多分 Alex Kubalsky 氏の設計の中で最も有名な奴では。非常にシャープで薄いシルエットのフォーミュラカーからトランスフォームしますが、オルトモードがクローズドコクピットのフォーミュラカーに変形するミラージュは現状これだけなのでh……あーッ!シージ!シージ版もクローズドコクピット……かな……?……いや……アレはセイバートロニアンビークルなので運転席など無い無人フォーミュラに違い……ない……
もとへ、現状クローズドコクピットのフォーミュラカーに変形するミラージュはこれだけなので貴重ですね!これがアースモードビークルなのは各部のマーキングみても一目瞭然だからセイバートロニアンビークルではない!ヨシ!
ビークルモード:
オルトモードは前述のとおりクローズドコクピットのフォーミュラカーですが、サイバーフォーミュラ程 SF 感は無く、むしろ 2015 年頃に沢山発表されていた非オフィシャルなコンセプトデザインのクローズドコクピット F-1 マシンに驚くほど似ています。結局 FIA は伝統を優先して F-1 ではクローズドコクピットの採用を見送ったようですが、フォーミュラ E で内燃機関捨てたんだからそっちでじゃんじゃん試していったらいいじゃんね、と思います。
各種のマーキングがレース車両っぽさを演出しています。
フロントウィング部には謎の "lithonian Drivetrain" のロゴが。これは Google ってもさっぱり判らんのですが、"lithonia" は米ジョージア州アトランタの郊外に実在する地名のようです。そこらへんにある自動車部品メーカーという設定なんでしょうか? TFWIKI で調べたらこの企業の別のロゴマークが 2011 年に発売された DOTM Sideswipe のウォルマート限定の方 にもマーキングされていることが判明したんだけど一体何なんだこれ(TFWIKI では惑星リトーンに関係あるようなリンク張ってありましたが)。エアインレット付近に ”Plasma Injection Energy”、サイドポッド上面に ”F.P. RACING”、そしてリアウィングにはようやっと出展が判る "Witwicky Sparkplugs" これらのうち ”Plasma Injection Energy" と ”F.P. RACING” に関しては TFWIKI 読んでもさっぱりわからなかったんですが、解説している blog がありました。
底面は腕や脚部のパーツが綺麗に収まっています。ロボットモードの肘部分のタブを腰部分のスロットにはめ込んで固定する設計になっており、オルトモードはかなりかっちりと各部が固定されます。
レーシングマシンらしく、最低地上高の低さが際立ちます。 隙間は 1mm もないんじゃないでしょうか?しかしこれで腹を擦らずに前後輪はスムーズにコロ走行できます。
ウィングはフロント、リア共に小ぶりで、リアウィングの取り付け位置も低いのでどっちかっていうとインディカーっぽい趣。尚フロントスクリーンの奥にはよく見るとロボットモードの頭部が鎮座しています。かなり手前側なので運転手の頭部としては厳しいんですが、そういうのちょっと好きです。
4 本出しのテープパイプがモールドされていて非常に格好良いんですが、今フォーミュラカーで 4 本出しテールパイプ可能なレギュレーションのフォーミュラレースあるのかな?
ロボットモード:
痩身異形、だがヒロイックという独特のスタイルは当時かなりの熱狂をもって受け入れられていた気がします。兎に角格好いい!と評判だった覚え。しかし変形パターンは、オルトモードの車両後部が伸長して脚部を構成する、つま先はリアウィング、腰部を 180° 回転する、肩部分はサイドポッド前部のパーツ、など共通点が多く、20 年間の進化を加味したリスペクトになっています。
個人的には末端肥大な脚部デザインがブーツカットというかベルボトムっぽくてイカスと思います。
首の取り付け面が斜めになっている為、猪首っぽくなっていてここが異形感の源かな?そのため少し背中を仰け反らせたような姿勢がデフォルトの立ち姿になります。
逆三角形の上半身、非常に細いウエスト、そして何より特徴的な背中に背負った前輪構造部。クバルスキー氏の設計も凄いんですが、「これが格好良い!」と GO 出したハスブロ担当者も凄いよね。実際その判断は正しく大人気玩具になったので 7 種もリカラーが出てました。
背中の前輪構造部はデザインになってしまっているのでキブル感もあんまりないですね。その分脹脛部分がスッカスカになっています。最近の TF 玩具ではよくある処理になってしまっていますが、この時期はまだ蓋しているケースが多かったような気がします。でも当時ここについて不満を感じた覚え無いな?
