変圧器たち

へんあつき-たち

トランスフォーマー ビーストウォーズⅡ D-17 オートスティンガー

所持しているトランスフォーマーの中で最も興味が薄いグループカテゴリーがオートローラーズなんだけれども、再販されることも新しい設計で登場することも恐らくないだろうと思うとまあ手放せんよね。全員ギミックの都合で脚部は全く可動しないので見た目がチープトイ風なのがオートローダーズの共通した特徴です。

トランスフォーマーには昔から自動変形、一発変形のラインがあって、G2やビーストウォーズでは低価格ラインのフリップチェンジャーがお馴染みですけれども、あれはバネの力で一発変形するのにフルポーザブルのコンセプトは守っていて当時は非常に画期的だったんですよ。ところがオートローラーズの面々は可動よりもギミック重視の設計になっており、ちょびっと先祖返り感がありましたねえ。

この一寸古臭い設計思想はトランスフォーマー G2 の辺りが丁度ギミック重視からアクションフィギュアの流れでフルポーザブル重視になりつつある転換時期だったってことも影響しているかもしれません(てきとう)。非変形のアクションマスターは大失敗してしまった(主観)ので、変形もしてフルポーザブルと言うTFの新しいスタンダードが確立してきた頃なんですけれども、そう考えるとオートローラーズは最後のギミック重視トイだったのかもしれないですね!(これは全然嘘でその後も低年齢ラインを中心に今日までギミック重視ラインは生き続けているのですよ……)

テックスペックカードでは可動しそうな脚部が描かれていまして、これだけ見るとフルポーザブルちゃうの?って勘違いしますよね。上半身はかなり玩具に忠実なデザインになっていますし。ディセプティコンらしさ満載の建機メカですが、インシグニアはプレダコンになります。

オルトモード:

オルトモードはダンプカーですね。 G2 で発売されたものはデバステイターカラーの緑色でしたが、ビーストウォーズⅡでは日本の建機でおなじみのイエローになっています。運転席が片側に依ってるのでコマツ930Eの様な超大型ダンプカーだと思われるんですが、その割ボンネット部分が長く古めかしい中型ダンプカーっぽさもあり、概念のダンプカーと言ったオルトモードになっています。

車両上部、ダンプカーの鳥居の上にミサイル 4 発を取り付け出来ますが、ロボットモードで発射装置に装備できるのは本までなので残り2本は予備弾のような扱いになります。ここへのミサイルの取り付けは小さいピン接続ですが、結構保持力あるので、ここに取り付けたままロボットモードにトランスフォームさせてもポロリはありません。

車両後尾にスライドスイッチが備わっており、これを切り替えることでコロ走行モードと自動変形モードにチェンジします。

フロントグリルには車両メーカー名の様に「TFORM」のロゴが入っていて「トランスフォーマー/リベンジ」のミックスマスターのオルトモードでフロントノーズ上のオーナメントでディセプティコンとネタばらししてた的な面白さを感じます。TF族の俺はTFだぞって自己主張の強さはこの頃からだったんですねー。

上でも書いたけどロングノーズなボンネットに対して非常に小さな運転席と言う比率がおかしい組み合わせなので21世紀のおじさんの眼で見ると結構違和感ありますね。

ダンプカーTFあるあるですが、荷台は上げ底されているため殆ど積載できなさそうです。

底面。まあまあシンプルでモールドも全体的にあっさり目なんですが、排気管のモールドはあるんですね……

と思ったらここはロボットモードの時に後ろにコケ無いように踵として機能するためにフィン状のパーツで出っ張りを作ってるので、その基部をマフラーの太鼓にしてデザイン上の違和感を薄めてるんですね。こういう設計上でデザインを工夫しているところ大好き(´^ω^`)

ロボットモード:

これよ、このチープ感よ。色と言いデザインと言い、フックトイの趣ですが、これが自動変形ギミックに全振りしたTFの姿なのよ。そう思うと「要らん」と「貴重」を行ったり来たりの結果「貴重」が買って手放せなくなっちゃうんですよね。もう場所もないというのに。

オルトモード状態でスイッチを自動変形モードに切り替えてから、前進させることで脚部が伸び、上半身が起き上がるという非常に凝った自動変形ギミックを内蔵しているので玩具としては高級な方だと思うんですが、その凄い設計にスタイリングが追っつかなかったため全体的にはフックトイ感出ちゃってるのでなかなか感想が難しい。

ロボットモードでも足底はタイヤが接地するデザイン。なので傾いちゃうんですよ。踵側に傾いてくれればほぼ垂直に立てるんですけどフロントヘビーなのでどうしても前側に傾くんですね。この仕様は変形時に後輪を(空転しないように)押し付けて前後に動かす必要があるのでタイヤ部分を接地させやすい設計になっている為だと思います。何処までもギミック重視な奴だ。

腕はまあまあの可動域があるので腕に表情をつけてみるとそれなりに見栄えはします。但しオートスティンガーは両腕とも異形ハンドであり、左手はペンチ、右手はミサイルランチャーになっています。これが兵器としてならまあアリかな?と思うんですが、なんせ超ロボット生命体なので、この人達日常生活ではどうやって過ごしてるのかしら?(アニメで何か描写があるのかもしれませんが未見なので)。それでもオートスティンガーはまだ片方が物を掴めそうなペンチなだけましな方で、オートローラーズ4名中では上から2番目に日常生活に出来そうな腕ではあります。

頭部ヘッドはバイザーマスク顔ですがちょっとザクっぽい口吻部と動力パイプっぽい造形。今回アップで撮影して初めて気づいたけど滅茶苦茶塗装はみ出してるやないの!

バイザーアイはちょっと単眼っぽくもアリ。集光ギミックで光りますがその際レンズっぽい光方するのでバイザー感は薄目。あとボディカラーが明るい黄色なので厚い胸板の照り返しなのか、集光で光ってるのかちょっと判りづらい感じです。

頭部に関してはせめて首が回ってくれればと思うんですが、少なくとも私の所有している個体は堅くて回りません。

アクションポーズと言う程のポーズは取れないんですよ。G1玩具と比べても、肘が曲がるようになった程度。なので G2 玩具というよりは G1 最後期のギミック満載玩具に近いテイストだと思います。遊ぶと楽しいのよなあ……自動変形の途中でちょっと引っかかったりしてるとこを手直ししつつ変形完了させたりしてると愛着は沸きますわな。