通のフル稼働する脚部だけでなく尻尾や首にも可動関節が仕込まれておりビーストモードでも高度な可動性能を誇ります。

スタイリングは頭部がちょっと小さめの銃脚類というデザインなんですが、ランドサウルスのモチーフとされているギガノトサウルスは頭非常にデカくてちょっと不細工なスタイリング(※個人の感想です)なので、あんまり似てないと思います。むしろアロサウルスとかに似てない?

ロボットモードの胸部はこのように内蔵されており、この内部丸出しの隙間は脚部で丁度隠れるので普通のポージングしてりゃ全く気にならないです。むしろ太ももの内側を逃がすのにここがカバーされてない方が良いのでこの設計は大正解だと思います。

ここの腹側のカバーは取り外して折りたたむ事でマグマブレードの束を含む基部に変形するパーツとなります。

ロボットモードで展開されるメカ部分も今回は非常にコンパクトに分散されて各部に格納されており、オリジナル版よりも目立たなくなっています。それでも完全に隠さずに脚部の後ろ側から少し見えているのが良いですね。

ビーストモードでも非常によく動きます。ただまあビーストもオードの表皮はすべて硬質プラ製なので関節の曲げ角によっては不自然になってしまう部分は一部あります(喉元とか)。

バランス感覚も非常に優れているので片足立ちも出来ますよ!

ちょっと昭和っぽい姿勢もイケます。これだと恐竜グワンジ感あるからやっぱり頭身的にアロサウルスっぽいかも。なお、ビーストモードの口はこれでめいっぱい開けた状態なのでちょっと物足りない感がありますねー。

シーサウルス:

オリジナル版と比べて胴体サイズは 3/2 位に拡大されているんですが首の長さはなんとオリジナル版の方が長い!

多分オリジナル版の方はロボットモードでシーサウルスの首が伸びて敵を攻撃するマグマアタックという技を再現するためにこれだけの首の長さになっていたんだと思います。ビーストモードのモチーフとされているエラスモサウルスは実際に胴体よりも首の方が長くてお馴染みの首長竜だったのでオリジナル版の方がよりエラスモサウルス的と言えるんじゃないでしょうか。レガシー版は胴体と首の長さがほぼ同じなのでプレシオサウルスの方により二sているんじゃないかと思いますが、胴体が分厚い卵型(中にロボットモードの腕が収納されているので仕方ないんですが)の形状なのは個人的にはなんとなくコリン・ウィルソンの「世界不思議百科」だったかに掲載されていたネッシーの正体の珍説の一つである、巨大化した絶滅蠕虫のタリーモンスター(トゥリモンストゥルム)を連想しちゃうんですよね(実際のトゥリモンストゥルムのフォルムは胴体部分もそれなりに長いのであんまり似てないんですが、前述の書籍中で説明されていた体形が「卵型の胴体に細くて長い吻」って説明だった覚え)。

今回リメイクされたシーサウルスは頭部デザインもアニメ劇中のデザインや実際の首長竜に似せられており、こっちもなかなか良い感じです。

胴体部分にはヒンジが多め。首が太く、またボールジョイントから軸関節に変更されているため安定した保持力を誇ります。

可動は首に4か所の球体関節と頭部付け根の下を向くための一軸の稼働、および口の開閉。四肢のひれ付け根に前後の可動、前ひれにボールジョイントがあり首長竜としてはほぼブル可動と言って良いのではないでしょうか。

各ひれは軟質パーツですがマグマブレード刀身やスカイサウルスの羽根の軟質よりも堅い気がします(厚さや大きさに起因するかもしれないですが)。また前ひれのボールジョイントは保持力あるので前ひれで身体を起こすようなポーズも可能でした。

ドラえもんのピー助とかもそうだったけど地上をひれで這って移動、みたいなイメージありますけど実際にはどうだったんでしょうね?

裏側はこう。腹部のへそみたいな窪みはマグマサウルスモード時にスカイサウルスの頭部を固定するためのものです。首長竜は卵生、または卵胎生って言われてるからへそ無いしね!

