変圧器たち

へんあつき-たち

Dr. Wu x Mechanic Toy MS-36 Sand Leopard

本玩具は トランスフォーマーとは関係ないオリジナルの……まあ独自の名前を付けていて完全にオリジナルな設計なので恐らく立体商標でも取られていない限りこれを違法にすることは難しいのではないかと思いますが、見ての通り G1 サンドストームの非正規となります。

Sandstorm (砂嵐)に対して Sand Leopard(砂豹)と言うネーミングですが、そういう豹は居ませんね。desert leopard (砂漠の豹)ならサウジアラビアの開祖ムハンマド・ビン・サウード・アール・ムクリンことイヴン・サウードの二つ名のようですが特に関係はないと思います。まあ格好いいからヨシ!

Dr. Wu や Mechanic Toy の玩具はこれが初めてですが(Mechanic Toy 名義になる前に Hot Soldiers 名義で発売されていた HoS バンブルビーによく似た Iron Hero は所有ていますが、これは金型移譲されたとかの可能性もあるので除外)、現時点の感想としては「楽しい変形に中途半端な可動」と言った印象でアクションフィギュアとしては-フルポーザブルではあるんですが-平均よりも下という印象です。格好いいポーズをつけて飾るアクションフィギュアというよりは変形の妙を愛でる玩具かな。

トリプルチェンジャーとしては比較的シンプルな変形パターンですが、大胆な外観の変化が楽しめるので非常に満足度は高いです。しかしヘリコプターのローターブレードが他モード時に引っこ抜いてタブで固定する方式であり、これは私の完全変形基準(出たよ……)では「差し替え変形」なのでここがなー。ここがさー。オリジナル玩具では4枚のブレードを全て畳んですっきり収納してたじゃん(´・ω・`)

そういう不満点はありますが、恵まれたスプラング(Springer)に比べて玩具化に恵まれず非常に不遇なサンドストームのトリプルチェンジャーとしての立体化なので非常に貴重だと思います。まあこの玩具はサンドレパード(サンドレオパルド)だからサンドストームではないんですが!……と、ここ迄書いて TFWiKi みてみたらスプラング(Springer)の型新造トリプルチェンジャー玩具は初代の C-83 、 Thrilling 30(日本ではジェネレーションズ版として)、シージの3種のみでサンドストームの2回(初代、Thrilling 30)と大して変わらなかったのでオートボットのトリプルチェンジャーが恵まれてないだけでした。サンドストームの Thrilling 30 版はスプラングのリデコなので型新造とは言えないからやっぱり不遇ではありますけど。

スプラングはアーシーと良い仲、ザ・ムービーで主役の一人として活躍など大変優遇されたキャラクターなので一時非正規界隈でバカスカ発売されておりまして、 show.z store 調べでは8種類ほど発売されていたようです。1それに対してサンドストーム似の玩具はこの MS-36 Sand Leopard 以前に発売されたものとしては唯一2018年頃に発売された Unique Toys の Sworder2 のみなのでこの辺の印象で「スプラングばっかり出しおって……」というオレンジの恨みが募っていた可能性はあります。

閑話休題、オルトモード(デューンバギー):

Sand Leopard は基本的にオリジナルの G1 サンドストームのデザインを踏襲していますが、本作では変形のしわ寄せを一手に引き受けているのがこのモードなので、バギーモードは結構独特の形状(穏当表現)になっています。オリジナルの C-83 サンドストームではリア形状は兎も角ぱっと見で結構格好いいバギーに変形しているように見えていたのでここは好みが判れるところですね。

オリジナルのデューンバギーにも特にモデルとなる実車モチーフは無い様なのでバギーの概念の様なデザインという事でこの異形はありかもしれないですね。

側面のロボットモードの腕がオリジナルの玩具では 90 度回転してサイドポンツーンとして破綻ない形状になるのに対して本作では肩基部がむき出しのままなのでややゴチャ付いてしまっているのと、オリジナルにあったロボットモード頭部後部のエンジンブロックの意匠がほぼなくなっているため意味不明な黒い箱になってしまっているのは全体のスタイル以上に残念なポイントだと思います。あと前後のタイヤサイズが同じなので「バギー」感はかなり減じています。

