変圧器たち

へんあつき-たち

Transformers Generations Selects WFC-GS17 Shattered Glass Ratchet (2020)

本製品は Transformers Generations Selects WFC-GS17 Shattered Glass Ratchet and Optimus Prime (2 pack) の片割れです。

www.hasbropulse.com

このセット、勿論シャッタードグラスカラーオプティマスプライムも魅力だったんですが個人的にはこのゾンビカラー軍医の格好良さの方が上でした。SG オプは Classics 型の時の高くて/偽物が怖くて買えなかったリベンジ感情もあるので、だけでも買ってたとは思うんですが、これは見た瞬間にグッと来てしまったので国内販売の薄い望みに期待する事さえせずサクッと BBTS で即注文しちゃってました。

しかしそもそもこの型単体販売されていないの?この型のラチェットはこの SG 2Pack (ハスブロ圏のみ)とパラドロン メディックス 2 Pack (国内はモール限定)でしか出ていない?アイアンハイドに至ってはアイアンハイド&プロール 2 Pack (国内はモール限定)だけ?シージ型からのリデコ品だけどどっちも単品で通常販売して良さそうな気がしますけどねえ。

モール限定で発売された「パラドロン メディックス」の方が通常カラー版のラチェットでしたが、そのセット名からはパラドロンの医者って事になってしまうので厳密にはラチェットのそっくりさんである可能性がありますよね。トランスフォーマー 2010 15 話「戦いか死か!?」(The Transformers Season 3 EP 15 ”Fight or Flee”)にはラチェット登場してないですし(緑のアーシーことパラドロンの医療スタッフであるライフラインは劇中複数体登場していましたが)。

※オフィシャル web サイトで以下のようにアースモードラチェットって明言されているからそっくりさんである可能性の余地はないのでご安心ください。私の戯言です。ボックスセットのネーミングか組み合わせがちょっとどうかしているだけですね。

オートボットの医療従事者パラドロンメディックの2体セット。
アースモードビークルに変形するラチェットと オープンタイプのSFカーに変形するライフラインで構成されるスペシャリストチーム。

シージ版のラチェット/アイアンハイドのオルトモードはセイバートロニアンビークルだったので(しかも各々フロント周りがちょっとリデコされてて違うのよね)、今回アースモードビークルに見立てるために天才的リデコがなされており、そこが見どころの一つになっていると思います。

オルトモード:

SG ratchetは 2008 年の BotCon で発表された最初の Transformers Shattered Glass から登場していたようです。玩具化されていませんがこの時のオルトモードはクレーン車だったようです。今回のデザインは 2021 年に IDW から発行された "Transformers Shattered Glass" コミックで採用されているようです。

オリジナルの車両ですが角目四灯ヘッドライトなどはオリジナルの G1 玩具のモチーフである日産チェリーバネットによく似ています。フロントグリルが造形されちゃってるのでここら辺は ’85 年式の日産ホーミーコーチ辺りを参考にしたかもしれませんね。

フロントガラスの傾斜具合とか、ハイルーフな感じや半分が塗装もなくモールドのみですがサイドウィンドウの並びなどはかなりチェリーバネット感があります。タイヤ部はシージ版からそのまま流用されているので SF 感あふれるデザイン、またこれだけが残念なリア部分の剥き出し足首ですが、この二大欠点解消するアドオンは当時発売されていました。ただ、このシャッタードグラス版については一部ディスガイズしきれてない感じがそれっぽいと思ったのでこのままにしていました。

足底はモールドで頑張ってますけどつま先側は肉抜き感が強いですね。ここは残念感の方が強いんですが、リデコの都合でツライチになりきれていない肩部パーツの辺りは「頑張ってリデコした」感あって好きです。

天面に 5mm 穴あり、武器等をマウントできます。

マウントするとこんな感じですが、この手持ち武器はオルトモードではルーフの裏側に収納できるのでこうやって外側に取り付けて「余剰なしですヨ!」みたいな姑息な真似をする必要ないのが良いですね(足首丸出しが姑息じゃないのかって言われたらスマンですが)。

底面はシンプル。

リアエンドがまんまロボットモードの足首なのでオルトモードでそのまま自立させることが出来ます。多分棚に飾っとく時(飾っとく時?)これが最も場所を取らないモードだと思います。この状態じゃなかったら棚に置けないほどギッチギチなんだったらさっさと整理しろ!って話なんですが。

ルーフ部分を外すとこういう構造です。ルーフが無い状態でほぼシージの時のオルトモードですが、この基本設計をチェリーバネット風のワンボックスカーに仕立てるためにルーフ部分を新造するという作戦、 当時は剥き出しの足首とオルトモードの大きな部分が丸ごと余剰になってしまう事への不満もかなり大きかったように記憶しています。個人的にはG1 玩具オマージュ要素も盛り込んだ良いアイディアだと思うんですけどねえ。スーパーリンクの時のトゥラインは割と好評だったじゃないですか!(´;ω;`)ブワッ

