変圧器たち

へんあつき-たち

Beast Machines: Transformers Hammerstrike (2001)

マシーンズハンマーストライクはオフスクリーンキャラクターという事もあって確か日本では発売されなかったと記憶しています。私は当時ビーストマシーンズという番組があった事さえ知らなかったので、かなり後年になってマシーンズ玩具をしり、 2015 年に急にこのハンマーストライクが欲しくなって TFSource.com で本体のみ $12.95 で販売されていた中古品を購入しました。送料の方が高くて合計で $28.25 でしたが当時の為替レートでは大凡 3500 円程度だったからまあ底値の時に入手できたって事でしょうな。今でも未開封美品が $90 程度で入手は出来るようなので「買えないほど価格高騰している」訳ではないと思います。この辺りでメタルスプロウルとか一緒に買っておけばよかったのにねえ(プロウルに関してはその後もチャンスを何度も見送ってるので自業自得ですが)。

ビーストモード:

オルトモードはテクノオーガニックシュモクザメですね。頭部のメッキパーツと各部のオレンジのクリアパーツが非常に美しく、メタリックブルーや赤の差し色も含め大変すばらしいカラーリングだと思います。

胸鰭と下顎はクリアオレンジ成型色の軟質パーツですがボディ成型色のベージュやメタリックブルーなどの色味に大きな違和感なく仕上がっています。

ビーストマシーンズでそれまでのビーストウォーズからデザインラインが大きく変更され、より概念的な外観になっていると思います。メタルスが「金属化した動物」だったのに対して「メカの動物化」といったゾイド的な雰囲気って言ったらいいんですかね?ビークル的なディティールが増えています。このハンマーストライクの場合、腹鰭がレトロ宇宙船の短い翼のようなデザインになっている辺りなど。

斜め上からみるとシュモクザメの特徴的な頭部形状が判りやすいですね。前述の通りメカっぽいディティールではなく、パーツ形状でメカっぽさを演出してるのがマシーンズの特徴って事ですかね?

下顎は可動しますが、完全に閉じることが出来ません。上記画像がそれぞれ最大/最小の開口になります。

なので角度によっては口が半開きっぽく見えてしまってちょっと間抜けな、藤子F先生の描く気の抜けた間抜け顔っぽく見えてしまいますね。「フア~」の顔みたい。

意図したかどうかは判りませんが、鼻づら付近に光を当てると両サイドのオプティックがライトパイピング(集光ギミック)のように光ります。この画像だとちょっとよく判んないんですが、光の当て方によってはかなり強く光って見えます。

背鰭や尾鰭のオレンジ部分もクリアパーツなので証明下で飾っておくと結構輝いて見えて映えます。

ビーストモードでの可動は顎以外に胴体後方を左右にくねらせることが出来ます。最新鮫フォーマーの AOTP ゲルシャークスカイバイトでも同様の可動が仕込まれていましたが、向こうがロボットモードの肘関節を転用していたのに対し、当ハンマーストライクではロボットモードの膝関節を転用しています。

ビーストモードにはお馴染みアタックモード(Attack Mode)ギミックが備わっています。ハンマーストライクでは鮫の頭頂部にあるスパーククリスタルを押し込むと鼻づら前面からアタックブレード(Attack Blade)が飛び出します。

シュモクザメの特徴的な頭部は上口蓋から胴体内部に至るかなり大きな別パーツとなっており、ロボットモードでは取り外して武器になります。当初買わなかった理由はこれで、厳密にいうとこれはかなり酷いパーツフォーマーなのでは?という気がしないでもない。取り付けたまま変形できないですし。しかしかって判ったのが、この頭頂部のスイッチ部分と武器として分離する部分はそれぞれ独立しており、ここを連動させる仕組みに一工夫ある(後述)という面白さです。結果手に入れて良かった。

その武器パーツを取り外すとちょっとビーストモードはメガマウスみたいな見た目になるのが良いですね。意図的かどうかは判りませんが。


Beast Machines Instructions

「武器」はパッケージ裏の取説でも "Nose section becomes a weapon. " としか記載がなく、固有の名称は判りませんでした。

サイズ感はこんな感じ。現行の一番小さい Deluxe Class 位のボリューム感だと思いますが、全長はそれよりデカいんな……これは比較が悪かったかも。

ロボットモード:

非常にスレンダーなロボットモードです。ビーストモードで唯一ボリューム感あったシュモクザメ頭部が分離しているので華奢。胸部はがらんどうで背骨側のディティールまで丸見えになっていますがそれ含めてビーストマシーンズのやや異形なデザインに従ってる造形だと思います。

背鰭が両肩上部にウイング状のパーツとして配置されてたり、胸びれが腕側面の斬撃武器のように配置されていたりと非常に格好いいんですが、腕部は肘が存在しない独特形状であり、人型の様で微妙に外してきている辺りもマシーンズっぽい気がします。

取説やオフィシャル画像では下顎部分を下側に伸ばして掌のように展開しているんですが、武器を把持させる部分はこの画像で腕の先端部になっているクリアオレンジの部分(鋏のように見えなくもない)部位なのでここが掌に該当すると(私は)は思うので下顎部は後方に回しています。

背面は胴体を繋ぐ軸に背骨のディティールがあります。鰭や顎は生体っぽさがありそれ以外の部分にメカっぽさが残っているハイブリッド感が正にテクノオーガニックボディですね。

足はビーストモードの尾鰭なので前後に大きく、幅が殆どない形状です。足首可動が前後にあり、非常に薄い幅は片足立ちできない欠点がありますが、足首の左右可動が無くても開脚時に違和感がないという利点もあります。小サイズ故可能だったデザインだと思いますが結果非常に良いと思います。

腰部フェイス。正面からだとやや判りにくい面構成ですが、ツインアイで口に相当する部分にいきなりファラオの顎の付け髭みたいのが生えている造形です。この顎髭がロボットモードではアタックブレードを展開するスイッチ部の伝達ピンも兼ねている為、頭頂部のスパーククリスタルを押し込むと連動して可動します。内部機構をロボットモードの顔のデザインに流用しているのがここの凄いところですね。設計はお馴染み蓮井章吾さんですが、蓮井さんの TF設計仕事はビーストマシーンズからのようなので、蓮井さんとして初仕事に近い時期の作品です。それでこのアイディアはちょっと凄いね。

肘が無い独特ロボットモードかつ、各関節の可動範囲はそれ程広くないんですが、どういうポーズさせてもかなりヒロイックな格好良さを醸してしまう良玩具ですね。ポージング下手糞フレンドリー。

肘関節なくても違和感少ないのは四肢あり直立二足歩行でも人外の雰囲気あるからでしょうか。

ディスプレイスタンド用のポートは当然ないので、アームを使って腰部や太腿を挟む感じで利用しています(上の画像では太ももの部分を挟んでいます)。変形用関節を使って肩を後方に動かせることと、上を向かせることが出来る頭部可動のお陰でスカイダイビング的なポーズは得意です。

人体とはちょっと違う関節構造な感じで G1 のセーバートロン住み TF 達よりもエイリアンとしての説得力あるような気がします。

「武器」は腕の先端の鋏のように「手首」部分の下側のピンを武器後端のポートに差し込み固定します。また腕先端の上側の爪に小さなとげのような造形があり、武器側のスロットにそれをひっかけることでかなりガッチリと把持可能なんですが、このクリアパーツの付け根付近には下顎の可動軸の金属ピンが打ち込まれている為、強度的に弱くなっており負荷がかかると割れやすいんですよね。実際私はこの後割れてしまい補修する羽目になってしまいました(´;ω;`)

ビーストモードの時に、「最近の Deluxe Class の小さい奴位のサイズ」とか言いましたが嘘でした。結構デカい。Deluxe Class の普通サイズの奴と比べると頭一つ分小さいう程度ですね。画像でご確認ください。

とはいえはて?だったのでビーストウォーズの初期 Basic Class を引っ張り出してきましたが、ハンマーストライクが Basic Class としては大きめなようです。金プラランディーに変わって我が家のイノシシフォーマーに就任したレイザービストと比較してみると、BW 期の Basic Class トイが最近の Deluxe Class 最小サイズ辺りのサイズ位という感覚は間違ってませんでした(´^ω^`)

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トランスフォーマーレジェンズ LG-06 ゲルシャーク (2014)

カーロボット放送から14年ぶりに発売された初の完全新規ゲルシャークトイ。少なくともタカラトミーから発売されたレジェンズ版ではそう呼ばれていますが、これはスカイバイトなんじゃよ。「はぁ?商品名はゲルシャークじゃんかよ!この英名主義者め!」とか思わないでまあ私の言い分を聞いて欲しい。

