変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマー プライム AM14 ディセプティコンビーコン

ムービーバースのトランスフォーマー達がオルトモードのデザインをあまり継承しない人型デザインであることが増えてきたせいか、近年 Unique Toys の R-01 Peru Kill や、 R-04 NERO あるいは Transcraft TC-02 beettle などオルトモードの側がほぼ完全に消失してしまう変形パターンも珍しくなくなってしましたが、 2011 年の時点でガワがほぼ消えてしまう設計は非常に画期的で、更にはそれほど複雑な変形プロセスではない普及価格帯のデラックスクラスの玩具でそれを実現してしまったのは未だ他に越えられていないマスターピースだと思います。

プライムのファーストエディション玩具は変形ステップ数が多く難易度高目設定だと思ってたんですが、ビーコンのテクニカルポイントはファーストエディションが 2 でこっちが 3 になっているのでタカトミ的にもこっちの方が高難易度設定って事なんですな(対象年齢は「5才以上」で変わらず)。本玩具はボンネット-リアウイング間の車体上部のガワがきれいさっぱり消えてしまうという魔法のような設計の大傑作ですが、変形難易度は簡単なので私的な体感ではファーストエディションと同程度だと思っています。

私は国内版玩具を購入したんですが、トランスフォーマープライムの国内版通常ラインは本体への印刷を大きく省略しシールで代用しており、代わりに組み立て式のアームズマイクロンを付属させた製品となっており、これはこれでミクロマン玩具を彷彿とさせ、ミクロマン世代の私としては抵抗感少なかったんですが TF ガチ勢からは大変不評で日本の玩具ラインとしては次の「参乗合体 トランスフォーマーGo!」では再び通常の印刷有仕様に戻っていました。後述の武器ギミックが AM14 では叶わないので SOUNDWAVE と一緒に海外版買っときゃ良かったよ(´・ω・`)

オルトモード:

オルトモードの外観はホイールのシルバーとクリアパーツによる運転席天井部の車体色が塗装されていますが、パープルの差し色やディセプティコンインシグニアの印刷は無。とは言え黒ずくめの自動車なのでそこまで違和感は無いため、私はシール貼りつけていません。

ファーストエディション版はべたべたの車高短仕様でしたがそれと比べると車高は高めです。今回の記録で気付きましたけど、こっちはマフラーのテールエンドもモールドされてるんですね。蓮版からのリデコの車体後部に増設された 5mm 穴、ジェットエンジンのノズルみたいで格好いいですけどカーモデルとしてはちょっと余計よね。これがある事でバットモービル感はちょっと増したかも知れないですが。

車体中央を貫く分割線がやや目立ちますが、これこそがガワ消失設計の証。

ファーストエディション版のオルトモードとの比較。「比べると」差し色やインシグニアの印刷はリッチだなあ、って気がしますねえ。シール貼ってないから比較も出来ないですが、印刷はシールにない高級感がある気がします。またファーストエディション版はリアウィングが非常に巨大でレースカー風の格好良さがあります。

車体底面。ガワがほぼ消失してしまうので胴体の殆どがそのまま収まっているのが判りますね。これだけ見たら所謂シェルフォーマー玩具にしか見えないかも。

蓮版に装備されていたハンドガンの「代わりに」アームズマイクロンがす付属する構成の為、オルトモードで武器を取り付けるとオーバーサイズ感があって一体感に欠けます。

本来はヘッドライト直後のフェンダーの峰にある窪みにパチンと嵌める形で武器を取り付け可能だったようです。オルトモードのこの辺りから武器が飛び出すギミック(ティムバートン版バットモービルでカバー跳ね飛ばしてせり出す 1 対の機銃の様な奴)は劇中でも登場してるんですが、多分蓮版でも武器は 1 丁しか付属しないので2体買わないとその再現は出来ないんですよね…… USD 30 か……

ロボットモード:

これをレビューする人全員がやるんだろうなと思うんですがガワの展開したこの部分が「消え」ます。

変形パターンの初手はファーストエディション版と同様腕部になる車体側面のパネルを外すところからですが、そこから先は同キャラなのに全然違うという辺りにTFの真髄があるように思います。