このルーフ引っ繰り返して武器取り付けて G1 のバトルステーション風でござい、というのはインストラクションズにも明記された正規のモードです。

しかしまあ SS86 版のアイアンハイド/ラチェットはこのリターンマッチとして割と基本設計でブラッシュアップしているので結果これはこれで大型の盾をオルトモードに組み込んだ解釈として残すべき名設計だと思います。

SS86 アイアンハイド型のタカトミ側の設計は國弘高史さんと判明していますが、シージ、アースライズ型のタカトミ側設計者が不明なんですよね。誰だったのか気になります。

シージ版のラチェットには第三のモード「救護基地」(オフィシャル web サイトでの表記)モードがありました。変形パターンは一緒なのでアースライズ型でも同様のモードは可能ですがこれを医療ベッドに見立てるのはちょっと厳しいものがありますね。シージ版では武器を組み合わせてロボットアームに見立てた医療用マニピュレーターを下腕部の 5mm 穴に取り付けることでもうちょっとそれっぽく出来ていました。フロントウィンドウは閉じてるのが正解かな?

患者を載せるとそれなりにそれっぽく見える?シャッタードグラスのラチェットは、治療の際に勝手に「アップグレード」と称して改造手術をしてしまう悪癖があって(本人的には良かれと思ってやってるらしい)、本人は医療行為を行っているつもりなのにオプティマスらには拷問係、懲罰係として重宝されているという設定があるので、このモードは IDW バースの D.J.D. メンバーけいおん!……失礼しましたケイオンの電気椅子に次ぐ悍ましいオルトモードじゃないでしょうか1

Transformers Generations Selects WFC-GS17 Shattered Glass Ratchet and Optimus Prime ボックスセットの片割れとツーショットです。アースライズオプティマス型のオルトモードが Voyager にしてはやや小ぶりなのと、キャブオーバートレーラーなので車両後部が薄い為、全体のボリューム感出はあんまり差がない感じ。

正面から撮影するとオプティマスの方が少し大きいのでギリで威厳を保てた感じですね。

ブラッシュアップ版(といって良いと思います)の SS86 版アイアンハイドと比較。これのリデコでラチェットも出てますが、私はアイアンハイドとラチェットは買うにしてもどっちかしか買わないので SS86 版のラチェットは未所持なのです(これに関する愚痴はロボットモードの時にでも……)。

正面から見るとはっきりわかりますが、車格的にはアースライズ版の方が少しデカいです。フロント周りのデザインもより実車的リアリティがあるのはトイラインのコンセプトの違いなんでしょうけど、SS86 のコンセプトはちょっとズレてましたよね、この時は(私は変形トイとして買ってるので問題ないですが)。

ロボットモード:

先ずは移動砲台とリスペクトモード。G1 アイアンハイド/ラチェット(というかダイアクロンカーロボット ワンボックスチェリーバネット)の素晴らしいところはロボットモード時にヘッドライト周りが正面を向いているのでそこがしっかり顔に見えるとこなんですよね。しかしトランスフォーマーのアイアンハイド/ラチェットとしてはアニメの設定画の時点で胸部のフロントガラス部分の傾斜がチェリーバネットよりも立っているのでヘッドライトはやや下向きになる筈なので、アースライズ版のこの設計は正しいんですが、まあただの首なしラチェットにしか見えないよね!という話です。

比較的簡素なつくりなのがなんとなくわかっちゃいますがシージ版と比べて胸部が大きくリデコされている影響でシージ版よりもウエスト周りがシェイプしているように見えるデザインになっていて少しスタイルが良くなっている様な気がします。デカめの拳や足首も安定感あって映えますね。肩の赤十字は省略。まあ SS86 版みたいな訳判らん改変するくらいならいっそ無い方が格好いいよね。通常カラー版と塗装マスクが一緒だから多分無理だったんだろうけど、パープル十字はセーフという気もしますが。

しかしまあアレです。玩具とかミニカーとかまで赤十字禁止してしまうのは流石にやり過ぎじゃないですか?ジュネーブ条約がどうとか判るけどさあ。ラチェットで言ったら多分 2016 年のマスターピースの時点で駄目で、あの時は赤十字の真ん中にオートボットエンブレムを入れて「オートボットエンブレムの上下左右に四角い意匠があるデサインですが?」という頓智で逃げ切った感ありましたが、あれもちょっと違う感じするんだよねえ。同年の Qトランスフォーマー版ラチェットは赤十字のままじゃん!って一瞬思ったんだけど、肩部の切り欠きのお陰で「┫」「┣」になってて誤魔化せたっぽいですね。しかし 2022 年のスタジオシリーズの Core Class の奴と 2023 年の Voyager Class のアレは何なの?マスターピース的解決じゃ許してくれなかったってコト?もう肩に赤十字あるラチェット無理じゃん……と思ったら最近発売されてる玩具でも Blokees のラチェットは肩に赤十字印刷されてるな?てことはワールドワイドなハスブロ的制限ってコト?もう肩の赤十字印刷しなくていいからタカトミだけデカール付けてくれ……