このトイは最初に ”Generations Thrilling 30 Sky-byte” として発表されましたが、その時のビーストモードの珍妙なカラーリング(頭部のみ水色で塗られている)は IDW コミック ”The Transformers: Robots in Disguise #5” に登場したスカイバイトのロボットモードの胸部カラーを参考にしていると思われます。もっとも IDW 版スカイバイトは左右非対称デザインを踏襲しているので実際には「左側は」水色で塗られていなかったんですが。

事実カラーリングだけではなくそのデザインも IDW 版に基づいています。その根拠をいろいろ探して 2012 年に IDW 版スカイバイトのデザインがイギリスのファンサイト Full Metal Hero で公開されていた、という記事を見つけたんですが、”Full Metal Hero” が既に閉鎖されてて肝心の画像が参照できなくなってまして(´・ω・`)

comicvine.gamespot.com

方々探してようやっと見つけたそのデザイン画がこれです(多分)。

で、この IDW 版を基にイタリアのコミックアーティストである Emiliano Santalucia 氏がハスブロの為に描いたジェネレーションズスカイバイトのコンセプトデザインが以下。

santalux.artstation.com

ここで IDW 版にはなかった胸部中央のインシグニアが追加されていますが、ロボットモードの背中のウイング、右手の内蔵銃、太いふくらはぎに細い脛、薄い足など IDWカイバイトの特徴的なキャラクターデザインが踏襲されていることが判ります。

実際の鮫には不可能と言われていた、イルカみたいな前方に体を丸めているポーズも IDW コミックのデザイン画から引き継がれていたんですね。

という訳なのでこれはゲルシャークではなく、IDWカイバイトなんですよ!というのが私の主張です。ご清聴ありがとうございました。

玩具コンセプトデザインの時に一回なくなってる尾鰭の付けから生えてるグルグルのにょろにょろは、玩具化の際にミサイルのデザインとして復活しています。

とはいえレジェンズコミック(取説の裏です)ではボディをアップデートしたカーロボットゲルシャークとして描かれているので、この玩具がスカイバイトなのか、ゲルシャークなのかは手にした人がそれぞれに判断すればいいですね(´^ω^`)

ビーストモード:

ビーストモードはお馴染みバイオメカニカル鮫ですが、ホホジロ感は若干薄れてしまったような。

そもそも鮫感も薄目で、このアングルからだとイルカに見えなくもないですね。この辺は IDW 版のビーストモードのシルエットからして既にそんな感じなのである意味元ネタに忠実という事です。

しかしまあ、なんとコンセプトアートにそっくりなことか。IDW 版デザインと比べると鮫の目が非常に大きくモールドされていますが、これはおそらくカーロボット版の胸部デザインに寄せるための工夫ではないかと思います。

レジェンズコミックでも冒頭で披露してたビーストモードでのメーザーストームは玩具でも再現可能です。

ほぼ完全スタチュー状態だったカーロボット版ゲルシャークのビーストモードですが、14 年の歳月は可動部を与えてくれました。当然の顎の他に、尾部の付け根あたりにも(ロボットモードの肘関節部分)に可動軸が設けられています。

非常にありがたいことにビーストモードでもフィギュアスタンド用の 3mm ポートが備わっているので安定してスタンドで支えることが出来ます。

というかですね、前側にカーブしたポーズなのでスタンドを使わないとやさぐれてふて寝してる鰹節みたいな感じにしかならんので。

カラーリングも衝撃的だった Generations 版から IDW デザインに寄せて修正されているのでレジェンズゲルシャークが最も IDWカイバイトに近い!と思います、現状。

ロボットモード:

今回のゲルシャークは胸部が非ダミー!実際の鮫の頭部がそのまま胸部に配置される動物胸ロボになってるんですが、しかしよくぞあの IDW デザインを玩具に落とし込むことが出来たなって感心しかありません。ハスブロ側のデザイナーはジョン・ウォーデン氏、(帰ってきて……)、タカラトミー側は三宅智也氏。どっちがどの位このスタイル、変形に貢献しているのかは判りませんが、ふくらはぎの太さ、脛の細さをガッチリ再現している上にここがビーストモードの鰓付近のガワとしてぴったりと収まってしまう凄い設計。カーロボット版とは胸部構造が全然違ってるのに下あご部分は同様に脚部が変形しているのも凄いですね(尚、 IDW 版では襟足辺りに下顎らしきモールドがあるので変形パターン全然違ってるようです)。

背面。IDWカイバイトの巨大なウイングを玩具ではビーストモードのガワで見立てて再現しています。鮫の前鰭はやや後方に配置されてヒップスカート風になるのがデザイン上は正しい見立てだと思いますが、側面まで展開してサイドスカート風にしても格好良いです。

側面から見ると胸部が立体的な造形になっているのが判りますね。

尚、肩関節が頸より後ろに配置されているので、ナチュラルに金田ポーズっぽくなっています。

頭部ヘッドのスカルプトは IDW 版ではなく元玩具やアニメを引用しているようです。もしかすると全ゲルシャーク玩具の中で一番イケメンかも。ただしオプティックは左右ともに縦線の入ったデザインなので左右非対称コンセプトのカーロボット版とは異なります。

現代基準でみると可動性能はやや低め。頸が左右のみ、ウエストロールなしはまあ仕方ないとして、腕部の可動はかなり厳しいものがあります。左右とも肘の可動範囲が低すぎる点と右手首の回転軸が無い事に加え、肘関節の向きと手首の向きがよろしくない。

左腕のクローは下側のガンメタルのスイッチを押し込む事で連動して回転するギミックがあります。また回転するクローの付け根にあるシルバーのスイッチを押すと中央にセットしたミサイルが発射されます。クローはカーロボット玩具では定位置に固定してロックする機能がありましたがレジェンズ版ではオミットされており、ポージング中に意図せずくるくる回ってしまいます。

二連ミサイルランチャーもフィンブレードもないので武器は右腕の固定銃(ギミックなし)と左腕のクロー、その中央部のミサイルだけになります。そもそも右手も 5mm ポートが備わっているタイプではないので通常の武器は持たせ難いと思います。

腕部可動は非常に厳しいですが工夫次第でまあまあいい塩梅のポーズは出来ます。出来てると思います(´;ω;`)

下半身の可動はかなり優秀な方で、特に足首に関しては左右方向のロールこそありませんが、前後は前方向にも倒せるので他玩具では難しいポーズが取れます。

取説イラストのヤンキー座りっぽいポーズもギリ出来るんですが、顔を上に向けられないのでちょっと雰囲気違ってしまいますね。

立膝は行けます。

腕組みは腕の可動域と前方に突出した胸のせいでちょっと無理でした。

ロボットモードには尻付近にフィギュアスタンド用の 3mm ポートが備わっていますが、ちょっと重心バランスが悪いのでつま先とか踵で支柱を押さえてあげないと回転してひっくり返ったりします。

クセ強玩具ではあるんですが、あーだこーだ触ってるうちにだんだん様になるポーズが見つかってくる感じで兎に角触ってて楽しい玩具ですね。

そして触ってるとカーロボゲルシャークに見えてきてしまって、冒頭の主張がどうでもよくなってくるから困る(´^ω^`)

いいか、これはこの世界で一番 IDWカイバイトなんだ!一番似ている IDW ス秋バイトなんだ!!俺には IDWカイバイトはこれしかないんだ!だから、これがいちばんいいんだ!!(やけくそ)

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トランスフォーマー カーロボット D-005 牙提督 ゲルシャーク (2000)

牙提督って言いたくなっちゃうよね。という訳でタイトルに役職名まで書いてしまいました。「ゲル」といえば今では石破茂を連想しますが、2000 年当時は「ゲルショッカー」でお馴染み「ゲルダム団」の「ゲル」なので、ショッカーよりさらに悪い敵、みたいな認識の擦り込みがありました。役職名、ネーミング、そして禍々しい見た目の両モードが愛すべきキャラクターの「前振り」になってたなんて普通思わんよね。

逆輸入された海外版 ”Transformers: Robots in Disguise” は ” Beast Machines” の失敗で流れた ”Transtech” の代わりに放映された乗り物にディスガイズする原点回帰の作品、みたいな言われ方してますけど、「乗り物にディスガイズする」だけなら ”Transtech” だって同様なのでここの原点回帰は「地球のビークルに変装して隠れる」要素だと思うんですが、作品内で「トランスフォーマー」は周知の存在になってましたよね。個人的には陣営の片方の(少なくとも初期メンバーは全員)オルトモードが生物モチーフなのでビーストウォーズシリーズの日本独自作品の最終作だと思っています。作品的な繋がりは全くないですけど。

なのでこれはビーストウォーズシリーズだから玩具封入のミニカタログでも表側はビーストモードを持ってるデストロンガーになってる訳ですよ(これは玩具数の都合でタイトルロゴの表紙を入れることが出来たのがデストロンガー側だったというだけの事かも知れないですけども)。

