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トランスフォーマー マイクロン伝説 MD-03 アイアンハイド (2002)

超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説」の放送開始は 2003/1/10 からですが、TFWIKI によると本玩具の発売日は 2002/12/28 だそうなのでそれに準じます。

アイアンハイド名ですが、 G1 アイアンハイドとは全くの別人です。本作から始まるマイクロン三部作(ハスブロ圏では Unicron Trilogy )は過去作品と一切の繋がりを持たない完全に新しいバースのトランスフォーマー1という事なので同名でも別人という事なんですが、ハスブロ圏の Transformers: Armada では Demolishor という名前なのでタカラがちょっと日和って G1 キャラの名前を与えてしまったのかもしれません。

ところでArmada には玩具のみですが Ironhide という同名のミニコン(女性らしい)が居るためアイアンハイド / Ironhide 名が重複するというややこしい事になっています。更に続編の Transformers: Energon では前述のミニコンとは別の Ironhide が登場するので、もう何が何やら。このキャラクターは日本版のトランスフォーマー スーパーリンクではロードバスターと名乗って当代のアイアンハイドと差別化されていますがこの辺の TF は英名と和名が異なっているキャラが多くて大変混乱します。

アイアンハイドという名前はこの数年後のトランスフォーマー アニメイテッドでも英名 Bulkhead / 和名アイアンハイドを名乗ってしまい、番組中盤に見た目もまんまの英名 Ironhide が登場してしまったため、そっちは和名をアーマーハイドに変更して凌いだという逸話があります。タカラの中にアイアンハイド推しが居るんですかねえ。余談ですが Armorhide / アーマーハイドはマイクロン伝説のミニコンにも居るのでこっちも非常に面倒臭いですね。

本玩具とは関係ないですがハスブロ圏では Transuformers: Cybertron のトイラインとしてもこれのリカラー版が発売されていましたが、本体リデコした形跡がない(マイクロンジョイントもそのまま)のに、プラネットキーが付属しており、どうやってキーギミックに対応させてんだろ?と思ったらどうやらキー側にマイクロンジョイントがある、という非常に力技の解決をしていたようです。Cybertron 玩具のパッケージは格好いいのでちょっと欲しいんですよね。

オルトモード:

オルトモードのモチーフは TFWIKI によると ADATS(対空/対戦車ミサイルシステム)とのこと。パッケージ裏には「対空攻撃はお手の物!支援型デストロン兵士!」と記載されているのでそれを意図したオルトモードとみて間違いないと思います。パケージの表面には「二連ミサイル発射!!最前線を突破せよ!!」とかなり無茶な指令が書かれていますね……支援型って言ってんじゃんよ(´・ω・`)

オルトモードでは左右 2 基、計 4 基の対空 / 対戦車ミサイルと左右 5 門ずつ、合計 10 門の機関砲を備えています。

台車に対して上物が非常にデカく人が搭乗する乗り物というよりは自走式のロボット戦車(スカイネット製の T-100 のような)趣がありますね。あーでも砲塔上面にハッチのようなディティールがあるので一応は搭乗型兵器かも知れないです。

ミサイルポッド基部はロボットモードの肩関節を兼ねているので上下方向への可動軸を備えているんですがクローラーフェンダー部分に干渉してしまうので 45° の仰角しか取れないのが玉に傷。

尚、左側のみ、エボリューションを発動させるとスプリングでミサイルを発射するギミックがあります。右側のミサイルランチャーは発射機構の無いダミーになっています。

マイクロン サーチ オルトモード:

設定はよく判らないですが、アイアンハイドの相棒格のマイクロン サーチです。変形は前屈して脚を畳んでるだけの超簡単ですが、ちゃんとそれっぽい乗り物になっているのが素晴らしいですね。

英名は Mini-Con Blackout 。この名前はベイバース映画で一気に有名になりましたがヘリコプターにトランスフォームする大型 TF とは何の繋がりもありません。G1 や G2 にもブラックアウト名義の TF が存在しましたがそれら含めて全員航空戦力にトランスフォームする人ばっかりで地上戦力にトランスフォームするのは当代のみ。

オルトモードは何ですかね、自走対空砲とかでしょうか?四輪に見えますが、フェンダーの造形からすると中央のタイヤはコロ走行が省略されているとみるのが正解で六輪車だと思われます。もしかしたら元は足回りがクローラーのデザインだったのかも。

小さいので目立ちませんが車両後部には頭部が丸ごと残っています。この頭部はアイアンハイドとの(エボリューションジョイントを用いない)合体ギミックの為のコネクタを兼ねています。

このモードでは砲身を上下に可動出来ます。この形状なら対空戦力的な何か、に見えますね。コクピットと思しき部位にはちゃんとフロントウィンドウの造形があり、側面にはドアのモールドもありますね。

マイクロン サーチ レーダーモード:

和名サーチの由来にもなっていると思いますが、レーダーを展開可能です。取説ではこれに「レーダーモード」というモード名が記載されています。サーチも前後方向に圧縮された形状で可愛いんですが、フロントウィンドウ部が目に見えてしまって、そうするとちょっと原作版クレヨンしんちゃんの顔みたいに見えちゃうのよねえ。微妙なバカ殿感もあり。

マイクロン サーチ 攻撃モード:

肩を 90° 移動させて天面部に砲塔を装備したモード。

砲身の可動軸が 90° 移動しているので上下動ではなく左右動に変わっているので対地攻撃用なんでしょうか。このモードでは上部に移動した砲塔と干渉してしまう為レーダーを展開しておく必要があります。

オルトモード エボリューションギミック:

