変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマー スタジオシリーズ SS-30 オプティマスプライム

TF玩具好きとしてはもう最高傑作なんだけど、キャラクター玩具としては劇中にいまいち似ていない。丸顔と言うか狸顔司令官だよね。

そういう意味ではビースト覚醒のSSスカージにダメ出ししている人達とかは低評価下しちゃったりするのかも知らんですね。この玩具はトランスフォーマーのキャラクター玩具と言うよりはなんというかタカラSFランドの系譜にあるのでは?と言うテイストです。つまりは非常に満足度が高い大大傑作トイと言う事。

映画「バンブルビー」公開から数か月後に発売されたアイテムの通しナンバーが「SS-30」なのに、その次の続編である「ビースト覚醒」公開(米:2023/6/9)後の約2か月後(2023/8/1)に発売された「日本人としては恨み心頭な)バズワージーバンブルビーラインで発売されたオプティマスプライムの通し番号が「SS-102」なのちょっと凄くないですか?映画1本の間にスタジオシリーズ72アイテムも発売してんですよ?ちょっと出し過ぎでは?年14アイテム位出てるの!嫌本当にちょっと出し過ぎでは?もうちょっと煮詰めてもっといい設計で出してくれってのも正直あるよね?

オルトモード:

恐らくG1コンボイでお馴染みのフレイトライナーCOE(Cab Over Engine)がモチーフと思われますがライセンス取得していないためかなり細部のデザインを変えてきています。実車はもうちょっと角丸なのでデフォルメとは言えちょっと四角過ぎてなんというかキャブオーバートラクタの概念を抽出したみたいになっちゃってます。

また、劇中車ではフロントグリル上部にオートボットインシグニアのエンブレムが取り付けられているはずなのですが、この玩具ではその部分に印刷できる四角いスペースは儲けられているのに空白のままになっています。後に発売されたプレミアムフィニッシュでもここにインシグニアが印刷されることは無かったので一体どれだけ本気でディスガイズしているのか!と思ったんですが、よく考えたら本作ではロボットモード時にもインシグニアはどこにも描かれていないのでちょっとした ThirdParty 感ありますね!(無いです)

側面。キャブ後方の構造物がちょっと良く判らないんですが、遮音とか安全対策のための部品の様に見えなくもなく、もしかしたら実車でもこういうパーツ存在するのかな?と思ってちょっと調べてみたんですがそんな構造物は見当たりませんでしたね。ダンプカーの鳥居的な事故時に運転席にトレーラーが直接ぶつからないようにする防護壁、緩衝壁みたいなパーツかな?と思ったんですが。

とは言えなんかそれっぽい為、過去の同型トラックにトランスフォームするどのコンボイ、どのオプティマスプライムよりもリアルなオルトモードとなります。

一寸劇中の実写に比べると全長が短い印象なんですが、キャブ後ろの謎構造物の厚みとトレーラーを連結するカプラの位置のせいでそう見えているのかもしれないです。実車のカプラはもうちょっと後ろ側にズレると思いますが、これはこれでロボットモードの武器をマウントした時の見た目もあって玩具的には妥当なのかな?と言う印象。

観よ!このリアフレーム部分のすっきり加減を!通常キャブより後ろのフレーム部分はトボットモードの脚をなんとなく折り畳んでいるので変形のしわ寄せを一手に担ってる部分だったりするんですが、このプロダクトでは脚感がかなり薄まっており、ラダーフレームっぽいリア部分の構造を非常にそれっぽく再現しています。

実車リアタイヤはダブルタイヤになっていて、その分フレーム幅が狭くなり、これほど真ん中に隙間が空いた構造にはならんのですが。しかしそれでもこの「本物」っぽさは凄い。こういう実物は存在しないのに本物っぽい雰囲気と言うのは実にタカラSFランドっぽい気がします。

武器はG1のレーザーライフルに似た意匠の銃が1丁のみ。これの銃は左右2つのパーツを貼り合わせており、例えば 5mm 軸のグリップ部分にもモールドが入っているなかなかにリッチな仕様となっています。

裏面。まあ足首は下から見ると隠しきれていないんですが、それ以外の膝下が全く消えてしまっているのは本当に凄い。

オルトモードで唯一の欠点と言えるのはここ、フロントグリルがどうやっても面一にならないトコ。

ロボットモード:

全体的になんか熊キャラっぽい?上半身のマッシブさに対して脚部がやや貧弱と言うかですね。最近のTFによくあるわき腹から背負いものがはみ出してて胴回りが太く見えちゃうのパターンの奴ですが、本来はみ出し部分は心の目で見えない事にしろなんだけど、このプロダクトでは背負いものだけでなくオルトモードのフロントタイヤのベース部分が脇腹横に配置されてしまっているので脳内処理でもなかなか消し去ることが出来ずにデブオプティマスに見えてしまうんですよね。

試しに gimpではみ出してる部分塗りつぶしてみたらまあまあいい感じのG1コンボイ体形になるので、設計として意図した見た目はこういう事なんだろうなと思います。

可動は優秀、ですが肩部は肩上部をカバーするパーツが干渉してしまうのでこれを動かしつつ腋を開くポーズ付けなければなりません。変形の都合で肩には前後スイングあり表情付けの一助になります。

脚部の可動は秀逸。股間部が前方 90 度までしか上がらない、腕が短いのコンボでスーパーヒーロー着地は難しいですが(私では無理)、立膝は余裕です。

バランスも良く、これは変なポーズですが、踵と爪先のみで自立させることも可能と言う見本です。

素立ちだと足短く見えるんですが、開脚ポーズ取らせると、それほど気にならなくなります。ちょっと斜めから撮影すると「デブに見える背負いもの」も目立たなくなるので本来意図したデザインに見えてきますね。TF玩具は画像ではいまいちに見えても実際に手に取って触って遊んでみると滅茶苦茶格好良く見えるというタカラマジックがちょいちょい起きるのでとにかく買ってみないと良し悪し判断できないんですよね。楽しくもあり、出費が増えるもあり。

脚部(膝下)の変形はトラックのフレームに脛やふくらはぎを構成する前、後ろ、内側の各面のパーツが組み合わさって箱組されるという大変素晴らしい設計。この発想はSS-102 BUZZWORTHY BUMBLEBEE 版のオプティマスプライムにも継承されていますが、箱組するパーツをディスガイズさせる気概に関しては断然こっちの方が上なので「変形玩具」の評価としてはビースト覚醒版のSSオプティマスプライムが国内販売された後でも「映画バンブルビー」バースのオプティマス玩具として玩具的最高傑作の地位は揺るがないのではないでしょうか?(カテゴリ小さく刻んだなー……個人的にはオールタイムコンボイ玩具でも相当上位に位置すると思います)。

でもこの構造で、固定はタブ差し込みの摩擦力頼りなのでややロックが外れやすいという欠点はあります。灰色のパーツが一寸軟らかめのプラなので余計に。

尻にフィギュアスタンド用の 3mm穴あり。これが標準化された当初はTF玩具はフィギュアじゃねえ!変形玩具なんだ!と言う謎のこだわりで全く使わないようにしてた(SS-30買った時もそう)んですが、あると楽しいね!

ちょっと斜め方向からアオリ気味で(出来れば顔は横向きに)撮影するとスタイル的な欠点が殆ど隠れてくれるので私でも格好いいめのオプティマスプライムが撮影出来ました!