半分だけ変形させるとこうですが、何気にロボットモードの膨張率も結構なもんですね。プライムは劇中でもロボットモードでは倍以上膨張していた気がします。

オルトモードから一旦ガバーっと開いた後に畳まれて下脚を構成する脚部の変形も見事なんですが、くるくる回転するようにして伸ばす腕の変形も変態的パズル的で凄い設計だな……(;゚д゚)ゴクリ…

そして楼部はオルトモード後端を引き出すと頭部が連動して飛び出してくる設計も凄い。一体誰の設計なんだ……國弘高史さんでした。大レジェンドの作品だったわ(´^ω^`)

前/後。今回ガワの殆どを脚部に収納したことによって劇中に近い細身のボディを実現しています。また、それだけでなくファーストエディションでは肩部に位置する後輪をわざわざアームで肘の辺りまで移動させていましたが、劇中の CG では肩部フェンダーアーチ内に後輪がただそのまま収まっているデザインだったため、AM14 の方がより劇中に近いスタイルになっています。

肘関節は特殊な作りになっていますが非常に柔軟に可動します。そして二の腕にロールも設けられているので今回のビーコンは腕の自由度が非常に高くなっています。

腕組み系ポーズし放題!

しかし膝下部にガワを畳んでいる影響かは判りませんが膝の可動範囲が低め。 90 度まで曲がらないので立膝は超苦手です(一応できましたが)。ウエストのロールも無いので腰下の可動範囲はファーストエディションの方が高いかも知れません。

とは言えスタイル良しなので割と適当なポージングでもそこそこ様になってくれるので、センス無しの私にとっては大変ありがたい玩具です。

武器は劇中のブラスターに似た形状の銃口が正三角形の銃ですが、アームズマイクロン化されたことに伴って非常に大型化されています。

関節の渋みも程々にあるので片手持ちでも保持できますが、サイズ的には両手持ちの大型ブラスター位のイメージです。

手首のロールがないので下から支えるような持ち方は出来ないんですが、ブラスターの底面に 5㎜ 穴があるのでそこに適当な 5mm 軸刺してフォアグリップにすればいい感じでトミーガン的な構え方出来そうです。ただの 5mm 棒をアドオンとして売れるぞ!

ロボットモードで銃を構えてない時は背負ってるオルトモードのガワに設けられている 5mm 穴に取り付けておくことが出来ます。まあ肩とか脛横の 5mm 穴に固定しても良いんだけど。

アームズマイクロンと絡めて遊ぶことを想定していたのか各部に 5mm のマウントがあるため、覚醒ウェポンとか付けまくる事が出来ます。私はプライムの国内仕様版のアームズマイクロン付きの玩具は多分このビーコンしか買ってないので当時はこのマウントを持て余してましたが。

オプティックはファーストエディションよりも細くなっていますが、集光ギミック付き。

そしてファーストエディションとの 2 ショット。今更ハスブロ版も欲しくなってきちゃってて困る。

アームズマイクロン ノジ(イノシシ型)ビーストモード:

プラモデルとして封入されているので自分で組み立てる必要がありました。素材は ABS 樹脂なので組み立てるとプラモデルというよりは玩具のテイストになってくれるので安心です。

可動部には大きなクリック(1クリック:45度)が付いており、ウェポンモードでカッチリ変形してくれるんですが、ビーストモードで四肢可動に使おうとするとクリック幅が大きすぎて殆ど無可動と考えた方が良いですね。

最初四肢はなんとなくわかるけど、この先端の三角形の銃口部分をイノシシの鼻に見立ててるってコト?とイノシシ感に気付いてなかったんですが側面から見ると牙と目がちゃんとモールドされていることに気付いて感心しました。良いデフォルメ具合ですね。

アームズマイクロン ノジ(イノシシ型)ウェポンモード:

脚部がきれいに畳まれてビーコンのプラスターに似た形状の大型ブラスターにトランスフォームします。スコープ部分の側面片側にエネルゴンクリスタルがはめ込まれています。

取説によるとアームズマイクロン「グル」、「ノジ」と 3 体が合体してフレイムカノンという大型武器に変形するようです。へー。