とは言えオリジナルにあったボンネット上の小さな衝立の様なパーツ(これバグガード的な意匠なんでしょうか?だとしたら何かモデルとなった車両がありそうな気もしますが)も再現しており一応オリジナルに似せようという努力は感じるんですよね。変形の都合でフロント側の車高が上がってしまった言い訳なのかオリジナルには無かったサスペンションやショックのモールドが入っており、頑張ってこの不思議形状に説得力持たせようとしている努力は買いますが。

バギーモードでの武器はここにマウントできます。腕伸長時の軸をスライドさせるためのスリット部にタブを差し込む方式です(インストラクションにも指示あり)。

真横から見るとフロント部分の車高が異様に高く見えてしまうのが異形感の主な原因でしょうか。ボンネットの面が腕パーツと同じレベルの高さにしてその分コクピットの厚みを増せていればもっとバギー感出せたんですけどね。

後方側から見るとヘリコプターの意匠が丸出しなんですが、一見するとボートのようにも見えて、これはこれでマジックスリー(@チキチキマシン猛レース)感があって非常に好きです。

さっきから頭部収納用の蓋の部分がちょっと浮いててみっともないですね。ここは変形ミスですが、実際には面一になります。後頭部にエンジンの意匠がないので、単に後ろ頭がむき出しになっているようにしか見えないのは残念なところですね(´・ω・`)あとちょっと全長が短い。

頭部は玩具顔とアニメ顔の2種類付属していますが、アニメ顔の方の後頭部は完全にモールドなしのつるんぺたんなのでここは本当に残念なんだよなあ。後ろ頭にメッキのエンジンモールドがあるってのはオリジナルサンドストーム玩具の結構なアイデンティティだと思うので。

裏側:外したヘリコプターのローターブレードを各二本ずつタブで固定して車両下部に取り付けるの概念が良く判る画像だと思いますが、これのせいでフロントノーズが高くなってしまい全体のバランスがいびつになってしまっているんですよね。あと、このローターブレードが非常にポロリし易い。ローター部は回転軸の基部から取り外し可能なのでもういっそ丸ごと外してしまうって方法でも良いかも知れません。どうせ差し替え変形なんだし。

オルトモード(ヘリコプター):

バギーから一転して非常に素晴らしい形状のヘリコプターモード。設定では シコルスキー CH-53 シースタリオン 重量物輸送ヘリコプターと言われていますが、オリジナル玩具の時点で全然違ってるよね。オリジナル玩具のテールブームがない葉巻型ボディの謎形状ヘリコプターをいい感じにデザインし直したみたいな形状で非常に素晴らしいです。

ヘリコプターモードでも武器は腕側面のスリット部分に取り付けるようにインストラクションでは指示されていますが、ヘリコプター時は頃接地面から武器部分が出っ張ってしまうため破綻なく取り付けできる場所はないですね。

このモードでもコクピット内側の畳まれたバギーの前輪と、展開した側面にある非常に小さなタイヤで設置してコロ走行が可能です。

バギーモードとヘリコプターモードは大雑把には前後上下が逆になっているだけで、あとは各部のパーツの畳み方で大きく形状を変えているんですが、殆どオリジナルの C-83 スプラングと変形パターンは一緒ですね。じゃあローターブレードも踏襲しろがい。

コックピット部のウィンドウが非常に薄くなっており超大型ヘリコプターの趣。まあそれまで並んで歩いてたオクトーンを機内に乗せられるサイズだからな……

こうやってフィギュアスタンド使って飛行姿勢で飾りたいんだけどスタンド取り付け用のホールも無ければいい感じにつかんでおける場所もないので非常に不安定な状態で撮影しました。飾って愛でるものではなく手に取って触って遊ぶものという思想でしょうか(良かった探し脳すぎ)。

ここ迄で既に 5000 字超えてしまったので凄い書ききった感になってますがロボットモードの紹介がまだだった。

ロボットモード:

いきなりのマスクオフ顔で素立ち。形状は玩具準拠で肩上に大きなフード上のパーツがあってその中に標準的頭部が存在する形状。手首の展開収納ギミックは他であんまり見ない方法で感心してしまった。小サイズならではで、その代わり手首回転がなくなってしまいますが。プロポーションとしてはまあまあ普通。オリジナル玩具は刀身が低かったせいもあってキッズの趣でしたが、アニメ準拠なイメージの等身に修正されています。