ここで注目していただきたいのは製品番号なんですが、ギガトロンの D-001 は当然としてゲルシャークの D-005 は部下より後ろという点です。しかし製品の紹介順は 2 番目。これは映画などのクレジットタイトルの配役順的なトメの位置がゲルシャークって事じゃないですかね!(これも勝手にそう思い込んでるだけかもしれませんが)。

ビーストモード:

ビーストモードはバイオメカニカルサイバーシャークです。未来から来た癖に有機体部分は捨てて無いんですね!それもその筈ギガトロンを除くデストロンガー初期メンバーはトランスメタル2玩具のリカラーなので日本での放映順的にもマシーンズでの有機体パーツを排除する暇がなかったんです。まあまあ異なる分気がされた未来から来た可能性もありますし。

しかし惚れ惚れするビーストモード。トランスメタル2の中でもトップレベルの素晴らしいスカルプトだと思います。後に発売されたゲルシャーク玩具と異なり、顎可動さえありませんが、それが逆にスタチューとしてのデザインやポーズの美しさに繋がっていると思います。

本来スタンドなしでも胸鰭と尻鰭の三点で自立する筈なんですが、私の個体は胸鰭を接続しているメッキパーツの可動軸が緩くなっているのか、自重を支えきれず広がってしまうので最早ビーストモードで飾っておくにはスタンドで支えるしかなくなっています。無論古い玩具なのでフィギュアスタンド用のポートなどは備わっていない為、畳んだ膝の後ろ辺りにスタンドのアーム状パーツを突っ込んで支えていますが、結構安定して固定出来ます。

基本的に可動箇所はありませんが、ビーストモードでも尾鰭を回転させるダイヤルにアクセスできるよう設計されているので尻尾をグルグル回すギミックは生きています。この尾鰭にはギミック発動させない時に回転しないようロック機構が備わっているのも素晴らしいですね(レジェンズゲルシャークにはこの機能が無いのでどのモードでも尾鰭が回転してしまってウザいのよ……)。

胴体を捻った姿勢でポージング固定されていますが、上から見るとこれ位しりびれの辺りが曲がっています。真上から見た体形的には鮫というよりは鰹とかっぽく見えますね。この天才的な彫刻がどの段階で確立したのかは判りませんがタカラ側のデザイナーは今や大出世なさってタツノコプロの非常勤取締役までなさっている平 雄一郎さんだそうです。以下のプレイバリュー含めてなかなかの超設計よ。

アタックモード。尾鰭のクローを展開、胸鰭の金メッキパーツを立てる、上顎を展開してツインミサイルランチャーを露出させる。でこの奇怪なアタックモードとなります。この状態から上顎を閉じることで 2 発のミサイルが同時発射されます。この狂気のアタックモードはビーストウォーズのウリの一つだったので玩具として後発のセカンドやネオではもっと酷い凄いのが登場します。

久々に引っ張り出してきたので惚れ惚れ堪能しています。

ロボットモード:

この玩具の直接的なリメイクとして変形パターンやディティールなどの多くを踏襲した AOTP 版スカイバイトゲルシャークがありますが、パーツ構成や塗装、そして何と言ってもビーストモードの大胆なスカルプトに於いては四半世紀前のプロダクトですがこっちの方が「優れている」とさえ言えます。まあ TF 玩具は新しい玩具が出てもそれが決定版とならずにどっちも捨てがたい魅力がある、ってなっちゃいがちなんですよ。

上腕部や脛の黄色い部分は別パーツがかぶせられており、ディティールの深さが段違いで素晴らしい。こういうパーツの重なり的な表現は今の TF 玩具ではほとんど見ることが出来ないですよね。

背部。尻部分にサメの頭はキブルと言って差し支えないと思いますが、こういうキブルは大好きなんですよ。変形玩具感がある。両肩のアーマーはビーストモードの丁度捻られたところのガワなので左右で形状が異なります。アニメの設定画などではもっと肩の上に被さる位置にあるのが正解なんですが、玩具でそうすると頭部両頬のあたりまで迫ってくるため少し背面側に斜めに配置するのが良いと思います。

頭部ヘッド。表情はビーストウォーズ期にお馴染みの左右で異なるスカルプトになっています。このヘルメットのデザインも山高帽の様で非常にお洒落。AOTP 版も悪くないんだけど、この型の形状でミッシングリンク出して欲しいと思いますね!最も人気のある TF の一人なのも納得。

左腕のクローは肘に設けられたダイヤルを回すことで回転します。またこの回転はクローの付け根のメタリックグレーのスイッチでロックすることも出来ます。このスイッチ部分はビーストモードでは左右の腕を纏める際のタブに役割も持っているのが設計の妙。

ビーストモードで鮫の口腔内に格納されているツインミサイルランチャーは取り外してロボットモード時に手持ち武器として右手に持たせることが出来るんですが、破損が怖くて今回は取り外しを見送りました。マークが言ってる1はめ込み軸は外せるってこういう奴もそうなんだけど、VS 経年劣化戦で負けそうなんで個人的にはちょっと否定的なんですよね。

胸鰭を外してフィンブレードとして手持ちさせることが出来ます。初期のフルポーザブルなので二の腕ロールなし、手首ロールなし、肘の可動方向に対して手首の付き方が 90° 違ってる、などでポージングには非常に難儀します。肘関節がボールジョイントなのでそこでロールさせることも出来るとはいえ、肘可動に対して手首向きが固定されているのでちょっと格好悪くなりがちです。

可動性能は程々。当時玩具としては高めだと思いますが足底形状が下顎の内側なのでなかなか立たせづらいです(私の個体は足首の関節も少し緩めなので、それも影響していますが)。

膝が変形の恩恵で二重関節になっているので、それぞれ「下側」の関節を使う事でかなり自然な立膝は可能です。

腕組みも非常に長い左腕のお陰でそれっぽく出来ますね。もうこれは可動性能滅茶高いって事で!

今も地球の海で平和を堪能してらっしゃるのだろうか……ところでカーロボット 25周年やんねーのかな?

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  1. 唐突ですが AOTP 版ボルテックスでハスブロのデザイナーであるマーク・マーハー氏が「要らねえキブルは外せるだろ!」つってはめ込み式の軸のトコで外せって言ってるのがちょっとどうかと思ってましてね!次の記事まで引っ張ってしまいました。

トランスフォーマー エイジ・オブ・ザ・プライム AOTP-14 ディセプティコンボルテックス (2025)

T-SPARK ブルーティカス組の最初は左腕担当のボルテックス!商標の都合か国内では「ディセプティコンボルテックス」名義(海外では ”Combaticon Vortex” )になってます。一般名詞の「渦」なので、いろんな玩具で使われそうな名称ではありますよね。私は「xxボルテックス」で TF 玩具発売できるなら商標とってまで保護する必要はないと思いますが、だったら国内は「ボルター」名義で出せばいいんじゃないの?と思わなくもない。

今回の再商品化は Combiner Wars (ユナイトウォリアーズ)から 9 年、ゲシュタルトの完成が来年になると計算すれば 10 年ぶりのリメイクです。コンバイナーの中でもブルーティカスはモチーフ、完成度の高さで、他コンバイナーより人気があるという印象がありますけど、実際に Generations トイラインで FOC ブルーティカスが発売されているから他のコンバイナー連中よりは一回多く製品化されている筈。あとスィンドルがなんだかんだと単体で商品化されがち。当然非正規でもブルーティカスをモチーフにした玩具は多数発売されており多分デバステーターに次いで数が多いんじゃないかと思います(印象論)。

オルトモード:

G1 トイのオルトモードはカマン SH-2 シースプライト と言われていますが今回のボルテックスはテールムーブ形状が大きく異なっていてちょっとそうは言いにくい雰囲気なので、架空の軍用ヘリコプターとなっています。TFWIKI では UH-60 ブラックホーク説出てましたけど、言われればメインローター下のギアボックスやターボシャフトエンジンのディティール、全体的なバランスは確かにブラックホークに似てるかも。

だとするとテールムーブの下半分が省略されて「しまっている」という事になりますが、ここはコストやロボットモードでのガワの処理の問題に対処するためあえてこういう形状にしたって事でしょうね。

機首部分はロボットモードでつま先と踵を構成する構造上、その分割線がちょっと口に見えますね。喋りそう。

着陸脚は ATOP エアーボット部隊の同じ左腕を担当するスリングショットと前後逆ですが全く同じ処理となっています。なので前輪は非常に小ぶり。スリングショットの方はサンダーバード2号的な奴という援用でどうにか「アリ」と思い込むことに成功しましたが、これはちょっと厳しいかも。

後輪は AOTP スリングショットと同様ロボットモードの頭部に丁髷スタイルの引き出し式車輪が内蔵されているタイプです。

ああー成程!ボルテックスにはオルトモード時に顔面部分を覆うコの字型のカバーパーツがあり、これは必要?って疑問だったんですが首がボールジョイントなのでオルトモードで着陸脚基部がブレないように固定するための拘束カバーだったのか!

