変圧器たち

へんあつき-たち

Transformers: Animated Deluxe Class Lockdown (2008)

今回記事書くのに色々調べて初めて知ったんですが、言語版のボイスアクターはエイリアン2のビショップでお馴染みランス・ヘンリクセンさんだったんですね!(日本語吹き替えは大塚さん)。

TF Animated に関しては何度も書いてるけど最初にトゥーンナイズされたロボットキャラクターの二次元絵見た時には「思い切ったなー」くらいの感想しかなく、玩具物的には「これは変形玩具として出すには猛烈なガワ変形にするしかないのでは??」という懸念しかなかったんですが(キャラクターデザインとしては良かったですけど)、「少し玩具購入休めるかなー」なんて思ってたわけですよ。それが玩具画像見た瞬間に手のひらクルーで後にも先にも海外版玩具をwave丸ごと買いなんてことはアニメイテッド以外ではしてないくらいに大興奮でBBTSに予約注文した覚えがありますね。まあ当時はですね、

"Transformers Animated Deluxe Wave 01: Set of 4” が $44.99 で買えちゃったの(送料別)。しかも当時の為替レート100円前後という並行輸入で玩具買うには夢のような状況だった訳なのでデラックスクラス1体当たり1200円位で買えたのよね。送料入れても倍にはなってなかったので国内定価(2530円)よりも安く買えてたの。まあ当時アニメイテッドは国内放映予定なし、玩具販売予定なしだったので金額にかかわらず選択の余地はなかったんですが。

そしてロックダウンも傑作トイでした(アニメイテッドトイは大体傑作なので出来の良さをもって特別に褒め辛いといううれしい悩みがありますね)。

オルトモード:

見よ、この面構え。自動車のフロントグリルは実車でも顔感ありますが、デフォルメされたこれに関してはキャラクター性さえ醸してて、なんというかアレ、ブンブンジャーの敵キャラで出てきてもおかしくない雰囲気。ヤイヤイ・ヤルカーのライバルとかそういう感じ。喋りだしそう。

デフォルメで幅詰めされた運転席に対して分厚く張り出したドアや、リアエンドから直接生えてるウィングなどは一人乗りのレーシングカーからインスパイアされているようにも思います。

そして完全にドライバーの視界をふさぐ巨大なスーパーチャージャー。有人運転はまず無理ですが、


#23 (Season 2, Episode 7)"A Fistful of Energon"

トランスフォーマーなので運転席から前が見えなくても大丈夫ですね。上記画像は劇中で数少ないロックダウンの内装が描かれたシーンですが、ちゃんと二人乗りのようですね。。。

内装もチェーン象ったハンドルとか髑髏のシフトノブとか MOONEYES とかのホットロッド文化リスペクトなのかな。

そしてこのリアエンド。


#23 (Season 2, Episode 7)"A Fistful of Energon"

劇中でオルトモードの尻が写ってるシーン少ないんですがリアコンビランプは丸目4灯なので劇中準拠ではありますね。リアウィングの左右パーツがシルバー塗装されているのは劇中とかなり違いますが、これは変形ギミックに関連してアレンジされた箇所ですが、他部分のデコレーションとマッチしているので違和感は全然ないですね。

側面から見てもそのキレッキレのエクステリアがデフォルメされたマッスルカーデザインとして非常に優れているのがわかりますね。ボンネット上に飛び出した巨大なエンジン、サイド2x3本出しマフラー、巨大なリアタイや、そしてオーバーハングを極端に切り詰めたリア部など格好いいの記号全部詰めじゃないですか。

さらには非常にワイドなボディ。ボディ幅xボディ長が1:2位はFFロータスエラン(M100)と同じくらいですね。ということは峠のハンドリング性能が期待されるんだけど巨大リアタイヤから多分 FR だろうが予想されるし、エンジンからホットロッドマシンであることが想像されるし、再度出しマフラーからエンジン高回転域は捨ててる(6気筒エンジンの場合)ことがうかがえるしで、全部ミスマッチなのがすごい(´^ω^`)趣味悪格好良さ全振り。

