変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマー マスターピース MP-34 チータス

劇中イメージを思い出補正して1000%美化したような滅茶苦茶格好いいロボットモードと、頭頂部が凹んだ奇妙なフェイスの劇中そっくりビーストモードが高次元で融合した圧巻のマスターピース!ではあるんですが、残念ポイントも結構多くて発売当時は賛否が両論しちゃったんじゃなかったでしたっけ?という訳でやや批判的な気持ちで久々に触ってみたらそれはそれとして色々良いとこ見えてきました。

上の画像は早速残念ポイントが写り込んじゃってますが、肩のロックがね……

なんといってもこの美顔。劇中の比較的ローレズなCGを補完して実在の彫刻としての説得力増し増しで美しいフェイス。冠状のパーツや、頬当てなどのバランスからちょっと神っぽさを醸しててなんかアヌビス神っぽくもあります。

箱は捨てる予定なので300円でヤフオク出品してみたけど送料考えたら誰も買わんだろうなあ。箱無しで中古買ったけど箱欲しい需要はあるんじゃないのかな?と思うんだがどうだろう。

閑話休題。このパッケージのビーストモードのポーズと撮影角度、絶妙にビーストモードの欠点を隠しきってて凄いと思います。

ビーストモード:

地球上で一番可愛い猛獣ちゃんはチーターで確定していますが(私調べ)、ビーストウォーズ世界のチーターは凹んだ頭頂部が特徴の蛙みたいなひしゃげた顔が特徴の不細工動物なんですが、チータスのビーストモードだけじゃなくてスキャン元の生チーターも同じ頭なので惑星エネルゴアのチーター全部同様の不細工ヘッドなようです。せっかくチーター最大の萌えポイントこと涙ラインもあるのに一見可愛くないのよね。私は番組ほぼ未視聴なので当初はひたすら不気味な顔と認識していたんですが、長時間見続けているとだんだん愛嬌を感じて可愛く見えてきてしまいました。これが「世界初!100%CG変身ロボット連載TVアニメーション!!」の魅力なのかしら?

これはちょっと首を伸ばしきれてないかも知れないですねえ……微妙なミストランスフォームドですが、全体のシルエットは猫背も含めてチーターっぽさを体現していて非常に可愛らしい。

スターピースはそういうもの、と言われればそれまでなんですが、非ビーストのマスターピースと比べても結構繊細で取り扱いに気を使うというか、決して壊れやすいという訳ではないのですが、見逃し見落としがしがちなんですよ。そりゃお前の注意力が低いだけだろ!とも思うんですがそれにしても他のTFと比べて結構ミスる。

肩基部が大きく可動するんですが逆に言うと定位置でロックされないので胴体側の大きな開口が隠しきれない場合も多い。前足付け根も前後可動するのでしっかりロック出来たらよかったんですが。

横顔だと頭頂部の凹みも気にならないのでいい感じにかわいい猫ちゃんですね。胴体上面のガワは背中と腰部が繋がっておらず、段差もあって、また固定も割れていないので持ち上げると結構がた付いてしまうのはちょっとした欠点と思うんですが、その緩さがこの曲線を作っているともいえるので織り込み済みの設計なのかもしれないです。四肢を接地させると上画像の様なカーブを描いた胴体になるので躍動感ありますしね。

後足の処理はすき。膝曲げて逆脚部分を展開しているだけではあるんですが数あるチーター玩具の中でもかなり自然な動物の後脚感を再現できていると思います。解剖学的に踵に当たる部分にロボットモードの踵がガワとして配置されてるのもなんか良いですね。

首を伸ばしたのがこちら。思ったより見た目に変化ないですが、首関節を引き出すのでこの状態で左右首振りが出来るようになります。

背中は本当にこれが正解なのか不安になる感じですけど、これ以上やりようないんですよね。背中の段差どうにもならんのですが実際に触ってる時には豹柄の効果か画像程は気になりません。

この豹柄は水圧転写とタンポ印刷の組み合わせで表現されており、そのつやつや感含めて劇中のCGイメージにかなり忠実な体表表現になっています。MP-32コンボイの時は「もうちょっと毛っぽいディティール付けろよ」と思った覚えありますが、チータスに関してはあんまり違和感感じませんね。

裏側。胸下にはロボットモードで折りたたんだ時重なったパーツを逃がす為のクリアランスの大穴が開いていて、普通に飾ってる時見えねえだろ!と言う割り切りを感じるのですが、どうにかならんかったのか感はちょっとあるよね。その下の腹部は設定どおりガットガン(腸銃)が収まり、それでいい感じに腰部がしっかり固定される設計なのは素晴らしいと思います。

あと、にくきゅう!これは文句なしに可愛いですね(´^ω^`)

ビーストモードの頭部パーツは表情違いで3種類、眼球は別パーツで取り外してそれぞれの顔に入れ替え可能です。

ビーストモードの交換頭部は非常に表情豊かなので付け替えるだけでいい感じにストーリーを感じられます。

各頭部ヘッドの髭はナイロンテグスが植毛されているんですが、取り付けは結構雑だったりします。ちょっと残念なポイント。

ロボットモード時にビーストの頭部はロボットの胸部の内側に収納されますが、そのまま長期間保持していると髭に変な癖がついてしまうらしく、ロボットモードの時はビースト頭部は外しておくことを推奨しているレビューサイトが幾つかあったと記憶しています。