取説に従った武器取付位置だとこうなります。初代トイやアニメの設定画ではテールムーブに取り付けられていた二門の火器は胴体後部のスロットに銃口が後方を向くように固定されます。またロボットモードで手持ちの銃になるブラスターは機首側面のスロットに固定されます。取説だと何故かすべての武器の 5mm ペグが上向きになる(感覚的には全部さかさまになる)取り付け方になってます。

武器はガンメタ成型色で塗装無しですが、初代トイやアニメでは太ももなどのパーツと同じブルーグリーンだったので、今回も太もものパーツと同じランナーに配置してくれたらもうちょっと武器が目立ったと思うんですが、逆にあんまり目立たせたくないという配慮の配色なんでしょうか。

本当はブラスターは機首前面中央部に固定されるべきなんですけども、AOTP 版では構造的にそれは叶わず、それっぽく取り付けするとすればブラスター側面のタブを用いて機種底面のスロットにスコープを中央側にして取り付けるのが良いと思います。ただしこの場合接地出来なくなるのでフィギュアスタンドが必須になります。

残念ながらフィギュアスタンド用の 3mm ポートは備わっていないのでアームパーツで何処かを挟んで固定しますが、胴体側面にある謎の窪み(ロボットモードのウエスト部分)が重量バランス的にもよい感じでした。

側面や底面に 5mm ポートやスロットが多数あり、これは機能的にはコンバイナーでフレームに取り付けるために用いるものですが、武器取付にも使えます。機首側どうにか中央に武器を取り付け出来るポートが欲しかったですけどね。

取説の図にミスがあって、水平翼と直交してる 1/4 円のパーツが上側に配置されるように描かれてるんですけどこれは位置決めのポッチとその受けのモールド的にも当然逆になるのが正しいと思います。上の図の状態から 180° 回すって指示なの?とも思ったんですが、ロボットモードでもそんな状態にはならなない(ロボットモードでは 90° 回転して水平尾翼が縦になる)ので、多分ミスだろうと思います。

ロボットモード

胸部の(コンバイナーの腕フレームに取り付ける為の)スロットが目立ちますが膝上まではまあまあアニメ設定画のデザインを拾えていると思います。ただし膝下はもう全然似てませんね。設定画のはもともと足首可動を考慮しない初代トイデザインの翻案だからここは仕方ない。

この画像では意図的に下腕部のガワパーツを外さずにしていますが、そうすると下腕側面の 5mm ポートが使えないのでアームキャノンを取り付け出来ない!そのためアームキャノンを脛部分の 5mm ポートに固定しています。

拳より先にもガワが残る状態ですが思ったよりは悪い見た目にならないですね。

腕のキブルが目立たないのでこの状態だと後ろから見てもすっきりしています。ローターブレードの取り付け位置、もうちょっと上の方がロボットモードとしては格好良くなる気がします。オルトモードの時ももうちょっと前にあった方がええのにな、と思いましたが、そうするとローターをもうちょっと大型化しないと締まらない⇒ローターブレードに伸縮機構入れないとロボットモードで取り扱いが邪魔になるのでコストが上昇しますね。あと私はしませんがハスブロの Mark Maher 氏が Instagram

the ability to slide the backpack to the side to give a cleaner look.

バックパックを横にスライドさせてすっきりとした見た目を実現する機能)とか仰ってるのでこのバックパックの回転軸上にメインローター基部を配置する必要があったのでこういう不格好の方を取ったんだと思います。この ”バックパック” の回転は変形時の脚部を縮める際のクリアランス確保に必要なものなので私は「すっきりとした見た目を実現する機能」とやらは必要ないと思いましたけどね。

下腕のガワを取説通りに変形させた状態だとこうなります。が、この画像では肘からぶら下がってるキブルが上手いこと腕で隠されてしまってそんなに問題ないように見えてしまっています。

尚、この画像では「胸ホルスターっぽい感じ」を醸そうとして胸部のスロットを使ってブラスターを固定しています。

腕のキブルは実際にはこれ位目立ちます。非常に邪魔な上にガワの方の軸は渋みが無く常にプラプラしているので取扱いも面倒です。私はどっちかっていうと変形玩具のキブルを問題としない方ですがこれは久々に本当に悪いキブルだな、とおもいました。これについてはハスブロの Mark Maher 氏も自身の Instagram

you can even pop off the extra arm kibble in robot mode if you prefer.

(ロボットモードでは、必要に応じて余分な腕のパーツを外すことも可能です。)とか仰っててですね、流石にそれはどうかと。そりゃはめ込み式軸だから外せんだけどさあ……はめ込み式の軸やらボールジョイントで分解できるのを機能みたいに言うのは辞めて欲しいですね(´・ω・`)

頭部フェイス。設定画に忠実なディティールですが、私はちょっとイメージと違う感じがしてます。これは印象なので説明難しいんですけども、マスク部分がちょっと幅広で全体的に角ばった顔に見えるせいかもしれません。

斜めのこの角度からだとりイメージ通りに見えます。個人的にはもうちょっと「かわいい」イメージあるんだよなあ、顔。

マークが言う通りバックパックを 90° 回転し、腕のキブルを外して「すっきり」させてみましたがこれはちょっとすっきりしすぎて違和感あります。もう老害客じゃんね、私。

キブルはあった方が良い……邪魔ではあるんだけどもあった方がなんか好き。誤魔化しですっきりした腕に私は耐えられませんでした。でもこれが超設計でガワが消えた!不思議!ってなったらその違和感も素晴らしい!とか思うんだろうからこれはもう個人の罪悪感の問題だと思います。見栄えパーツも苦手だもんね私。

このキブルを駄目と思うのは形状というよりはプランプランしちゃう扱いずらさにあると思うので、クリックとか、せめて軸に渋みがあれば良かったなーと思います。

可動性能は高めですが、脚部は膝下部に前後方向の厚みがあり過ぎることと、膝上膝下バランスの都合で立膝はかなり無理目な感じ。

無理やり頑張ってもなんか滑り込みしてるみたいなポーズになってしまいます(わたしの下手糞のせいかも)。

体幹はかなり優れているので静的ポーズから躍動感あるポーズまで大体なんでも思い通りにこなせると思います。私にセンスがあればもっと格好いいポーズ取らせてあげられると思うポテンシャルなんだけど、同じポーズしかできない貧困なのでまあ。けど適当に触っててもまあまあ格好良くなってしまうので各関節の位置たバランスに優れていると思います。

メインローターは 5mm ピンで本体に取り付けられているので、背中から取り外して他の 5mm ポートに取り付け出来ます。武器でも盾でも発想次第でいろいろできそうですが、パーツに干渉せずにスムースに回転させることが出来るとこはなかなかないかも。

後頭部着陸脚繋がり。このお迎えでゴンスみたいな顔はファイヤーフライトでも恐らく出来ると思いますが、同じ腕組のブラストオフは構造がまるで違うので多分出来なくなると思います。

左腕の対決。基本構造は共通してますが、機首の向きが逆というのが面白いですね。

コンバイナーモード:

とりあえずスペリオンの腕フレームに取り付けてみました。ブルーティカスはフレームなし合体でも行けると思うんですけど今回の共通規格系コンバイナーはフレーム方式で共通化を図ったようですね。コンバイナーの頭部や手首足首の余剰無しを実現する方法として今回はこの方式という事かしらん?フレームを使わない合体方式によるブルーティカスはまた 10 年待つか、 MPG に期待ですね。もう死ぬまで叶わんかも知らんw

腕フレームの翼は流石に変えてくる筈ですが、タイヤの受けの凹みまで共通化していることを鑑みると少なくとも腕フレームはスペリオンの金型のリデコで対応する計画だと思います。

テールムーブ部分が肩基部よりもかなり上方にはみ出すので、ブルーティカスとしてのシルエットは劇中イメージに近く出来そう。

そういえばフレーム合体方式だとブラストオフの向きが逆にならん?って心配してたんですが取説の図を見る限りではやっぱり逆向き取り付けになりそう。

ズンバらり、っと泣き別れ。メナソー、スペリオンブルーティカスの腕組みは全てここの分離構造が共通なのでオルトモードやロボットモードで前後入れ替えて遊べるみたいですね。スーパーリンクじゃん!

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トランスフォーマー エイジ・オブ・ザ・プライム AOTP-15 スカイバイト(RID 2001 ユニバース) (2025)

今年はゲルシャーク 25 周年!今回の AOTP 版は最初のゲルシャークトイの正当なリメイクといった趣でデザインや変形パターンに初代トイのオマージュが感じられました。

初代ゲルシャークはトランスメタル2サイバーシャークのリカラーアイテムだったので、カーロボットゲルシャークとしては四半世紀を経て遂に完全新規金型のトイが発売されたという事になります1。目出度い!

