変圧器たち

へんあつき-たち

Ocular Max (Mastermind Creations) Perfection PS-04A Azalea Alternative

箱は非常に小さかったです

ピンク色でフューチャーカーに変形するいい感じのサイズの女性ロボットの決定版玩具は結構前から求めていたんですが、なかなか私の好みに合う商品がなく、その中でこの Azalea は変形玩具としてはなかなかいい感じですし、まとまり良いビークルデザインも好みだったので発売当時から結構気になっていたんだけど、ちょっと顔が好みじゃない為、買うかどうか悩んで、そのうち旬を逃しちゃった感じになってしまっていたんですよね。

そしたらレジェンドサイズだけど可動、変形、スタイル、顔がまあまあ及第点の NewAge H48 Maschinenmensch が発売されてそれ買ってピンク色でフューチャーカーに変形するいい感じのサイズの女性ロボット欲が一寸満たされてしまったので、Azalea の事も忘れてしまっていたんですが、ムーンベースさんが「2023年秋のセール」で通常価格の半額以下で蔵出したので思わず注文してしまいました。

注文した後にこの玩具とは関係ない調べものしていた時に、Azalea の設計者が Alex Kubalsky 氏だと知って、だったら悩んでた時にそれを理由に買ったのによー!と思いました。

www.designdecode.org

Alex Kubalsky 氏と言えば タカラトミーのデザイナーとして、Classics 版 Mirage (国内では変形!ヘンケイ!版)を設計したことで特に有名ですね。

Classics 版バンブルビー(牽引しているジェットスキーキャリアがバックパックに変形するギミックの奴)、Classics 版オプティマスプライム(滅茶苦茶格好いい奴!)も Alex 氏のが設計されたようです。滅っ茶凄腕じゃん!

その他アニメイテッドのデラックスクラスバンブルビー、ロディマス、そしてブラックアラクニア、ブリッツウィング(大天才設計)も手掛けており、そのどれもが私好みの設計なんよね。1

上のインタビューは2018年の記事のようですが、その時点で彼はウクライナキエフ在住で短編映画に取り組んでるって書いてあるので、ちょっと今の安否が心配。

そんなわけで天才の仕事の紹介です。

オルトモード:

ピンク色でフューチャーカーに変形するいい感じの女性ロボットと言えばトランスフォーマーのアーシーが有名ですが、このアゼリアの代替モードはアーシーのセイバートロニアンビークルと比べるとそれ以上に流線型でエッジの少ないデザインとなっており、タイヤもまったく目立たないため一見するとホバーカーのように見えるデザインになっています。

上記画像の手前に見てているのは本体に組み付けていない交換用の手首及びフェイスです(握り拳手首とゴーグルフェイスは本体に取り付け済み)。一番手前にあるローターっぽい奴は運転席後部のルーフアンテナっぽい奴を外した時に取り付けるフィラーです。

交換用手首は握り拳以外は代替モードでは取り付け出来ないのは、この玩具のウイークポイントの一つです。

例えば銃把持用の手首をつけたままでビークルに変形させると上画像の様にかなりホラーな見た目になってしまいます(下腕部分のピン固定も出来ません)。

コックピットは2座で一応シートバックを起こすことが出来ますが、車両に対してシートが小さすぎますね。センターコンソールボックスのように見えるのはロボットモードの際の頸で、後頭部もウィンドスクリーンのすぐ後ろに露出しているのですが一見して頭部には見えないですね。しかしこの辺り変形用のアームがあるため座席としてはやや苦しい造形になっています。

最初に発売された PS-04 との最大の違いはこのテール部分の突起になります。本来ここにはこの突起は無く、リアコンビランプの様なディティールになっていたようです。ここはロボットモードの踵に相当する箇所であり、この突起はPS-04A で追加されたヒールになります。女性型ロボット的にはこのリデコはアリなんですが、設計意図的にはオリジナルのままの方が良かったですね(買うまで気付いてなかった……)。