底面にはロボットモードの胸部が丸見えですが一見して変形パターンが見えない感じなのもいいですね。

運転席フロントウィンドウの奥には中央にロボットモードの頭部が(逆向きで)鎮座。これのせいもあって玩具的には単座のレーシングカーっぽさがありますね。

各部のディティールの素晴らしさよ。ディティール含めた全体のデザインは多分ハスブロの Eric Siebenaler 氏。アニメイテッドの蓮側デザイナーとして滅茶苦茶よく見かける方なのでこの方のデザインセンスがべらぼうに凄いのかもしれません。変形パターンも神がかってるんですが、おそらくそっち担当はタカトミの 蓮井章悟氏。

tfwiki.net

ボンネットから飛び出したエンジンブロックは玩具的には劇中でラチェットから強奪した EMP ジェネレータなんですが、劇中でラチェットに取り戻された後でもオルトモードの形状変わらなかったのであれはたまたまそっくりな形状だっただけなんだろうか?オルトモードのまま EMP ジェネレータとして使ってるシーンそういえばなかったような気も。

玩具のギミックとしてロックダウンに付属のこの EMP ジェネレータをラチェットの腕のマウントに取り付けることも出来ます。

子のギミックの凄いとこは、ラチェットの側のマウントの中央部にだけ丸い小さな突起があり、武器をラチェットの腕に取り付けることで武器側取り付け部の中央にある小さなボタンを押すことで EMP ジェネレータのバレルを展開する機能があるという事です。玩具的には「ラチェットじゃないと武器を発動できない」みたいな設定があったんじゃないでしょうか(劇中ではオートボットを殺さず機能停止する便利武器としてロックダウンも多用しまくってましたが)。

ただしこの機能はちょっとアイディア倒れといいますか、実際には武器側裏のバレル展開スイッチは飛び出しているので机などに押し付ければ(何なら指でも)、簡単にバレルが展開しちゃうってことと、この武器側ボタンがデフォルトでちょっと飛び出しているうえに結構ばねが重いのでラチェットの腕のマウントに取り付けてもこのスイッチのばね圧ですぐにピョコン!って外れっちゃうんですよね。摩擦だけで保持しているので……

ロボットモードのギミックですがフロントグリル中央には鈎爪が仕込まれていて、オルトモードでも展開して露出させることができます。設定上はワイヤーで鈎を発射できるので(玩具では不可)前走ってる車を捕まえる的な妄想ができます。

ロボットモード:

太もも部分が劇中ではもっと腰と繋がったデザインなのでこのプロポーションは玩具的にかなりアレンジされています。また両腕も Derrick J. Wyatt 氏のアートワークでは左右異なる腕が取り付けられていて下腕の形状も大きく異なるのですが、変形の都合で二の腕のモールドのみが左右で異なっています。脚部はひざ下から左右非対称のデザインになっており、これは玩具でも再現されています。

初期デザインではロックダウンが倒した敵から奪ったパーツをトロフィーとして収集し、時にはそれを自身の改造パーツとして使用する、という設定からフランケンシュタインのようなフリーキーな見た目をしていましたが、最終的に決定稿の姿に修正されたとのことです。

手首の変形にやや難があり、これ以上まっすぐ伸ばすことができません。また、胸の中央にディセプティコンのインシグニアが印刷されていますが、劇中ではここは黒く塗りつぶされていました。本人は劇中でディセプティコン呼ばわりされた時にはっきりとそれを否定しており、自分は「ロックダウンである」と表明していました(つまりどの陣営にも属していないという事)。

derrickjwyatt.blogspot.com

前後方向のキブルによる厚みはほとんどなく、細身のスタイルは(変形の制約による差異が多くあるにもかかわらず)劇中イメージをうまく再現できていると思います。

腰背面にオルトモードのボンネット中央パーツが取り付けられたままになっていますが、これを取り外して右腕にかぶせるように装着することで交換した鈎爪腕を再現することができます。