オリジナルと同様に胴体部は上下に分割されて下半分はロボットモードではマグマシールドを構成します。オリジナルには「マグマサウルス合体時はパーツを分割しない」という拘りがありましたが、今回はそういう事もないようです。首の付け根のパーツのスロットに胴体底面側のスロットを外さないで胴体を上下に割れば上下繋げたままでマグマサウルス合体できるかもしれないけど、変形させてる途中で絶対外れっちゃうだろうし、変形も面倒くさくなるだけだから今回はそこにこだわる必要ないですね。

それよりも今回の設計ではシーサウルスの胴体内への腕の収納され具合が素晴らしいのでそっちを感心する感じ。肘を曲げてちょっと斜めに収納されるんですが、腕の畳み具合はすべて位置決めピンやタブでしっかりガイドされており、また斜めに収納される基部のパーツも位置や角度を間違えようがない構造になっているのが素晴らしい。この設計は TFWIKImarkclonus 氏の Instagram によると梅津周平氏だそうです。MPM のブロウルとかも凄ぇ出来って話なので納得です。

マグマシールドとなる胴体底面の内側にはびっしりのメカモールドが施されています。残念ながらギガミサイルやひれの連動ギミックはオミットされていますが、一部のモールドはオリジナル版と同じモチーフが再現されていて胸熱です(下の方の楕円というかカプセルみたいなモールド周辺とか)。

※こっちがオリジナル版の内部モールド。

あとはですね、ガワの後ろ側の一部が左右で異なっていて左側はロボットモードの腕の一部が露出してるんですよね。そういう左右非対称大好きなので私的には萌えポイントです。

スカイサウルス:

基本的な構造は大きく変わらないはずですが、羽根パタパタギミックがなくなっているのでリンク用の腕関節とレバーの役割だった尾部が配されています。また、頭部の形状もロボットモードの胸元を優先してスカイサウルスの頭部が大型化されているので微妙に印象が変わってますね。

主翼の皮膜部分がアニメカラーに準拠したピンク色に変更されているのも大きな違いだと思います。

レガシー版は尻部が無いので尻切れトンボ感ありますが、だからと言ってオリジナル版がモチーフであるケツァルコアトルスに似てるってこともないのでどっちがいいってこともないですが、この角度限定ならオリジナル版の方が見栄えはいいですね。

頭部の解釈はオリジナル版の方が「翼竜」感は強いように思います。レガシー版は悪役の鶴、みたいな顔してるなあと思います。

ケツァルコアトルスには嘴の付け根にはとさか状の薄い板状の突起があったことが知られていますが、今回の造形ではそれが再現されています。

飛行姿勢的に後ろ足を後方に向けてみるとまあまあ違和感ない飛行姿勢にはなりそうですね。

スカイサウルスも稼働については超優秀。首の2か所の可動軸、および、脚部のボールジョイント股関節、左右各3か所の可動軸はロボットモードの合体時に使うものですがこれらは単体でも優秀な可動範囲を提供してくれます。またポージングの際の干渉除け目的や、表情付けようと思いますが腕(主翼部分)にも複数の可動軸が効果的に備わっているのでビーストモード単体で一番ポージングつけて遊ぶのが楽しい可動範囲になっています。サイズもちょうどいい大きさなのでよい感じのポーズをいつまでも探してしまう感じ。

ここは合体や干渉除けなどロボットモード用の関節ではなく、純然たるビーストモード用の可動関節だと思うんですが、頭部の付け根に首振り用の関節が設けられています。

これは可動の限界を探ってるときに見つけてしまったよく判らんポーズ。頭抱えさせようと思ったら思いの他アタックモードに出来そうな形状になってしまった奴。

脚を真っすぐ直立させても自立するので「ロボットモード」としてポージングさせられるんですよねえ……

頑張って腕組みっぽい奴とか。

あ痛ててて、みたいなポーズはまあ普通にできるとして、

立膝も出来てしまう。

なんならスーパーヒーローランディングも出来てしまってなんかだんだん格好良く見えてきた。

片足立ちもイケるんだよ……なんなのこの超可動……しゅごい。

ただ、ケツァルコアトルスなら足跡化石から判明している四つ足モード再現したいんだけど、それはちょっと変則的な羽根の向きにしないとそれっぽいのが再現できないんだよなあ(´・ω・`)もうちょっと主翼を畳めれば良かったんだけど。

けどこれはこれでまあ角度によってそれっぽく見えるので良しとします。

ただまあこれを「翼竜」のアクションフィギュアとして遊ぼうとするとフィギュアスタンドを取り付けるのが非常に困難なので途端に難易度が高くなってしまうんですよね。それがちょっと残念。

と思ったら尻のこのスリットのところが丁度 4mm 幅みたいでフィギュアスタンド用のジョイントが差し込めるぞ……もしかして意図的?

ウイングミサイル(オリジナル版での名称)は今回も取り外し可能です。これは 5mm ジョイントの手持ち部分が備わっているのでダガーとしてロボットモードで持たせることが出来ます。

しかし個人的にはそれよりも何よりも、軟質パーツの羽根(これはこれで干渉除けとしても機能するので良い選択だと思いました)の曲がり防止の骨としても機能しているのが非常にありがたいと思っています。

……とここまでではてなブログのエディタ換算で 8500 文字オーバーしてしまったから前後編に分けることにしよう……