変圧器たち

へんあつき-たち

Transformers: Generations Darkmount (2010)

ダークマウント?いやいや、彼はストラクサスに間違いは無いのです。しかし商標的にこの時のアメリカでは ”Straxus” が登録できなかったようです。”Decepticons Straxus” とかでも駄目だったのか、どうせだめなら洒落たネーミングにしたれ!と思ったのかは不明ですが、そもそも ”Straxus” なんて単語はトランスフォーマーのこの人位しか居ないのになんで?と思ったらその答えは TFWIKI に書いてありました。

中村主水のフィギュア出そうとしたらイーオン・プロが難癖付けてきて「八丁堀」って名前で発売した、みたいな感じ?

ダークマウントはストラクサスが支配する要塞の名前だそうですが、私はこの玩具が彼とのファーストコンタクトだったので長い事ダークマウントという名前の TF だと思っていたのでストラクサスって名前を初めて聞いた時には結構混乱しました。マーベルコミック版に登場した悪役でセーバートロン星で活動していた TF ですが、この Generations ではどう考えてもアースモードでは?というオルトモードで再現されています。コミックでは G1 ガルバトロンのオルトモードに似た砲台(飛行砲台らしい)に変形しているので実際には 2024 年の Generations Comic Edition として発売された ストラクサスが似ているみたいですね(買っとけばよかった)。

オルトモード:

前輪がタイヤのハーフトラック式車体に回転式の砲塔を搭載した自走砲なんだけど戦車のような運転席という世にも奇妙なオルトモードです。前輪以外の特徴は M109 自走砲に近い気はします。

TFWIKI によると G6 155mm自走榴弾砲とされていますが、後部の履帯をタイヤに変えるとフロント部の角度などは確かに面影があります。これの運転席はボンネット中央部にあるんですが、角度によってこのダークマウントのオルトモードのように片側に寄って見えなくもないのでガチで元ネタの可能性はあります。

2010 年の Generations の共通ギミック(ただしすべての玩具に実装されていたわけではなかったと思います)として、C ジョイントによる武器マウントというのがありましたが、このダークマウントにはなかなか豪華で、ロケットランチャー、機関銃、スモークディスチャージャーの3つも付属しています。

ロケットランチャーは取説では横向きに取り付けるように描かれていますが、この部分の C ジョイント取り付けバーの形状が抜きの関係だと思いますがこの向きで取り付けることは出来ませんでした。

機関銃とスモークディスチャージャーはまあここが定位置としてロケットランチャーはどこにつけてもまあまあ様になるので図に拘ることもないんですが。

砲塔は旋回可能、砲身は上下可動します。この砲身の可動ギミックはロボットモードのメインウェポンであるつるはしの変形ギミックの軸と共用という天才的な設計! Deluxe Class ですが非常に独創的で凝った変形をする本玩具ですが、個人的に最も気に入っているのは履帯の転輪の奥側になってる部分がモールドではなく別パーツになっていて、ロボットモードでは分離して腕部分のガワになるという造形センスです。この設計は三宅智也さん。少し前に記事にしたトランスフォーマーユナイテッド ジャズや、大人気ムービー ROTF のマインドワイプ、スカイストーカーの設計もされている方ですね。

左右非対称のディティールも格好いいですね。

バトルステーションモード:

割と奇怪な形態に見えるのは腕っぽいパーツが丸見えだからかな?

側面から見ると意図がもうちょっと判りやすいと思いますが、砲台を意図した形態です。コミックのストラクサスのオルトモードが飛行砲台だったため、形状は異なりますが似たコンセプトのモードにも変形できるぞという事のようです。

背面側にはハンドル的なパーツもあり、人型の存在が操作する移動砲台的なデzサインであるのがよく判りますね。このハンドル部分はロボットモードの膝部のパーツを 90° 回転させているんですが右側のパーツはモールドに干渉してちょっとテンション掛かっちゃうのであんまりやりたくないモードでもあります。

操作するキャラクターを配置すると格好良い砲座になってくれますね!Core Class が良い感じのサイズでした。

ロボットモード:

素晴らしい体形。肩の付け根が比較的長い軸になっているので肩が前後に稼働するけど、肩アーマー位置は固定なのでポージングしてて気付くと肩アーマーと肩の位置がずれてたりします。

また肘関節はほぼ同じ場所に曲がる方向が 90° 異なる軸が打たれていて妙に柔軟。これは多分ですけどピッケルを自然に両手持ち出来るように工夫された構造なんじゃないかと思います。

私の個体は太腿付け根と膝関節上のロール軸がゆるゆるだったので水性ニス的なもので渋み調整しました。足首の接続がちょっと華奢なのが気になりますがこの時期の TF としては足首の可動範囲も広く立たせやすいですね。

この腕側面の転輪モールドがオルトモードの履帯部分の内側に配置されることで転輪部分の立体感が爆増するという素晴らしいティティール。

この背面のキブルはオルトモードの車体後ろ半分の抜け殻ですが、タブではめ合わせているだけなので非常に外れやすいですね。

非常に特徴的な頭部デザイン。下顎なしですが、「頸」のパーツが明るい灰色の為それより上の部分がぽかんと開けた口っぽくも見えてしまうし、口髭称えているようにも見えるという非常に多義的な表情をしていてとても良いですね。

武器。つるはしの刃の部分?は 180° 回転するので(ここの軸がオルトモードでは砲身の上下可動軸になっているという凄い設計)、さすまた的な武器に見立てることも出来ます。

コミックでは両刃の斧的な武器だったみたいですが、作画的につるはしっぽかったので、本玩具では完全につるはしとして造形されたようです。コミック版のデザインは Generations Comic Edition 版の ストラクサスに付属の武器がそっくりですね。あまりにもつるはしなのでちょっと道路工事のおっさんに見えて来ちゃう。あと、よく見たらこれ下に二枚の画像は背面のパーツが左右ズレちゃってますね。

取説で武器の「storage」と称されている機能。ボディ上下を繋ぐ赤いパーツのタブ部分をつるはしの柄の部分のスリットに勘合させることでここにつるはしを固定できるんですが、タブとスリットの厚みが微妙にあっていないのか滅茶苦茶固いです。破損が怖いくらい。

脚部の関節に緩いところがありますが可動は非常に優秀。

片側の踵浮かせた歩行姿勢みたいのも不安定ではありますが自立してくれます。

腕組みもまあまあいける。肘の二つの関節と肩可動が効いている上にやや腕長なのでまあまあの鳩胸ですが良い感じに腕組みできます。開き手なのも良いですね。

立膝もイケます。

スーパーヒーローランディングもこなせちゃうので最近の TF まで含めても上位の可動性能ではないでしょうか。こんなに素晴らしいプロダクトですがリデコリカラーは非常に少なく、同じ 2010 年の Generations で Wave 5 として発売されたスカルグリン(頭部リデコ)と Botcon 2012 exclusive として発売された「ダークマウントの詩人」こと SG ストラクサス(リカラー)位しかないのが勿体ない。体形とオルトモードモチーフがキャラを選ぶとは思うんですがね。

脚部はオルトモードの砲塔部が変形しているのでロボットモードではなかなかの膨張率。これ触ってるうちにストラクサス愛が増大してしまって「リデコだから要らないでしょ!」って思ってた Generations Comic Edition Straxus を買ってしまいました。初 JQ Trend ですが私 JQ Trend の Twitter (旧称)垢からブロックされてるんですよねえ(´・ω・`)

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