フルポーザブルなんですが肘関節が 90 度まで曲がらない、太ももと脛のバランスが悪くまた股間部も膝も 90 度程度までしか曲がらない為、精々がこの程度のポージングしか出来ませんでした(私の技量の問題である可能性はあります)。つま先と踵が独立しており、踵の角度を変えることでバランス取ることが出来るタイプなので自立安定性はまあまあです。

踵の保持力はそれ程固くないですが、小サイズで軽いのでそれほど問題はないです。脛内側の脚部を伸長した後に隙間を隠す為展開するパーツ、とか細かい部分も結構練られた設計だなと感じました。

これは頑張って立膝させようとして全然うまくいかなかった画像です。背中に取り付けているローターブレードは邪魔なので取り外しています。

これが余剰なんですわ(´・ω・`)

マスクオフフェイスはこんな感じ。劇中に似てるかと言われると劇中の作画の方が緩いのでちょっと良く判らない感じ。この顔だと神経質キャラっぽく見えるけどもっと楽観的な感じだった気がします。

玩具オマージュのマスク顔。とは言えオプティックはアニメ顔に準拠して小さめの造形なので似てるかって言われると似てないのでは?って印象。上のマスクオフ顔にアニメ準拠マスク付けたみたいな想定かな?弊社の新しい課長に似てる気がするんだよなあ……

前述の通りローターブレードは丸ごと外れるので、ロボットモードで腕に取り付けでも出来れば武器として活用できたのにね、と思いました。

獣も手持ちしていない時は余剰になってしまい各オルトモードでの取り付けと同じ下腕側面のスリット位しか取り付けておく場所がありません。

サイズ比較。コアクラスよりはデカい。全高で言ったら バズワージー版のデラックスクラス Origin Bumblebee と同じくらいだけど頭長高では小さくなってしまうのでスケール合わず。

現在の標準的なデラックスクラスと比べると全高ではいい勝負だけどサイズ違い感甚だしい。

Newage の小さい奴と並べると丁度いいサイズ感。他人の彼女とのツーショットですが……とはいえ Newage とか MagicSquare のレジェンドクラスサイズ玩具集める気ないからなあ……

これはオリジナル玩具なんですよ!という言い訳のカード。パッケージ裏にもうちょっとだけ長いのが掲載されています。

INTRODUCTION
SAND LEOPARD IS A MACHINE WARRIOR WITH THREE FORMS THAT CAN BE FREELY CONVERTED INTO A TRANSPORT HELICOPTER OR DESERT OFF-ROAD VEHICLE, ALLOWING HIM TO EASILY COPE WITH VARIOUS SITUATIONS ON THE BATTLEFIELD. NOT ONLY THAT, HE ALSO POSSESSES EXCEPTIONAL INTELLIGENCE, PHYSICAL STRENGTH, AND ENDURANCE, AND CAN COMPLETE TRANSFORMATIONS AT TWICE THE SPEED. HOWEVER, HE NEVER GAVE UP HIS KINDNESS AT ANY TIME.

翻訳:「サンドレオパルドは3つの形態を持つ機械戦士です。 輸送ヘリコプターや砂漠用オフロードビークルに自由に換装可能で、戦場の様々な状況に柔軟に対応できる。それだけでなく、彼は並外れた知力、体力、持久力を持ち、2倍の速度で変身を完了することができます。しかし、彼はどんな時でも優しさを捨てませんでした。」

とのこと。いやまあこういうのを持って「これはオリジナル!似てるのは偶然!」とか言うつもりは当然ないんですが、こういう建前はしっかり守って商売して欲しいですね、とは思ってます。

ムーンベースにて購入。6990円。


  1. スプラングの非正規沢山ありすぎ
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  2. ヲタファ氏の動画ですが
    www.youtube.com
    Sworder はロボットモードのデザインがやや平坦、オルトモードの四輪車がバギーではないと言う点で結局購入しなかったのですが、滅茶苦茶複雑で独創的な変形パターンを持つ魅力的な変形トイだったと記憶しています。今見ると四輪車はITCメカ感醸してて買っとけばよかったなあ、そして当時この変形動画見て「クッソ難しそう……」って思ったけど今基準だと割とわかりやすい方かも。やっぱりローターブレードは取り外して底部に再取り付けなのね(´・ω・`)