変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマー ビーストウォーズⅡ C-15 サイバトロン水中工作員 スクーバ

私のTF趣味の発端。今から丁度四半世紀前に偶々ダイエーのおもちゃ売り場の前通りかかったらこれが陳列されていて「イカぁ??」って思ったのが出会い。

しかしなにしろ私は当時「トランスフォーマー」に対して苦々しい想いを抱いていたのですよ。サイボーグ1号、アンドロイドマン、ミクロマンと言ったタカラSFワールドが兎に角好きだったのでテレビまんがのキャラクターの玩具はちょっと位が下、メーカーオリジナルの玩具シリーズこそ至高と言う歪んだ考えに取りつかれていたのです(タカラの心客知らず)。

しかもミクロマンダイアクロンの玩具を流用である。当時プラモデル界隈でアニメや特撮のキャラクターとして発売したものを、しばらくして顔だけ変えてオリジナルのプラモデルでござい、って再版するケースがちょいちょいあって、他のパチものプラモデルと混同してた私はそういうの物凄く三流だなって子供心に思ってたので、「テレビ番組の玩具」(2流)x偽物(3流)って事で本当にTF発売当初は「俺のミクロマンを汚しやがって」位の恨みを抱いていたんですよね。

ビーストウォーズ位の時はガンプラ大ブームもあってテレビアニメのキャラ玩具に対するアレルギーは解消してたんですが、だからと言っていったん忌避したTFへの感情がそう簡単に解消する訳もなく、今度はゴリラにトランスフォームするしフルポーザブルだぞってのを聞いてもなるべく関わらないようにしてました。とは言え内心「動物に変形?」って言うのは非常に気になっていて、買わない理由を見つける日々を過ごしていたんですが。

そういう理由もあってスクーバを見つけた時も初回は手に取ってこのプロダクトのユニークさに感心こそしましたがそっと棚に戻してスルーして買わない理由を探していたんですが、なんつっても定価750円である。「もうこれだけ、安いからこれだけ」って翌日にわざわざ再びダイエーに言って買ってしまったのですよ、スクーバ。

ビーストモード:

箱から出したらこの見た目である。現実のイカとは全く違う、正面に付いた猫の瞳孔の様な眼や、その下に髭の様に垂れた2本の脚の奥にある牙等のまるで50年代のSD映画に出てきそうなこのビジュアルに一瞬でやられてしまい、前述のTFに対する忌避感とかどっかに飛んでっちゃったし、なんなら瞬時に他のビースト玩具も買わなくては!とか思ってしまったのが今日まで続いているという訳です。

設計的にはイカ足の破損を極力避ける為だと思うんですが、この膜が張ったようなデザインは実在しないイカのリアリティがあって非常に好きです。

イカなので基本姿勢はこうかもしれません。牙を可動させるレバーパーツを使ってイカ頭を浮かせた状態の姿勢を取らせることが出来ます。カラーリングは茹でた/焼いたスルメの様。頭頂部のひれ(エンペラ)もちゃんとあるのでその姿はまさしくイカ。変形パターンは比較的単純ですが、見立てが素晴らしくこれまでのビーストウォーズ玩具中で一番意外性のある変形をしてるんじゃないでしょうか?

背部の牙可動レバーには専用武器を内蔵可能。これはデザイン的にも一体化するので非常に優れた収納だと思います。この武器形状的にも取説的にも「クロー」なんですが、アニメでは「スルメラン」と言う飛び道具になっていたような気がします(アニメは未視聴)。V字型なら何でもブーメランに見立てるって事かも知れないですがこの角度でブーメランは無くない?

ロボットモード:

キャラ的には男性の筈。しかも語尾が「ゲソ」と聞いているのでまあ後のイカ娘とかもありますけどおっさんキャラの筈なんですが、この豊満ボディである。しかも腕と足がなんつーかですね、太もも丈のブーツ、二の腕丈の手袋を着用しているような、私にはそれがラバー製に見えてしまうので非常にビザールな姿に見えちゃうんですよねえ。つまりは何故かエロい。

アップにすると傷だの汚れだのが……まあ25年前の玩具だからね。それはそれとして非常に特徴的な頭部デザイン。ロボット?今見るとシンケンレッドみたいな顔してますね!

可動は優秀。立膝そして長い腕を生かして(そうは見えないですが)スーパーヒーロー着地が可能。

火星に存在する架空の元素光線の発射ポーズも取れる。

肩部のバインダー(エルガイム-ガンダム用語)は非常に幅広で、背部に回すとバランス悪くなるんですが、前方に展開するとなんというか巨大な手のように見えなくもないのでアシュラテンプルっぽいハッタリ武器になりますね。

これがスルメラン。形状的にはクローですね。手首回転がないのでこれ持たせてのポージングは非常に難しいです。


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牙ぱくぱくギミック。これも本当に素晴らしい。当然ビーストモードでも動作可能なので海底2万マイルのイカごっこが出来るぞ!(あっちはもっと嘴みたいな牙だったので全然似てません)。