頭部は小ぶりで頭身高く見える主因ですね。メットの左右には G1 ミラージュから継承したエジプトのネメス頭巾のような装飾が施されています。なんかちょっとジョジョに登場するスタンドみたいな顔だな……ゴールドエクスペリエンスとかさ。
小さい頭部ですが集光ギミック(ライトパイピング)はしっかり仕込まれており、比較的よく光ります。目が光ると滅茶苦茶格好良くなるんですよ!
インストラクションに ”Weapon Storage” の記載があるんですが、この図だとコクピットの上面あたりに銃のタブを固定するスロットがあるはずですが、特にそうした部位は無く。
とある変形動画ではインダクションポッドの上面のスリットをこのウェポンストレージとして紹介されていたので試してみたんですがもうぎちぎち過ぎというか明らかに幅があっていない。長時間取り付けたままだったらどっちかが破損するんじゃないかって思うほどなので無理せず潔く諦めた方がええかな?って思いました。
tutorial index: Transformer Toy Design by Alex Kubalsky
尚、プロトタイプでは武器の上面にタブは無く、代わりに丸穴がありました。またほかの画像を見るとインダクションポッド上面にスリットが存在しなかったので確かにこのスリットが武器のタブを固定する目的で追加された可能性は高いです(でも全然サイズが合わないの!)
G1 リスペクトって意味でも武器はここに取り付けておくという手もあります。不格好?そりゃそうですね(´^ω^`)
可動について。肘は二重関節化されており、肩も両端がボールジョイントになった軸で接合された二重関節なのでよく動きます。肩幅がありますが良い感じで腕組みしている風のポーズを取らせることが出来ます。
立膝が出来ているかどうかはちょっと微妙なんですが、本来意図された肘関節と、オルトモードからロボットモードに変形させる際の脚部を伸長するためのクランク軸を両方使う事で疑似的に二重関節のように扱うことが出来ます。
というかこのミラージュも本来の肘関節は深く曲げられない(上の画像がめいっぱいです)ので、この「下側の膝関節」も使ってやらないと立膝は無理ですね。
ただまあこの「下側の膝関節」は本来ロボットモードで利用することを意図しているとは思えない程下についているので「脚」としてみたらちょっとあり得ない形状になりがちではあります。本来ここはロボットモードでは何らかのロックが欲しい部分なんですが、関節の渋みだけが頼りになっているので欠点と言えるかもしれません。
フィギュアスタンド用の穴は用意されていませんが軽いのでアームでも十分保持できます。腰部が細いので掴みやすいしバランス的にもよい。
これはプロトタイプの画像をリスペクトしたポーズ(´^ω^`)。脚部の可動範囲はそれほど広くないんですがダイナミックなポーズを取りやすい体形なので非常に楽しいです。
あんまり動きのないポーズも格好いいですしね!
サイズ比較はそこらにあったチートアさん達と。ここで ROTB ミラージュ並べられたら気が利いてるんですけどそういうのは無しです。こうやって比べると頭部サイズはほぼコアクラスと一緒ですね。
多分アレックスクバスルキー氏のタカラトミーでの独り立ち仕事としては最初の奴じゃないかな?と思ってるんですがこの独創は今でも凄い。当時はそんなに設計者の事気にしてなかったんですが、このミラージュは雑誌かwebの記事で「初の外国人デザイナー」と書かれていた覚えがあって、そこから TF 設計者にも興味を持つようになったので、最初に気になった設計者という事もあってアレックス氏の動向気になってるのよねー。