しかしそれなのに国内販売でも製品名が「 スカイバイト(RID 2001 ユニバース)」になってしまうとは……

タカトミは 2007 年のベイバース映画以降キャラクター名を英名のカタカナ表記に改める傾向にありましたが、例えばラットルとかはラットトラップ呼びにしてなかったりしますよね。だったらゲルシャークさんは流石にゲルシャークさんのままで良かったんじゃないでしょうか?いやまあ私は IDW バースのスカイバイトも大好きなので英名を忌避している訳ではないんです。ないんですが、でも!?しょうがないのでそれでも私はこのゲルシャークさんに関しては負けるもんかの気持ちでゲルシャークさん呼びを貫いていきたいと思います。Generations 版の方は「IDW のすがた」なので私の中であっちのほうはスカイバイトなんですが、レジェンズとして国内販売された時はゲルシャークだったんですよね(´・ω・`)もォやだ!

ビーストモード:

さて、我に返りまして。

ビーストモードはお馴染みバイオメカニカル鮫です。前二作のゲルシャークではポーズこそ違えどビーストモードは躍動感のあるポーズで固定されていましたが、今作 AOTP 版ではストレートなスタイルの鮫に変身します。モチーフは多分ホホジロザメだと思うんですがイタチザメやシロワニの雰囲気も混じっているように思います。概念としての「鮫」ですね。

全長や胴体の太さや腹のふくらみのバランスなど、かなりベストな鮫体形になっていると思いますは、尻尾の黄色い爪パーツを畳んだ時に尾鰭としての一体感にやや欠けるのが残念ポイント。ロボットモード時の形状優先した可能性ありますけどここに関しては初代トイのピッタリ収まる気持ち良さに負けてますね。

背鰭の付け根にフィギュアスタンドの 3mm ピンが丁度刺さる「穴」があり、今回そこを使って支えていますが、よく見るとこれ真円ではないので実は単なる背鰭のモールドだな?と思います。渋みも良い感じなんですが、意図した使い方ではないのでお勧めは出来ませんね。

ビーストモードはストレートな姿で再現と言いましたが、尾部に体を組値させるための関節が設けられていて、左右に尻尾を振ったポージング化可能になっています。今回ここのエンジニアリングの脅威が凄い!ロボットモードの両腕が上手い事組み合わせられて左右の腕の肘関節が同じ場所に纏まることで、この肘関節をビーストモードの尾部の関節に転用するという設計。これを成し遂げたタカトミ側のデザイナーは梅津周平さんだそうです。

腹側。ロボットモードのつま先が下顎を構成する構造や両腕が組み合わさって尾部を構成する仕組みは初代、レジェンズ(Generations)版、AOTP 版すべてで共通しています。これらはゲルシャークの変えられないアイデンティティですね。あとロボットモードの頭部が背鰭になるとこも!

初代トイのアタックモードをオマージュ(穏当表現)した「ミサイルランチャーを口腔内で露わにしたモード」です。でもこれあまりにも咥えている感が強すぎてマウスピースみたいに見えちゃうんですよね(´・ω・`)……なのであんまり格好良く見えないのが残念。

格好良くないのでこのツインミサイルランシャーは締まっとくに限るんですが、ビーストモードでもロボットモードでも上顎の奥に収納しておくことが出来ます。

鮫ちゃんとしてはゲルシャークトイイチ大口を開けられるので素晴らしいジョーズっぷりを発揮できます。

尾部の可動に加えて今回のゲルシャークには専用の頭部可動が追加されておりまして、これが非常に素晴らしい。

可動角は若干浅めですが、多分ビーストモードでの直立姿勢を再現しようとしたのかな?と思っています。これがあるだけでグッとゲルシャークさんの人間味が増しますね。欲を言えば前鰭の付け根に引き出し関節が欲しかったです。

我が家の牙提督がコンビからトリオになりました記念で揃い踏み記念写真。カーロボット版、レジェンズ版を収納してたのと同じケースに BM ハンマーストライクも居たのでバイオメカニカル鮫繋がりで引っ張り出してきました。こうやって見ると ”違うんだよカーチャン” というよりは ”みんな違ってみんな良い” な感じですね。これは私の感覚が既に狂ってるのかもしれませんけれども。

ロボットモード:

カーロボット版トイもロボットモードは気取り屋らしくスタイリッシュな体形でしたが、 AOTP 版はそれ以上に現代基準でシュッとしたイケメン体形になっています。特に股下が伸長されています。また左手の爪が少し小型化されており、これらによって設定画では殆ど地面に届きそうなほどだった左腕は脛位までの長さに抑えられており、バランスが改善されています(私はシオマネキみたいに片腕だけ異様にデカい異形デザインの方が好みですが)。

背部にはカーロボット版と同様ビーストモードの頭部や胸鰭周りのガワが畳まれて配置されますが頭部はクランクで縮み、胸鰭の取り付けられたガワでロックされるよう進化していて非常に纏まりがあり、要は格好良くなっています。脚部はレジェンズ版に似たクランクによる伸縮機構が備わっていて、これまでのゲルシャーク技術が集約した感じでアニバーサリートイとして現時点での集大成という感じがします。

アニメ版のゲルシャークもうちょっと顔が長かったかな?カーロボット版はトランスメタル2のリデコという事情もあり左右で顔の表情が異なってるトゥーフェイススタイルだったんですが、今回は完全新規なので劇中のゲルシャークにより似た顔になっています。

これもトランスメタル2の左右非対称デザインの影響ですが右目にだけ縦スリット入っているのは劇中でも継承されていたので今回も再現されています。

頭部のシャッポ部分のディティールはビーストモードで 3mm 穴として利用した部分も含めてほぼカーロボット版に準拠してます。胸部のスパーククリスタルは不透明パーツにメタリックがかったパープルで塗装されていますが、TFWIKI によるとこのパーツの裏側にはプレダコンエンブレムが刻印されているそうです。

ポージング性能は現代基準でみて標準より上だと思います。

ただし太腿に対して膝下が長い事、また足首可動が構造的に爪先のみで踵が上下方向に可動しないことから立膝は超苦手のようです。

腕組みは出来ますねー牙提督なのでこういうポーズはさせたい。

ツインミサイルランチャーは 1 ピース構成の簡素なつくりでカーロボット版のものよりかなり小型化されていますが、手持ち武器として把持させることが出来ます。

また胸鰭をフィンブレードとして把持させることが出来ます。

けどやっぱりゲルシャークは左腕のクローをメイン武器として使って欲しいですね!

BM ハンマーストライクとは、ビーストモードで胴体をくねらせる関節が用意されているという共通点があります。

カーロボット版と。ディティールは概ね踏襲してるんですが 25 年前の玩具は例えば肩や脛の黄色いパーツが別パーツになってたりしてディティールに深みがあるんですよね。またカーロボット版の方が塗装個所も多く、メッキ部分もある。可動性能は低いですが、肘のダイヤルを回すことでが左手のクローが回転するといったギミックがありこれはこれで素晴らしいトイですね。

レジェンズ版と。この画像では AOTP版の方の肩アーマーを角度変えて出来るだけレジェンズ版に似せてみようとしています。レジェンズ版は胸部がビーストモード時の鮫の頭だったりする見立て無し変形になってるのが素晴らしいですね。

牙提督トリオ! 5 年ぶりのアップデートですわい(´^ω^`)

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  1. ゲルシャーク / Sky-Byte トイとしては 2010 年に Energon Sharkticon のリデコによる Botcon 限定トイが、そして 15 周年にはちょっと早い 2014 年に完全新規金型による Generations Sky-Byte (日本ではレジェンズ ゲルシャーク)が発売されていましたが、前者はリデコ、後者は完全新規ですが変形パターンが一新されデザインも IDW Sky-Byte から多く引用されたトイだったため、カーロボット ゲルシャークとしては今回の AOTP 版が最初の!完全新規の!ゲルシャークなんだ!

トランスフォーマー マイクロン伝説 MM-19 アドベンチャーマイクロン エクスディメンションズ (2003)

往年のアクション俳優大集合映画みたいな文字列がくっついていますが、これは恐らく「extra dimensions」の略称として「ex-dimensions」という事だと思います。物理学的には「余剰次元」という四次元より高次の次元を表す概念だそうです。なんのことだかさっぱり判りませんね。俺たちの TFWIKI によると Exdimensions とは別次元の住人を表す造語だそうで、エクスディメンションズは所謂リカラー版ですが、パラレル世界の同名マイクロンチームという事らしいです。

本チームは「アドベンチャーマイクロン」という抽象的なチーム名ですが彼らの代替モードはそれぞれ圧雪車、武装サンドバギー、ピックアップトラックとモチーフもバラバラで「冒険」感は殆どありません。 TFWIKIにはこのセットについて ”This deco was repurposed as the All-Terrain Excursion Team.” と書かれており「この配色は全地形遠征チームに再利用された」となるんですがそういうネーミングの玩具が発売された形跡もなく全く意味不明なんですが、アドベンチャーよりは全地形遠征の方が彼らの繋がり感はあるような気がします。実際には、「ローラー付きギアによるギミックと搭載した」繋がりのチーム1です。

ジャンク

オルトモード:

オルトモードはどうやら圧雪車( Snow Groomer )という特殊車両のようです。スキー場のゲレンデ整備する車両だそうです。

英名は ”Iceberg” と寒冷地繋がりのネーミングですが、和名では「ジャンク」になっており、機能やオルトモードとは特に繋がりがなさそうなネーミング。TFWIKI によるとこれはタカラがこのオルトモードをごみ収集車と勘違いしたのではないかと考察されていました。本当かな?