ロボットモードの背中の運転席部分は劇中をかなり正確に再現しています。

劇中の姿を最も再現できているのは右腕に鈎爪を取り付けたこの状態だと思います。武器となるエンジンパーツ(EPMジェネレータ)は使用時以外は腕内に収納されていたので取り外した状態が平時という事になります。

ロボットモードでもう一つ特筆しなくてはならないのは、劇中ではブロントグリル含むフェンダー前部が変形して足首を構成するんですが、今回の設計ではこの足首部分は形状こそフロントグリルと同じですが、サイズが一回り小型化されており、なんとリアエンド部分が変形しているという点です。つまりはダミー、なんだけどフロント部分が変形しているように見える造形になっています。実際の布団とフェンダー部分は180度反転して太ももになっているというスゴ技。蓮井さんスゲー。これは変形パターンからの逆算なんでしょうけど、後付けでこんなことできるとも思えないのでどういう発想でここにたどり着いたのか非常に気になります。

頭部は劇中よりも平べったくなっていますがしゃくれ顎も再現されておりかなりイメージ通りのロックダウンになっています。トライバル模様なのか眉毛髭の意匠化なのかよくわからない黒い模様もかなり劇中通りで再現度は高いといえます。

そして後頭部から続く赤いクリアパーツによる集光ギミックも備わっています。

稼働性能はかなり厳しい。この頃のTF玩具はオルトモードの再現性こそ優先されており、次にロボットモードの格好良さ、できれば再現性最後に稼働性能といったコンセプトのような気がします。下半身の可動が特に厳しく、膝についてはこれが最大限深く曲げた状態です。

腕は変形の都合で二重関節化されているのでまあまあ良く動きます。また手首が少し内側に傾いた状態となっているため、腕組み的ポーズはむしろ様になりますね。

変形の恩恵で腰部の左右スイベルがあるのもポージングの助けになります。

格好いいポーズは私にはちょっと難しいんですが、素立ちでちょっと腕にポーズ付ける、くらいでも十分格好良い佇まいになるのでもう十分よ。何よりオルトモードが格好いいですし。

二日酔いでどっかり座り込んじゃって頭さすってるみたいなポーズは上手にできちゃうな!

武器は鈎爪とエンジンが変形したEMPジェネレータ。オルトモードの項目で「玩具的には「ラチェットじゃないと武器を発動できない」みたいな設定があったんじゃないでしょうか」とか書いてしまいましたがあれは嘘でした!ロックダウンのマウントにもバレル展開用のボタンを押すぽっちが存在してました(取り付けた時に押し込んだらなれるが展開したので発覚)。

これ、腕にかぶせる鈎爪パーツにあるマウント部分は完全に抜けている「穴」でしかないのでエンジンパーツ裏のバレル展開ギミックを押すことができないと思い込んでいたんですが、これを腕右腕にかぶせると、右腕の部分にある小さな四角い突起がちょうどマウント部分の中央に配置される位置関係にあって、これがスイッチを押すことでバレル展開ギミックが発動されます。この小さな突起が偶然そこになるわけではないのは、それが左腕にはモールドされていないことからも明らかです(鈎爪自体は左腕にも取り付け可能)。いやー今回これに気付いてブルブル震えちゃった。蓮井さん凄いって!ハユイwwwケスwwww

最後にサイズ比較ですが、おそらく歴代デラックスクラス玩具の中でもトップクラスのロボットモード膨張率だと思います。現行のボイジャークラスよりも断然デカい。劇中でも結構大柄の TF だった覚えがあるのでこのサイズ感はむしろいいですね。某料率高い TF 玩具は大味感出ちゃったりしがちですが、ロックダウンはそんなこともないのが凄いですよね。

リーダークラスの SS ROTB スカージと比べてもタメ張るこのサイズですからね。このスカージはアドオンで汚染されていますが素の姿だとコンセプト版頭部デザインなのでロックダウンに似た首長デザインだったから、そっちで比較したほうが相応しかったかもしれません。スマンコ(´・ω・`)