変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマ―レガシーユナイテッド TL-58 シルバーボルト

旧版を超えたか?って言われたら断然超えてるんだけど、しかし旧版より格好いい?って訊かれたらちょっと答えに窮してしまうかもしれない。TF玩具の魅力は多義的なので評価軸が沢山あるんですよね。

パッケージに描かれているビーストモードのシルバーボルトはペガサスっぽい翼とイカ耳でちょっと私のイメージと違う感じがします。オルトモードは旧版の見た目が最の高過ぎるのでね……

今回も評判の悪い窓ありプラ窓なしパッケージです。日本では躾のなってない馬鹿キッズは少ないから店頭でもこのタイプの箱で酷いことになってるの見かけたことないんだけど、今回のシルボルは腹部の赤丸パーツ周囲のパーツが簡単に取れちゃうのでちょっと不安ではありますね。

個人的には折角ここが別パーツになってるんだから安全対策で先端が丸く表現されてる赤丸周囲の小さなぽつぽつを劇中同様尖った円錐っぽく造形したアドオンとか出てくれないかなーとか期待するんですが流石にニッチ過ぎるか……

ビーストモード:

ビーストモードはパタパタ犬!狼と鷲のフューザー戦士ですが鼻の頭が黒いせいもあって個人的にはジャーマンシェパード的な犬に見えますな。各部がカッチリ固定され、設計上は固定モデルとしてみた方がよさそうです。

この状態では肩も股関節も可動しない為、肘、膝、主翼、口が可動しますが、前脚、後脚はポージングとしてもこの程度のバリエーションしかないですね。

前腕の肩幅がロボットモードの股間幅と変わらない、変形の都合でやや胴長、そのため尾羽の位置が狼の尻より手前になってしまっており犬の尻がむき出しになっている等はスタイリング上のウイークポイントになっているように思います。

旧版との比較。ビーストモードの前肢がロボットモードの脚、後肢が腕、という基本的な配置は一緒ですが、旧版はヒンジを展開して前肢後肢ともダイナミックに基部が移動する変形パターンに対し、新版は比較的簡単な変形で劇的にスタイルを変えているのが面白い。

ビーストモードのデザインについては旧版の圧勝ですね(※個人の感想です)。

旧版のミサイルギミックが廃されているはわりに羽根の可動域が増えており羽根を畳んだ状態や、アタックモード的な取ることが出来るのは新版の良いところですね。

顔アップ。やっぱ犬にしか見えないんだよなあ。旧版もアニメのCGモデルにはあまり似てないんだけど、耳の形状は旧版の方がCGモデルに似ていると思います。

各部ロックを外せば前脚後足の可動域は増えますが、前脚首の可動方向などの制約であんまり極まったポーズ取れないですね。。。これは私のセンスの問題かもしれないんですが。

胴体下部中央付近にフィギュアスタンド用の3mm穴が用意されているので飛行姿勢で飾ることも出来ます。下手糞ですけどね!

お、レディホークっぽい!このカップルの場合、狼も鷹も片方で担っちゃってますけども。本当はどっちもビーストモードで2ショットにしようと思ったんだけどちょっと異様な画になってしまったのでこうなりました。

トランスフォーム:

旧版では脚部がヒンジで移動してオルトモードではロボットモードの脚部の股間幅よりもビーストモードの前肢の肩幅を広くする変形をしていたんですが新版ではご覧の様にビーストモード前肢の肩幅とロボットモードの股間幅は変わらず、ビーストモードを逆立ちさせただけの様な変形になっています。

旧版ではビーストモードの前肢の肩幅は人間の肩幅くらい広く取られていて、狼の解剖学的にはそんな筈ないんですが、しかしこの変形のお陰でビーストモードが滅茶苦茶格好良くなっていました。新版はビーストモードの前肢と後肢の肩幅股間幅がほぼ同じなので解剖学的には旧版よりも狼に近いはずなんですが、なんか違うんだよねえ。

これは変形途中に現れる犬面鷲。ロボットモード上半身は肩幅増し増しなどで結構な見どころがあって決して単純な変形ではないですが、大変にわかりやすくかなり直感で変形させることが出来ます。

但し1点だけ胸部中央のパーツが両肩のパーツでロックされる構造の為、先に両肩のパーツを外してからでないと胸部中央のパーツを前に倒せないので要注意ですね。私は最初「ここかったいなー」とか思って危うくゴリラパワーで破損しそうになってしまったので未来の私の為に書いとくぞ!壊すなよ!