車両前方のブレードは実際の圧雪車では前面のドーザーブレードの両端部に(恐らく集めた雪が横方向に逃げないよう)角度をつける機構が備わっていており、ジャンクの蟻地獄の顎のような形状はそれを再現しています。実車の画像をいろいろ探してモデルになった特定車両を見つけようとしましたがそれは叶わず。しかしブレード下端がギザ歯になった車両は実在しました。

左側面には小ぶりのクレーンが装備。これが結構特徴的なのでモデル車両特定できると思ったんですけどね!玩具ではこのクレーンの付け根がボールジョイントで可動します。

車両後部も下側はドーザーブレードのような形状になっています。このように前後にドーザーブレードが備わっている車両は結構ありました。とはいえ流石にジェットノズルのようなものが備わってるものは存在しないようです。圧雪車としてではありませんが過去にはジェットエンジンから噴き出す風圧で雪を吹き飛ばす、或いは雪を解かすという発想の除雪車、融雪車は実在したので、そういうのから発送してジェットエンジンを搭載したのかもしれません(ロボットモードのつま先として自立するデザインにしたら偶々この形状になったという可能性も否めませんが)。

                                                                                                                                                                                                                                                                                  側面。実際の圧雪車もこんな形状なので上手くディスガイズできていると思うんですが、ミニコンなので彼も実際の車両よりは随分小さいのだと思います。

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アドベンチャーマイクロン共通のローラーギミックですが、ジャンクの場合は底面のローラーの回転に連動してブレードアームの左右がパクパク動作します。

このギミックを発動させる底面のローラーはギアと一体化された形状で、これは別売のマイクロン伝説サンドストーム(私が所有しているのは海外版なので Armada Cyclonus )の機首底面にある取り付け部にマイクロンを固定することでローター回転ギミックに連動してこの取り付けたマイクロンのローラーギミックを発動させるためのものです。

しかしサンドストームのギアの回転速度は非常に速いのでアドベンチャーマイクロンはどれも適切な動作になるとはいえず(他 2 体についてはそれぞれの解説で記載します)、連動遊びとしてはいまいちな気がします。ジャンクの場合はあまりに高速にブレード両端が可動するので殆ど震えているようにしか見えませんでした。


※これは Armada Cyclonus 側の取り付け部の画像です。

特にジャンクの場合は、サンドストーム( Cyclonus )側のスライドレールに取り付ける際に履帯が干渉してしまい非常にやりにくいという欠点があり、無理に取り付けようとすると破損の恐れもあるため注意が必要です(どうにか取り付けてもあんまり面白くないので玩具保護優先した方が良いです)。

オルトモードとしてはゲレンデ整備用の圧雪車としては実車と比べて履帯の幅が狭すぎという嘘がありますが概ね上手くディスガイズできていると思います。

マイクロンジョイントはオルトモード底面に 1 つ備わっており、そこ楽こっち側を武器として見立てたりするのかな?と思いました。

ロボットモード:

ギミック用のローラーとその取り付け枠が相対的にデカいので胸部デザインがおざなりというのはアドベンチャーマイクロン共通の問題かもしれません。剥き出しの心臓的パーツとして見立てたらまあまあいけるかな?マイクロン伝説玩具のパッケージに描かれたロボットモードのイラストはどれも強アレンジで滅茶苦茶格好良く玩具のディティールを再解釈されていたので、そっちを援用して心の目で見ると良いんじゃないかと思います。マイクロンはここの形態の珍妙さも味なのでよきです。

ランドセル背負ってますが良い感じ。圧雪車( Snow Groomer )というモチーフは珍しいし面白いので Deluxe Class くらいで出してくれてもいいよね?と思います。

蛍光イエローみたいなボディカラーで顔のディティールも判りにくいんですがメット部の鼻当て的な意匠の鼻と、への字口があるデザインのような気がします。ライノックス辺りの系統顔かも。

可動はこれ位なので特に語ることはありません。腕部はギミック用のアームに干渉するので後方には全く可動しません。

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スパイク

オルトモード:

オルトモードはオープンな二座コクピットと銃座が備わった戦闘デューンバギーですね。英名は ”Dune Runner” ですが、この名前はトランスフォーマー・リベンジの時に発売されたオフスクリーンキャラでセクター7所属の戦闘デューンバギーから変形する TF#Revenge_of_the_Fallen) でも用いられています。

コクピットをガードするロールケージにヘッドライトが付いたデザイン、どこかで見た覚えあるんだけどなんだっけね?

ロールケージは跳ね上げ式です。本体側には二座のシートが備わっていますがハンドルの類は完全に省略されています。

構造的には背面の銃座にも射手が配備される 3 人乗りの車両ではないかと思うんですがどうですかね。いろいろスケール感が混ざってる謎車両ではあります。

このスケールの合ってない感じがする砲塔部分はほんの僅かですが左右に首振りします(設計上意図されたものか構造上の遊び的なものかは不明)。

車両後端のハンマーヘッドのような構造物はロボットモードの頭部ですが、オルトモードでは 180° 回転して(上手い具合に)銃座の座席的なデッキ部分で隠されます。オルトモードでは反対側のマイクロンジョイントが露出する構造になっています。

デューンバギーにしては鈍重なデザインですね……

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ローラーギミックは銃身の首振りです。構造は恐らく回転する円盤に設けられた偏芯した穴に銃の軸を取り付けて円盤の回転を前後左右のロールする動きに変換しているんだと思うんですが内部スペースに余裕あれば偏芯円盤カムみたいな機構にしたかったんじゃないのかな?銃身は前後動もしてるんですが左右首振りの動きの方が大きく目立つので「発射の衝撃吸収で銃身が前後動している動作の再現」としては失敗してて、無差別に通行人を掃射する残酷マシンみたいな印象になっちゃってます。

マイクロンジョイントを利用して他 TFに取り付けるとこんな感じになります。これはエボリューションギミック発動させるキーとして使ってますが、武器的に見立てる場合は砲塔部分の機銃を武器とする感じですかねえ。

ジャンクのロボットモードでも書きましたが、別売のマイクロン伝説サンドストーム(私が所有しているのは海外版なので Armada Cyclonus )の機首底面に取り付けてサンドストームのローター回転ギミックに連動させることが出来ます。

機能上ローラーがオルトモードの底面に配置されてるので当然天地逆に固定されることになります。

こういう感じですね。スパイクの場合は横とか斜め下から見ないとギミック連動を確認できない感じ。

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判りやすさ優先で引っ繰り返した状態でギミック再現してますが、片手だとブレますねー!転がし走行時の速度で最適化された動作なのでローター回転ギミックに連動させるとちょっと早すぎる気がします。

形状的にはなんとなくゴレンジャーメカっぽさがあるような気がします。ハデカラーにリペイントしたが「バリバギーン」とかにならんかしら?

ロボットモード:

エクスディメンションズ 版では全身シルバーのカラーリングになっています。また胸部のローラー周りのデザインはジャンクと逆で枠が右に寄った造形となっています。

変形は単純。オルトモードのフロントノーズ部分が膝を伸ばした時に太ももと干渉しないように稼働して膝頭のようになるのがちょっと凝ってるかな?というくらいですね。

背面。ロールケージは変形時には一旦跳ね上げて脚部展開の邪魔にならないようにしますが、変形後は元に戻して下に垂らしておきます。背面はかなり雑な処理という気がしますが、マイクロンなのでこれ以上やりようないですね。ロボットモードではマイクロンジョイントは後頭部に隠れてしまうので利用できません。

頭部はカラーリングのせいかぱっと見「宇宙空母ギャラクティカ」に登場するサイロン兵ぽいな?と思ったんですが、いう程似てなかったですね。弁当箱みたいな正方形の顔であることに目を瞑れば頬の丸いモールドやバイザーアイなどがきすぷれのオートトルーパーの様でもあります。

変形ギミックの恩恵で頭部は少し左右に首振り可能です。全体的に歪んでるのか、少し上半身が傾いてるのも併せてなんか見返り美人的な艶っぽさが出てるな……

頭部ヘッドを 180° 回転させればマイクロンジョイント顔に出来ますが、無念顔2に出来ます。さしずめ「無念おギア」でしょうか。

膝が曲がる分前出のジャンクよりは可動性能が高いです。また腕も肩部から後方に動かすことも出来ます。

思いのほか格好良く極まってしまった立膝ポーズ。頭部可動もあるのでアドベンチャーマイクロンの中では最も表情付け出来る玩具ですね。

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ウインチ

オルトモード:

オルトモードはフロントにウインチを備えたピックアップトラックです。これが和名の由来でもありますね。英名は ”Ransack” ですがこれには「略奪」の意味もあるのでこれまでに(この後も)多くのディセプティコンの名前として使われています。英語判りませんが割と荒っぽく探すみたいなニュアンスの単語っぽいですね。

アドベンチャーマイクロンの中では最も小柄で、オルトモード時も小さめですが、ドア下の足掛け(ロボットモードの腕部にモールドされています)等細かいディティールが造形されています。

リアハッチ部分にスペアタイヤがモールドされていますが、ここがランサック唯一のマイクロンジョイントを兼ねていて、造形的には上手いことするなと感心しました。

ただし他 TF のマイクロンジョイントに取り付けると、当然こういう向きになってしまうので滅茶苦茶使い勝手は悪いと思います。そもそも武器に見立てるのも難しいですしね。投光器レーザー?ウインチ部分を道具として使う?

