変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマースタジオシリーズ SS-96 ホットロッド

変形ロボット玩具としては最高傑作のひとつ。少なくともスタジオシリーズの Deluxe class ではナンバーワン候補であろう。その練りに練られた変形パターンやオルトモードの造形は長く語り草になるであろうと思います。唯一残念なのはロボットモードが劇中の姿に似て無いとこなんだよなー(´・ω・`)

とはいえそれもこのサイズ、このオルトモードで可能な限り似せようとして設定されているのはもんの凄く伝わってくる。そのうえで玩具的な判断による取捨選択の産物なので理解はできる。出来るが惜しい……!

逆に言えばこれだけ肩口から前腕部迄の腕の印象や脚部の造形が全然似てないのに、全体的に見るとなんとなく劇中のホットロッドに見えるの凄い事なんですけどね。

ランボルギーニ100周年!オルトモードはランボルギーニ センテナリオ。世界で20台(クーペボディのみ)しか製造されてないエキゾチックカーが果たして擬態として適切なんでしょうか?個人的にはシトロエンDSからのロボットモードも見たかったし、いまだに玩具を欲してます。Thirdでも良いのでどこか頼むよ……

本玩具はランボルギーニ社のライセンス取得している製品だけあってオルトモードは非常によく似ています。分割線も多いんですが、不思議と悪目立ちしてないんですよね。ボディカラーのせいなのか何なのか。

全体的なディティールが非常によく似ていて、サイドウィンドウの後端部の奥まった造形などの側面の複雑な面取りがちゃんと再現されていて、このサイズ、この材質、そして変形玩具としての耐久性を考慮すると本当に滅茶苦茶凄い出来の良さです。

馬の絵こそ無理でしたが、鼻先に金の盾型のエンブレムが堂々と描かれているのやっぱり格好いいですね。

リア。特徴的な薄長いテープランプが変形ギミックと素材の精度で面一になっていませんが、頑張ってます。意図とは違うんですけど、中央の短く6分割されてるとこは可動ヒンジになってるんですけど、ここが稼働して面一に勘合するのは説明難しいんですがなんかシリンダー錠的な格好良さを感じます。

特筆はリアタイヤで実際の可動部分の内側に 1.5mm 程度のダミーが配置されていてちゃんとタイヤが太く見えるようになってるの物凄くセンスを感じます。

リアウィングが物凄く太いですがここは左右分割して踵の一部を構成するパーツなのでこうするしかなかったと割り切るしかないですね。

いっそウィング閉じた造形でもとかった気がしますけど、オルトモードの見せ場だったバッキンガム宮殿前のカーチェイスシーンではウィング出してるからね。

ロボットモード畳まれたり隠されたりしてたパーツがオルトモードに変形させるときに上手い具合に嵌って隙間なくランボルギーニ センテナリオのエクステリアを構成する本玩具の変形シークエンスは自分で変形さしててちょっと興奮する。

そして素晴らしい設計は裏側も美しい。しかしみっちりギュウギュウというよりはロボットモードの胸部の奥側やリアタイアあたりの左右の脚が畳まれた内側に結構なサイズの隙間があって、特に左右の足の間の隙間は武器が収まりそうな形状してんですよね。

実際にはちょっと幅が足りなくて嵌りきらないし、銃のグリップが邪魔で出っ張ってしまうんですが、これもしかして銃側に変形分解ギミック的なの仕込んでここに収納させようとしてたんじゃないですかね……アドオンメーカーはここに収まる武器作ろうぜ!

収納できなくなった代わりにここの抜きの都合で出来たスリットに武器を固定することが出来ます。余剰無しのアリバイ作りで仕方ないんだけど、私はこの手の工夫はあんまり好きじゃないのよね(´・ω・`)

DX9 製の LA HIRE とツーショット。LA HIREも結構オルトモード似せて来てるんですけど、サイドウィンドウ後端の造形が再現できてなかったり、ヘッドライト周りの処理を愚直にヘッドライトっぽくやっちゃったお陰でかえって似なくなってるとか今基準で見るとちょっと厳しいものがありますね。というか今回のスタジオシリーズ ホットロッドのオルトモードが異次元のレベルで似てるって事なんですが。

ロボットモード。一見して前腕部のディティールが全然違うのが判っちゃうのがやっぱり残念。このデザインはこれでごつくなってて格好良くはあるんですけど。あとは肩のアーマーが非常に小さくなっているのも印象異なる主因の一つですね。

胸部はオルトモードのボンネット前端を幅詰めしていますが、詰め幅がちょっと少なくて劇中イメージとちょっと異なる印象。肩幅(胸幅)広くなっちゃってるのと傾斜が無さすぎ。

まあ劇中のホットロッドは玩具サイズの変形で再現できないほど胸部分小さく纏まってるから仕方ないですね。

側面。劇中では結構オレンジの差し色がもっと沢山使われてて、横から見るとオレンジ色のロボットに見えない事もないくらいにはなるのでこれもイメージ変わっちゃう要因ですね。まあ最近のTF玩具はコストの関係か塗装省略が多いのでそのあおりということかもしれないですが。

あと脚部なんかはもう全然形状が違ってるんですけど、それはそれとして上手いこと纏めてるなと思います。でも足の親指は再現して欲しかった。ホットロッドの足は足袋履いたみたいな親指とそれ以外に分かれた造形が特徴的なので。

背面はV12エンジンがモールドされてない残念はありますが、スタジオシリーズの Deluxe class はしわ寄せを大抵背面に追いやってるので寧ろきれいに纏めた方だと思います。

下半身の可動も良好。基準となる立膝は問題なく出来ます。脚組んで座る、みたいなのも細身の体と良く動く関節なので可能です。

膝関節のクリアランスについては、リアタイヤが非常にタイトで膝を深く曲げると必ず干渉します。あと腰回転も非常にタイトなので変形時に 180° 回転させるときに絶対干渉しちゃいますね。

いつもの「関節位置が適切なので適当にポージングしてもそれなりに様になってしまう」奴なので、劇中の姿に似てる似てないなんて気にしないで所有する喜びがある1体でした。

スタジオシリーズ恒例の背景はロンドンカーチェイスのバッキンガム宮殿前。

なのでオルトモードで使った方が相応しいですね。台座に収まりませんが……

駿河屋にて 2,650 円で購入。