これはサーチの射出ギミック。相棒マイクロンだけが出来る専用のエボリューションなのでエボリューションジョイントを使わない合体です。車両台車部分前面にある四角いスロットにサーチの頭部を押し込みます。カラーリングも統一されているので親子マシンみたいで可愛いですね。

射出はこの砲塔後ろに位置するボタンを押します。

こっちがエボリューションジョイント使った方のエボリューションギミック。左肩部分のエボリューションジョイントにマイクロンを接続して押し込むとミサイルランチャー基部がポップアップして発射準備態勢に入り、そのままマイクロンを後ろに引くとミサイル発射します。

砲台モード:

珍妙な形態ですが、これはマイクロンで基地遊びするためのモードだと思います。固定式の高射砲のような形態。

背部に座席がありいい感じのマイクロンを着座させることが出来ます。変形は台車部分のみですが座席(背もたれ)が展開されるのがキモですね。

サーチは当然ジャストフィット。着座させるとこんな感じです。

サーチとアイアンハイド(砲台モード)のサイズ比はこんな感じ。

マイクロン サーチ ロボットモード:

ロボットモードへの変形は畳んでいる足を延ばすだけ。ロボットモードで使える関節は肩の前後可動と、股間部の前方向への可動位。膝は順方向へはほんの少しだけ曲げられます。ビークルの攻撃モード時の変形関節を使って肩を少し「開く」ことは出来ますが肘可動が無いのでポージング性能は低いですが、もともとマイクロンは G1 玩具に近い「変形してたのしいやつ」がコンセプトの気がするのでこれはこれで良いと思います。

頭部はドローン然として無表情ロボ感。バイザーの左側にセンサーアレイのようなディティールがあるのがチャームポイントです。

可動は頑張ってもこんなもんですね。

アイアンハイド(オルトモード)との対比はこれ位。

サーチ ロボットモード(レーダーモード):

取説では別モードとして掲載されているので一応。ロボットモードでもレーダーモードという形態があり、これは単に背部畳まれたレーダーを展開するだけです。

ロボットモード:

スタイルは程よい異形感、ビークル要素の残存感、ガワの少なさでマイクロン伝説玩具の中でもスタイルが良い方だと思います。ただし可動に関しては頭部回転無し、肩部軸による前後方向のみ、肘は二重関節化されていますが 90° まで、手首は特殊形状(この形状は好き)でロール軸無し、腰部は変形関節を使って左右スイング可能、股間は軸による前後のみですが変形関節の恩恵である程度の開脚が可能、膝も軸関節で 70° 度程度曲げられます。足首は変形関節がありますが可動にはほぼ使えないという状況。フルポーザブル玩具としてはかなり物足りない仕様ですが、マイクロン伝説玩具はギミック重視とある程度のプロポーション重視( G1 期の玩具のように両足が繋がっているなどはほぼない、という程度の意味です)なのでこれは妥当。兎に角マイクロンとの連動遊びに特化しているので、そういう意味でも心機一転原点回帰なコンセプトだったんだろうなと思います。

この食いしばり顔! G1 サイドスワイプのようなアメコミ感あふれる表情の彫刻が非常に良いですね。ライトパイピングは備わっておらず、オプティックは塗装表現となっています。塗りも細かい。可動部少ないけど今となっては非常にリッチなつくりだなあって思いますね。右目がスカウターのような照準器的デザインになっています。

可動は非常に厳しい感じ。ただし爪先より踵の方がデカいデザインなので自立安定性はまあまあ高い方だと思います。あとは胸部のロール軸が非常に細いのがド正面から見るとバレちゃうのがちょっとみっともない。

しかし立膝はどうにか出来る!

ディスプレイスタンドはアームで背中の張り出し部を支える感じで利用できますが頑張れば私でもこれくらいの躍動感は出せました。

なんと言っても 20 年以上前の玩具なので今風の可動表現は当時頑張ってたとしても無理だと思うのでマイクロン伝説のギミック重視玩具はそれはそれで非常に素晴らしいものなんですが、今風可動も欲しいよね!と思っていたところに現在非正規の Mechanical Skull Studio からフルポーザブルな Armada Demolishor ぽい人が予約受付中になってますね。サイズ 12cm (多分頭頂高)なので小さめ、その分お安めなようですがこれは期待であります。

showzstore.com

閑話休題。ロボットモードでのマイクロン遊びは、取説によると前腕部のマイクロンジョイントに取り付けろという指示になっています。

でもまあ当然エボリューションギミックもイケるわけですよ。

ミサイル全弾発射した後はこうなります。ミサイルなくてもかなり格好いいのでやっぱりフルポーザブルが欲しくなりますねえ。前述の Mechanical Skull Studio はムーンベースさんで取り扱いの実績があるので予約告知来たら検討しようと思ってるんだけど今回も来てくれるかな?

ロボットモードでも背部の椅子は展開可能なのでマイクロン サーチを着座させることが出来ます。

ジム・マジンガ!(バイオレンスジャック

全然別人と言いながら最近の玩具とのサイズ比較には SS86 アイアンハイドを引っ張り出してきてしまうというね。サイズクラスは Super-Con Class という名称でしたがこれはほぼほぼ Deluxe Class 相当。マイクロンが付属している分価格帯としては変わってるかもしれませんが。これが当時は定価 1980 円だったんですから物価高恐ろしいですね。

ED209(ロボコップ)の真似!

tfwiki.net

www.tfu.info

www.transformerland.com


  1. カーロボットもブランニュートランスフォーマーじゃねーのー?と思ったんですがあっちは G1 世界と地続きの未来のトランスフォーマーが過去にタイムトラベルしてきた、みたいな設定らしいですよ!へー。なのでカーロボットは G1 と同じ時空ですが、マイクロン三部作は完全別時空のお話だそうです。今風に言うと別時間軸。