フロントに備わっているウインチ部分を実際に引っ張り出すことが出来ます。私は何故かこの手の紐が伸びるギミックが大好きなんですよねえ。アニメイテッドブラックアラクニアの奴とか。

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伸ばしたロープはローラーギミックを使ってバックすることで巻き取り可能です。ローラー部はそんなに摩擦係数高くないので手でバックさせてる時であれば多分巻き過ぎて紐が切れたりする恐れは低いと思いますが、これをサンドストームに固定してギアで巻き上げると切れかねないと思うので、私は試しません!

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ウインチには恐らくもう一つギミックがあって、それが上記動画のフロントサスペンション的なタイヤの動きです。実際にサスペンション用のスプリングが入ってる訳ではなく左右の前輪が棒状のパーツで繋がっていて、この棒が中央あたりに設けられた軸で少し傾くというだけの機能だと思いますが、わざわざそういう構造にしている辺りこれはパーツの遊びではなく意図的なギミックだと思うんですよね。

チームの中では最も無個性な車両なので見た目のインパクトは低いですね。ミニカー的な良さはあるかも。

ロボットモード:

アドベンチャーマイクロンの中では最も単純な変形。脚部を伸ばして終わりです。ローラー部分は胸部というよりも腹部のデザインになっていて全体的によく判らないデザインになっています。

これリカラー前の非エクスディメンションズ 版である MM-16 の方のカラーリングでは胸部左右の正方形のモールド部分は腕と違う灰色成型色だったのでちゃんと胸部メカっぽかったんですがこのエクスディメンションズ版カラーでは腕と同じ黒色成型色なのでなんというか、頭部直下の赤い部分が長い頸に見えなくもなくなっちゃって、頭部両サイドのピンが目、ウインチの基部が角の謎どうぶつに見えてきてしまって困ります。エクスディメンションズ版ではこのほか、荷台部分の塗装が省かれています。

リアビューも上半身はまんまステーションワゴンの前半分だもんね。大胆デザイン!

ジャンクに続きウインチもモールドが判りにくい成型色なので見分けづらいですが、GMGundam Mass-production)風の頭部デザインですね。 TF では珍しい対応の顔かも知れません。

可動は頭部以外はスパイクとほぼ一緒。ただしウインチも外部のパーツが邪魔して腕を後ろに降ることが出来ません。

立膝は行ける(´^ω^`)

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アドベンチャーマイクロン エクスディメンションズ

最後に集合写真があった方が良いかなって思いまして。オルトモードのサイズは上記の通り、ウインチが一番小さいですね。ボリューム感で言えば高さがある分スパイクが一番大きく感じます。デューンバギーなのに、ね。

ロボットモードでもウインチが頭一つ小さいですね。


  1. 同様のローラー付きギアによるギミックを搭載した繋がりのマイクトンチームとして他に「デストラクションマイクロン」があります。
  2. 2007年に公開された最初のベイバース映画「トランスフォーマー」のオフスクリーン玩具キャラとして発売されたスィンドルのタカトミ公式 web サイトでの記述で「胸の砲塔」と書くところを Typoで「無念お砲塔」と記載されてしまったミスがあったんですが、以降このスィンドル玩具の愛称が「無念お砲塔」にになってしまいました。この玩具の頭部デザインが偶々ドローンのような無機質丸レンズ顔だったため、同シリーズの似た頭部を持つキャラに対しても(胸の砲塔を最早関係なしに)「無念顔」と呼ばれ、それぞれに「無念xx」という愛称がついてしまったという経緯があります。他の無念シリーズとしてはドレッドウィング(無念お風車)とペイロード(無念おクロー)が居ます。

トランスフォーマー MPG MPG-15 サイバトロンラットル (2025)

「GATTAI(合体)、GIANT(巨大化)、GREAT(グレート!)」でお馴染み MPG ですが、これが正式名称なんですね。「マスターピースG」とかでもないのね。

製品としてはテイストもパッケージも旧マスターピースを踏襲しており、 2016 年の MP-32 コンボイビーストウォーズ)から始まりようやく初期サイバトロンメンバー(コンボイチータス、ラットル、ライノックス、ダイノボット)の 5 体が揃った事になりますね。サイバトロンはタイガトロンも出てたか……私はこのうちゴリラとチーターしか買ってなかったのであんまりコンプリート感はありませんけれども(ほかにティラノと蜘蛛も買いました)。

コンボイチータスまではつるつるボディに印刷で毛並み表現して CG アニメの質感再現するってコンセプトだったと記憶していますが、ダイノボットは(未購入なので web 画像など見ての判断ではありますが)恐竜のうろこがモールドで表現されていたような覚えがあります。けどメガトロンではまたつるつるに印刷表現になってたな?

今回のラットルは控えめなモールドと薄い塗装で CG 感は控えめですが劇中イメージはまあまあ再現できていると思います。斯様にコンセプトがブレてたので全部揃えた時に統一感出るのかな?と他人事ながら心配してたんですが、結局は毛並みよりも形状が似てるかどうかに尽きるようで、特設サイトに掲載されていた玩具による集合写真では全然違和感ないので全然杞憂でした。

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ラットル玩具はレジェンズ版ラットル(Generations Thrilling 30)が傑作過ぎて当時から「(MP 出なくても)もうこれで良くない?」の評価もされていた覚えがあります。私もレジェンズ版で満足していたのでそのうちマスターピースで出るであろうラットルはスルーするつもりだったんですが、公式発表時の画像でネズミ状態で直立した時に内臓(ロボットモードのパーツ)が見えない!と知ってしまったのでまんまと予約してしまいました。

ビーストモード:

開封したらいきなりこの状態で一瞬真空パックされたドブネズミに見えて吃驚。

今回のビーストモードは劇中デザインとリアルなドブネズミの中間的な仕上がりで、体長より短い肌色の尻尾、尖った耳など現実のドブネズミの特徴をよく捉えていると思います。

劇中ではビーストモードはどこからどう見てもただの鼠でしたが今回の玩具では尻の部分に少しだけロボットモードのパーツが露出しています。しかもこれ、下手糞 CG のポリゴンが重なっちゃったみたいな、はみ出しちゃった CG 感があって最高に素晴らしい。

サイズ比較としてマウス(ロジクール M705m)と比較。やや小型ですが本当にさ……超ライフサイズじゃんね。実はよく見ると可愛いんですよ、鼠……ドブネズミも。ゴメンね……(何かを思い出してしまいました)

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さて、気を取り直しまして!オルトモードの頭部は交換可能な構造になっており、2 種類の頭部が付属しています。片方はモールド髭、もう片方がテグス髭ですが、表情は全く同一です。

頭部を外した胴体側はちょっとグロいですね。ジョジョ四部に登場した虫喰いのスタンド「ラット」を連想しましたが、比較してみたらまあ全然違ってました。

多分今回の MPG ラットルの最大のウリであるビースト直立モード。腹側が完全にガワで覆われてロボットモードのパーツが隠されているのが本当に素晴らしい。

微妙にシックスパックっぽい鼠径部(鼠だけにな!ガハハ)ですが、これはロボットモードの胸部になるダミー頭部の額なんですね。なのでここだけ質感がちょっと違ってツルツル。そしてよく見るとロボットモードの胸の鼠顔の赤目が隙間から見えている!この処理はもの凄く上手いと思います。

※この画像は鼠の尻尾が卑猥な位置に来てますがこれは変形工程一か所忘れちゃってるからですね。

要はこうなってるって事です。胴内はかなりミッチリとロボットモードのパーツが詰まっていて初見では戻し変形が難しそう!と思いました。しかし特にガッチリ定位置が決まってる感じでもないんですが絶妙な設計できっちり定位置に収まるので構造を理解すれば両モードとも悩むことなく変形させることが出来るようになります。