上でも書きましたがオルトモードはかなりキッチリ固定されます。本来ビーストモードでもフルポーザブルは期待したい派なんですが、このシルバーボルトに関しては、ビークルモードの発想で各部かっちり固定してしまおうという意図がこのかなりしっかりしたピンから感じることが出来て、これはこれでアリかな?という気がします。

ロボットモード:

ロボットモードはかなり劇中のシルバーボルトです。若干股間の幅が広すぎな気もしますが、フロントスカート(褌)で上手い事誤魔化せていると思います。

両肩外側の腕部変形ヒンジはダミー。劇中のCGデザインが旧玩具を元にしてるためここにヒンジがモールドされたデザインになっているので今回もこのモールドを入れてるんだけど、だったらこの関節も使って欲しかった気はします。ここを使えなかったのは今回の腕部変形パターンの都合ですけど、この関節使ってどんでん返し出来れば狼の尻を伸ばさずに済んだんじゃないかと思うんですよね。レガシーはビーストモードのデザインを優先しない設計思想だと思ってるんですが、その割に今回のシルバーボルトは(旧版は非常に胴体が短かったのに比べて)狼の体形をリアルに再現しようとしているのか結構胴長になっていて、それを再現するためにロボットモード肩部をビーストモードで展開する際のヒンジの向きが変わってしまってここがダミーになっちゃったのかな?という理屈は判るんですが。けどそうやって狼の尻を1cm程伸ばしてしまったせいで尻が尾羽からはみ出しちゃって若干みっともない後ろ姿になってしまっているってトコもあるんだよね(´・ω・`)

でも今回ロボットモードを足長にしたせいで狼の前肢と後肢のバランスを取るには胴長にしないと横から見た時にバランス悪くなるって事情もありそうでしゃーねーな、って若干後ろ向きの納得感はあります。やっぱりロボットモード優先の設計なのかなというね。

後ろ姿では犬面鷲が背中に埋まった都合で羽根の生え位置が若干下になっちゃっている気がします。個人的な好みでは肩甲骨の辺りから生えてて欲しいんですけども(※個人の感想です)。劇中のCGモデルでも正面から見たらこれ位下についてるように見える事あるからその再現なのかな?と思ったけど、それは胴体部前後に結構厚みがあるので角度によってそう見えてただけっぽく、後ろから見たらやっぱり肩甲骨辺りから羽根生えてたからこれは「変形の都合」だと思います。

可動性能は現代基準で標準的。この変形パターンで腰回転があり、手首にもロール軸があります。膝関節が何カ所かでロックされるんですがそれ以外の可動域では結構緩いのと足首が前方向にあまり曲がらないので大胆なポーズを付けた時の接地性に課題ありですね。

立膝は問題なく可能。

エストロールもあるのでスーパーヒーローランディングもかなり自然にこなせます。これは良いぞ。

頭部フェイスは旧玩具以上にマズルが強調された犬顔になっています。個人的には旧玩具くらいの控えめなマズルの出っ張り具合が好きなんですが、旧玩具はちょっとモールドがダルかったので今回の非常にシャープな頭部の造形は素晴らしいと思います。

非常に立体感のある顔なので角度によってその見た目の印象が結構変わるんですが、正面からの見た目は非常に格好いいイケメンですね。

最近基準でフェザーミサイルは割愛されていますが、一番先端の風切羽を取り外して二振のボルトサーベルとして手持ちさせる事が可能です。この取り付け部分のタブ形状が左右で異なっているので左右逆に取り付けることが出来ないようになっており、ユーザの(そして恐らくは工場の組立工程での)ミス防止になっています。

ロボットモードで羽根を前方に向けたフェザーミサイル発射姿勢も、羽根の角度が違いますが何とかできますね。

新旧ロボットモード比較。アニメ準拠のフィギュアとしては旧版はいろいろ難ありなのは判りますが、変形パターンの面白さでは負けてないと思います。

もう先週ずっとこれ。この二人をずっといちゃつかせてニヤニヤしちゃった。BWVS-04 執念の対決はタイガトロンのリカラー確保の為だけに購入したつもりだったんですが、カップル描写にはアニメ準拠カラーのブラックアラクニアが非常によく似合うので買って良かった。シルバーボルトの国内発売早かったのってこれが理由だったりしないだろうか?体格差も(劇中比ではブラックアラクニアが若干オーバースケールですが)非常に良くもう永遠にイチャイチャさせてたい。