ロボットモードのハンドガンは代替モードでは車体後部に取り付けます。フューチャーカーとしては全然アリなデザインですが、ピンク色でフューチャーカーに変形するいい感じの女性ロボットの代替モード的にはなんというか余計な感じがしますな。

リアから銃を取るとピンク色でフューチャーカーに変形するいい感じの女性ロボットの代替モード的にはすっきり。銃は他に収納しようがないのでこの場合は完全に余剰となります。

裏側にはみっちりパーツが詰まっているので銃の収納は無理ですね。ロボットの顔がちゃんと隠れているのは良い感じです。

裏面のパーツの収まりの良さ、特に上腕部がフェンダー部分にピッタリ沿って収納されているあたりに設計の上手さを感じます。

タイヤはゴム製ですが、多分Oリングをはめてるんじゃないかと思います。

ロボットモード:
これは非正規のトランスフォーマーのアーシーによく似た玩具です。リデコ元の PS-04 は ボディカラーのピンクがやや薄く、腹部は灰色に塗装されていたので、これ以上に引用元のアーシーの劇中カラーそっくりだったようです。PS-04 と PS-04A の差異は前述のロボットモードの踵の他にフェイスパーツの造形が異なるようです(PS-04 の方がやや童顔に彫刻されているようです)。

細身のボディ、比較的小さい背部バックパック等、かなり理想に近いロボットモード。特にバックパックの小ささは後発且つオフィシャルのマスターピースアーシーよりも優れているんですが、これを実現するためにオルトモードのデザインを劇中から大きく変えて実現しているのでどちらがより優れているとか言うことは無いと思います。なのでまあ好みの問題よね。私的には劇中の設定にもそもそも存在しませんがもっとパネルライン入れて欲しいんですよねえ……

脚部脛の辺りに小さい段差がありますが、これが個人的には六部縦パンツにハイソックスのダサファッションを彷彿とさせられてちょっと苦手だったんですよね。これと顔の造形が購入を決められなかった理由だったんですが。

背面は背負いものも小さく纏められて劇中のバックパックに近いサイズになっているのがこの玩具の最大の美点だと思います。実際にこのアーシーは背後からかなりはっきりと頭部をとらえることが出来るのが良いですね。

太腿部分は蓋をしますが、この下側の蓋は上側の蓋と面一に組み合わさるけど、脚側の方に特にロックなどがないので押すと奥に入り込んじゃうのが玉に瑕。

This can't be real,This can't be real Okay,it's real

股関節は下に引き出すことが出来、引き出すことで太ももの可動域を大きく改善することが可能です。また上体を傾けずに片足だけ軽く曲げるみたいなポーズも可能になります(人間は骨盤を傾けることで可能ですが、ロボット玩具だと意外に難しい)。

可動は非常に良好で股関節引き出さずともスーパーヒーローランディングが可能。

go get out of here !

股関節を引き出すと一層深い立膝が可能。副次的ですが、この股関節部分を下に引き出すと、恐らく腰部内部で腰回転を妨げている干渉がなくなるのか腰部の回転が出来るようになります(意図したものか不明なので破損注意)。

腕の可動も優れており、腕組はかなりちゃんとしたやつが出来ます。

手首は指可動がないやや柔らかい材質のプラ製。差し替え式なだけあって銃把持用手首は人差し指が専用銃のトリガーガード内にちゃんとハマるようにできています。

差替えフェイス。どれもバタ臭いんだよなあ。まあ全部同じ人の表情違いなので当然と言えば当然。この彫刻のテイストは MMC で共通している気がします。最近のターン女子も似たようなバタ臭さがあった気がします。

Over Here Kitty Kitty.

ビースト覚醒で観た事あるようなポーズ。別バースのアーシーのそっくりさんが物まねしてるって趣やね。

幾つか欠点はありますが、アーシーっぽい人玩具としてはなかなかの傑作で、Alex Kubalsky 氏の設計による玩具を手にすることが出来た幸せを噛みしめています(´^ω^`)


  1. Alex 氏が携わった玩具のリストは以下のリンクを参照ください。
    tfwiki.net