絶妙な設定というのはこういう事。ロボットモード時の胸部ダミーヘッドの曲面が畳んだ腕パーツの曲面とびったりフィットします。

テグス髭フェイスだとこんな感じになります。MP チータスの時に思い知りましたがテグス髭はロボットモードで胴体内に頭部収納したときに変な癖が付きやすいので今回のモールド髭とのコンパチは有り難いですね。私はモールド髭ヘッドの方を常用しています。

直立状態では僅かですが首を左右に振れます。しかもこれ変形機構の流用とかではなくもうこの為の!ビースト直立モードで表情付けるためにわざわざ用意された関節なの!これは素晴らしい。

顔は劇中とちょっと違う気がしますけどどうなんでしょう?もっと黒目がちだった気がします。

とはいえ固いプラスチック製の玩具なので可動や直立可能な犠牲としてこういう皺寄せはあります。

これはワンフェス 2025 冬でナカシー(@nakasshi)氏が販売してた恐るべき劇中再現度を誇るガレージキットの「ラットル(ビーストモード)」ですが、成程目は真っ黒だったんですね。流石に非可動ガレージキットには再現度で遠く及びませんが、こっちはこっちで可動するのでまあ……ガレキは工作技術も塗装技術も要求されるので MPG ラットル買う人が全員ガレキを購入するとは思いませんが、このガレキを買ったラットル好きは MPG ラットル買ってるんじゃないかな?と思うので誰かツーショットを見せびらかして欲しい。

ビーストモードの為のポーズ付け用関節が結構充実していて、頭部左右首振り、耳が左右独立して可動、口の開閉、そして首は上下左右に可動します。腕部は手首の前後可動と回転、肘の軸可動、肩の前後左右可動に加えてなんと肩の引き出し関節が用意されています。下半身はやや貧弱な可動ですがそれでも股間、膝、足首、そして尻尾には付け根ロールと四カ所の可動軸が用意されています。

その為、ビーストモードでもこれ位の可動性能があります。掌が市足歩行に最適化された形状なので若干の違和感があり、直立時のポージングではこれをどう誤魔化すのかが課題となりますね。

なお、四つ足でも頸の側のロックを外して少し首に表情をつける事が出来ます。

このクリアの胸当てはビーストモード用のジョイントパーツです。中央部に縦に 3mm、5mm、5mm のポートが設けられています。

3mm のポートはアクションスタンド用で取説では TF パワーベース用と記述されていますが、ラットルには付属しておらず、また現在単品販売されてもいません(そもそも単品で販売されたことあるんでしょうか?)。私は他の 3mm ジョイントを持つ他のフィギュアスタンドで使っています。確か MP ブラックウィドーには付属してたと思うんですがちょっと仕舞っちゃってるので。

このジョイントの本領はこれですね、MPG の「G」は合体の「G」ですよ!

MP-32 コンボイビーストウォーズ)では取説でも全く触れられていなかった謎の背中の 5mm ジョイントですが、これに接続する為のジョイントで、劇中のおぶさりラットルを再現可能です。なんと9 年越しの隠しギミックですが、がようやっと日の目を見ることが出来ましたね(ラットル背負わせるんだろ、というのは当時から予想はされてはいましたが)。劇中ではライノックスにまたがったコンボイにおぶさるラットルという絵面だったので MP ライノックスも揃えた人が大勝利だと思います。

私はライノックスは買っていないのでそれは諦めるとして、鼠とゴリラのビーストモードでのサイズ比較はこんな感じです。

ロボットモード:

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オフィシャルのビーストモード⇒ロボットモードへの変形動画です。紙の取説に基づいて順を追った胴が担っていて十分わかりやすいですが、背中の側の三カ所のタブでの固定方法などより具体的な解説を某タファ氏が自身の動画で補完なさっていたのでそちらも参照してみると良いかも。私は不要でしたがロボットモード⇒ビーストモードへの戻し変形の動画も part 2 として公開されていました。

初期メンバーついに集結!【ビーストウォーズ MPG-15 ラットル】ヲタファのトランスフォーマー レビュー / Beast WarsTransformers MPG-15 RATTRAP - YouTube

戻し変形を解説【ビーストウォーズ MPG-15 ラットル】ヲタファのトランスフォーマー レビュー / Beast Wars MPG-15 RATTRAP review Part.2 - YouTube

兎に角似てる。 TFWIKI の RATTRAP のページトップに劇中デザインの画像が掲載されていますが、ディティールもバランスもそっくりです。

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唯一違うのは背中のガワのサイズが劇中と比べると非常に大きい事くらいですが、これは劇中デザインの方が非物理的な変形をしているので仕方ないですね。これまで登場したラットル玩具はすべて何らかのデザインアレンジがなされていましたが、これはもうまんま劇中デザインラットルの立体化、変形玩具化です。

頭部も劇中イメージに忠実ですが、劇中でも表情豊かなキャラクターだった覚えがあるので(殆ど視聴してないので宣伝動画的なのがメインの印象になっていると思いますが)最初からついていたノーマルフェイスはちょっと真面目顔すぎるかも知れません。

オプティックにはライトパイピングが仕込まれていて後ろから光を当てるとよく光ります。

表情パーツはノーマル含めて三種類。左から「笑い」「驚き」「ノーマル」ですが、普段から「笑い」フェイスでも良さそうですね。

これ「笑い」フェイスだけどそんなに笑ってないですね。ラットルのデフォルト顔と言われれば受け入れてしまいそうです。

こっちが「驚き」フェイス。こっちはちゃんと驚いてる感ありますね。

素立ちの格好いい事。

よく知らないんですが劇中ではどのキャラもスッとした格好いい立ち姿というよりはちょっと膝やら背中やらが曲がったこういう中途半端な姿勢が多かったような気がしています。

全身可動性能は高く銃を両手で構えるようなポーズも(工夫すれば)出来なくもないです。

ビーストモードにはわざわざ設けた肩引き出し関節がロボットモードにはありません。これは変形パターン上仕込めなかったのでまあ仕方ないんですが胸部の張り出しもあって腕組みが超下手糞になってしまいました。

肩の付け根が上下方向に可動出来るのでそれで、そこを使ってどうにかしたんだけど歌舞伎の見栄みたいなポーズになってしまいました。

踵とつま先が独立して可動。踵は少し変わった構造ですね。個体差か知りませんが足首左右首振りの軸が少し緩いですが自立性能にはあんまり影響しません。

踵を接地させないポーズも割と安定していますね。

手首に収納の小型爆弾は健在。

爆弾にも掌に固定する MP 武器ペグが備わっているのでしっかり手持ちさせることが出来ます。

ラットビームガンは劇中よりは小ぶりかな?しかし形状は塗装ヤマーキングを含めて完全再現といってもいいレベルの素晴らしい造形です。

脚部も広い可動範囲があるのでシーパーヒーローランディング的ポーズも取れます。頸も上向けるのでかなり自然ですね。

普通の立膝も当然。鼠の耳はロボットモードでは多分前に倒すのが正解と思いますが、これは倒し忘れてしまったので顔が一部隠れてしまってます(´・ω・`)

これは初代のラットル玩具に封入されてたテックスペックカードのイラストを再現しようとした奴なんですが、実際にはたぶんジャンプ姿勢なのでロボットモード用のジョイント使って浮かそうとしたんですけど、この姿勢だとなかなかうまくいかなかったので立膝にして誤魔化した奴です。⇒元ネタ

ロボットモード用のディスプレイスタンド用ジョイント。背負った鼠のガワの下端に取り付けますがちょっと外れやすいのでこれで長期間飾っておくのはちょっと怖い気がします。

ジャンプで映えるポーズは多分取り放題って位ポージング自由度は高いし、サイズ的にも手頃なんですが、私の個体は背中の側を固定する右側のタブが外れやすいので遊んでると少しストレスを感じますね。

MP ビーストコンボイとロボットモードで並べるとこれ位のサイズ感。かなりいい感じなのではないでしょうか?

おばさ……nん???誰?!

身長だけならミッシングリンクアーシーとほぼ一緒。遊びやすさは断然アーシーなんですが。変形の手ごたえは当然 MPG ラットルが上なんですけど変形の意外性とか面白さは何故かアーシーの方が面白く感じてしまうんだよなあ。

偶然ですが両方とも背中のガワが干渉して腕を後ろに振れないというエンジニアリング上の欠点があります。

もうちょっと背中のガワを幅詰め出来ればなと思うんですよね。上半身下半身の開くの関節部分をクランク関節とかにすればあるいは幅詰め出来たのかもしれないんですが、そうすると強度や厚みに悪い影響出そうなので、このサイズのラットルとしてはこれがベストなバランスだと思います。私はメタルスラットルの方がデザイン的には好きなんだけど、MPG 化してくれんかなあ?

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