スタンド使って躍動感あるポーズを!と思いましたがなかなか難しい。手前の小さいチーターは食玩チョコQ 動物奇想天外!編」 のおまけなんですが、私史上では現時点でこれを超えるチーターちゃんのフィギュアは存在しないと思って居るので一緒に飾っていました。

ロボットモード:

劇中CGよりもやや太ましいですが、素晴らしいプロポーション。しかし胸ダミーはなあ……マスターピースで胸ダミーはねえだろ!と思うんだけどさりとてビースト頭部を使って CG の平べったい胸ビースト頭部を再現するのは恐らく無理なので(頭部に開き用の関節付けてってアイディアはあると思うけど不格好になるのは必須ですし)他に手はなかったんだろうけれども。 TFWiKi でも”albeit taking a few shortcuts”(少し手抜きをしたが)と書かれている通り、これがこの玩具で物議を醸した最大の箇所です。そしてそこはかと漂う大阪のおばちゃん感

tfwiki.net

あら、踵を展開しきれてないですね……それは兎も角ビーストモード時の前脚は流石に小型化できないので背面から見ると結構なインパクトがあります。左右に組んだ前脚はペグで固定できるのでここはしっかり定位置で決まります。

前述の胸ダミーに次ぐ問題点が尻尾を含む腰回りの外装が丸々余剰になってしまう点ですね。一応武器に変形するので完全な余剰パーツという訳ではないんですが非常に残念に思いました。

尻銃こと"rump gun"とお馴染み"gut gun"(腸銃)。

前述のTFWiKiでは”which saw sporadic use in early Beast Wars episodes. ”(初期のビーストウォーズで散発的に使用された)と書かれているので玩具オリジナルの苦し紛れ武器化ではないと思うんですがどうなんでしょうか? rump gun の方はグリップ部に掌に固定するペグが無いため、握らせてもグラついちゃうのがね。銃の形状としてはグリップとストック部分が一体化したようなデザインで格好良くて好きなんですが。

こちらはお馴染みガットガンの収納状態。薄ピンク色の内蔵表現が生々しくてキモ素晴らしい。

ビーストウォーズのロボットモードは結構内蔵剥き出しなデザイン多かったと思いますが、特にこのガットガンはクローネンバーグの「イグジステンズ」の影響を強く受けているんじゃないかと(勝手に)思って居ます。イグジステンズにも Gristle Gun(軟骨銃)と言うグロ格好いい銃が出てきますし。

これら武器はロボットモードでも全部背負えるので手持ちさせなくても余剰無しで飾ることが出来ます。マスターピースとして最低限の責務は果たしていると言えそうです。

ロボットモードも3種類の表情パーツが付属しますが、ビーストモードよりは表情変化が少ないのでぱっと見そんなに変わり映えしないですね。この画像は床置きしているせいで目が真っ黒になってしまってちょっとスカルっぽくなってますが、目はクリアパーツで、集光ギミックがあります。

ロボットモード頭部に後から光を当てると良く光ります。集光ギミックこそTFのアイデンティティと思うのでマスターピースでもちゃんと搭載しているの良いですね。

ロボットモードでは非常に適切な位置に関節が配置されているので素立ちでもいい感じの格好良さで纏まります。ポージング下手糞な私でも安心。自然な人型体形で変形玩具と言うよりはアクションフィギュアの趣……と思ったらこの画像でも左ひじの部分の二重関節の上の方のを戻し損ねてますね……関節可動部分が多いのは良いんだけど、こういうとこ気を付けないとならんのはちょっとストレスになりますね。まあ画像で保存せずブンドド遊ぶだけなら関係ないんですが。

指先にも微妙に表情が付いているので顎を触ってる風、とかも出来ていい感じです。

肩関節付け根に前後及び上下スイングがあるので割と自然な腕組も出来ます。とは言え劇中より大型化した腕部カバーであんまり見えないですね。

銃構え姿勢も楽し。ガットガンの方は掌のスロットに銃グリップ部のタブをかみ合わせてがっちり固定する方式なのでちょっとやそっとじゃ外れません。ストレス減(´^ω^`)

伏射姿勢。完全に浮いちゃってるけど。ランプガンは普通に持たせるとぐらついてしまうので狙撃銃スタイルが良いと思います。

関節部分の大欠点はこの肩部のジョイント。ビーストモードで腕収納する際に幅を節約するためのギミックですが、肩を動かすとここが簡単に外れてしまって非常にストレスです。毎回絶対外れるの!

対策として肩の前後をひっくり返すって方法があるんですが、そうするとネジが手前に丸見えになってしまうので見栄えが犠牲になってしまう。まあストレスは減ります。

膝部二重関節のお陰で非常に深く曲げることが出来ます。これほど自然な立膝が出来るTFはなかなか居ないですね。

その実力は正座も難なく出来る程。このポーズは武士道キャラのタイガトロンの方が似合いそうですが、タイガトロンのMPは未所有なので……

腰を深く落としたポーズもバランスよれますし、まあまあ決まります。

肩にも微妙な表情つけられるし、欠点は多いですが非常に優れた点も多いマスターピース玩具だと思います。何よりこの良スタイルは他に代えがたい魅力ですね。

最新チータスこと SS-108 チーターとツーショット。身長的にはほぼ一緒。実写チーターにも胸動物顔欲しかったですね。

尻にフィギュアスタンド用の穴があるので躍動感あるポーズもいい感じに。しかし私の艦橋ではこの尻の穴が非常にキツく、スタンドを取り外すときに非常に苦労しました。

欠点も多いので手放しで絶賛できないんですが、そういう駄目なとこも含めて愛おしい感じのトイだと思います。