色々くっるけて遊ぼうコンセプトのトイラインなので各所に 5mm 穴が設けられていますが、上手い事ディティールに落とし込めていると思います。胸部側面にスポット状の変色箇所があって少し萎えますねえ。

下腕の裏側と太腿裏側の肉抜きが目立ちますね(´・ω・`)

基本的にはギミックでもない限り肉抜き穴は埋めない方針になっちゃってるっぽいので気になるならサードパーティーフィラーアドオンとかを探すしかないんですが、アースライズアイアンハイド/ラチェット用にも多数のアフターパーツが出回ってました。

背中の部分の形状はかなりシージっぽいですね。二の腕と膝下の側以外の白成型色のパーツが少し黄変してきてます。気休めにクレポイメイト塗布してみたけど進行が止まってくれるといいな……

この頭部が格好良くて好きなんですが、もしかしてシージ版とかアースライズの通常カラー版持ってないので画像だけの印象なんですが、あっちの顔はなんだかヌルい印象で不細工感あるんですが SG 版は滅茶苦茶冷徹な悪い奴感があって格好いいって思っちゃったんだよねえ。しかしもしかしてシージ版と同じスカルプトか知らん?塗装だけでこれだけ印象違うの?赤目で濃いグレー顔がこんなに悪そうで格好良くなるって事なんだろうか?(シージ版と比較したら顎の形状がちょっと違ってるぽいから頭部もリデコされてるような気が……します……)。

可動性能的には標準的なんですが、体形的にちょっとポージングはセンスが問われる玩具かもしれません。要はわたくしのような下手糞だとダセえポーズしか作れないってこったね。

太腿が短いので立膝はかなり絶望的。

腰を落として、みたいなポーズは行けるかもしれないけどセンスが足りなかった。

腕組みは手首同士が重なる程度なので「っぽい」奴は出来るんですがスカスカが丸出しになるので向いていませんね。

尻に 3mm のフィギュアスタンド用ポートがあるので飛びポーズはイケるんですが例の射撃ポーズはやっぱり太腿が短くてあんまり決まりませんね。現場猫ポーズみたいになっちゃった。

精いっぱい頑張った格好いい飛びポーズ。これはちょっと自信作。

アースライズラチェットは盾が良いんですよ。こっち向きだと四連の大砲。ミサイルランチャー的な感じかしら?

こっち向きだと名称判りませんが首撥ねシールド的なこれは先端ちょっと開いて相手の頸を挟んでへし折る的な武器に見立てています。

こういう先端部が刃物みたいになった攻守に使えるアームシールド的な武器ありますよね!

これは肩部の方の 5mm 穴に取り付けて盾越しに銃撃みたいな感じ。

サイズ的には大盾なので地面にぶっ刺して重攻撃をかわすみたいなね。

個人的には背負わせても似合うと思います。

なかなかバランスとって立たせるのが難しい(両足でガッチリ設置させるのが吉)玩具なんですが盾も使って立たせてやれば片足立ちも割と安定してイケます。

セットの人と。ロボットモードのサイズ感的はちゃんと Voyager と Deluxe ですね。

SS86 アイアンハイドと比較。これアイアンハイドは Voyager なんだぜ。まあアースライズの仇を取るために大きさは一緒だけどコストをかけてブラッシュアップした奴だからサイズが一緒なのは仕方ない。しかしロボットモードのサイズ感的にも SG ratchetの方が少し大きく見えますね。

大傑作とは言いませんが、この冷酷非道っぽい見た目のラチェットは唯一無二なのでお勧めですよ。

イジェークト!

書くの忘れちゃってたけど、この型はどっちのモードに変形するときも一旦バンパー部分のロックを外して、運転席部分を 180° 回転させた後にもう一回ボンネットでロックするのが最高に素敵。この部分も SS86 アイアンハイドに継承されてるんですけど、あっちよりも意味があるのでこの部分は断然こっちの方が良いです。欠点としてはガワ類のロックが非常に小さいタブとスロットなのであんまりガッチリ固定されないとこかな。変形玩具としても意外に面白いのです。

tfwiki.net


  1. これはラチェットと全然関係ない余談も余談になるけど、D.J.D. メンバーの中でもオルトモードが電気椅子のケイオンはそのままの設定では絶対に公式から変形玩具化されないと思ってるんだけどさあ、近年 TF 玩具の可動性能の向上もあって家具需要ちょっと増えてるじゃないですか?テレトラン1に変形するメインフレームとか、非変形ですがクラファンデスザラスに付属した玉座とか2024年のTF博で先行販売されたスローンコレクション01とか(この型の椅子は SS86 版スタスクやらにも付属してたのでまあまあ人気のアイテムと思います)。てことはさあ、「電気」ってとこ隠して「椅子モードにトランスフォーム!」とか言えばケイオン出してもよくない?背もたれの上に Z ライトついてるのは会おういうアイディア商品だって事にしちゃってさ。