先日 He’s Going Undercover って滅茶苦茶格好いい Animated Longarm / Shockwave のポスターが私の Twitter (旧称)のタイムラインに流れてきたんだけど、はて?ロングアームとショックウェーブはかなりの身長差あるのにどうしてこんなにピッタリ揃ってるんだろう?って疑問に思ったので久々に玩具引っ張り出してきてちょっと検証してみたのでついでにレビューでもと思いましてね。
Who will shockwave be tonight thats the question
— IBI (@primusibi) 2024年9月1日
-#transformers #myart #original #transformersart #transformersanimated #shockwave #transformersartist #poster #despicableme4 #transformersone pic.twitter.com/oFO0MKc80T
これがそのポスター。もっとも視線の集まる頭頂部と胸部下線を揃えてて股間部はかなりずれているんだけど背景と紛れて目立たなくしてたり、首の長さが違う各モードを揃えるのに胸の高さを変えていたりと技巧を凝らした素晴らしいイラストでした。足しの設置位置もずれてるはずなんだけどそこはロゴで上手く隠れてて凄いなあと思ったら、そこは意図してなかったって返信いただいて、そこはちょっと意外でした。計算かと思ってたので。
さて、玩具版のアニメイテッドショックウェーブも技巧の粋を詰め込んだ凄い奴なので久々に堪能しよ……と思ったらグレー成型色のプラがかなり黄変していて大ショック(ウェーブ)ですわ。
オルトモード(ショックウェーブ)
大変お馴染みですがこのアニメイテッドショックウェーブはロボットモード x 2,オルトモード x 2 の姿を持つクアドラプルチェンジャーであります。ショックウェーブのオルトモードはセイバートロニアンタンク。砲身部はロボットモードの武器が 5mm 軸で取り付けられている為旋回可能です。
真横から見るとこんな感じ。車体は非常に薄く主砲も実体弾ではなく恐らくエネルギー弾を発射する感じなんじゃないでしょうか。
戦車っぽいオルトモードを持つショックウェーブといえばこれより以前にトランスフォーマースーパーリンクのレーザーウェーブ(Transformers: Energon Shockblast 2004)が居ましたが、あっちはどっちかというと衛星モードがメインだったんじゃないかと思います。4 脚戦車っぽいものをオルトモードとするショックウェーブとしてはアニメイテッドが始祖なんじゃないかしら?
尚、オルトモードの底側はロボットモード(ロングアーム)の顔が剥き出しでかなりロボットモードのまんまなので見ちゃだめです。
砲身は仰角も付けられます。デザイン的には無人機なのかな?という気もしますが主砲のすぐ下の(ロボットモードの頭部を隠す)カバーパーツのブルーメタリック塗装がコックピットの窓を表現している可能性もあり、有人機にディスガイズしている可能性もあります。
オルトモード(ロングアーム)
ロングアームのオルトモードはセイバートロニアン四脚クローラークレーン……だと思います。インストラクションではショックウェーブのオルトモードから4つのクローラーを斜めに起こして、砲身を(一旦取り外してから)折りたたんだだけなんですが、車高がダイナミックに変化するので結構別物感はあります。
後方から見るとショックウェーブのセイバートロニアン戦車とは結構な別物感があります。
クレーンアームはモールド的にもう一段伸びそうな気もするんですが、これが精いっぱいです。ショックウェーブのオルトモードとは差別化出来てるんですが、これはこれでなんというか、「四肢切断された人が四つん這いになっている」ように見えてしまって滅茶苦茶猟奇なイメージあるんですよね。戦車モードだとそれほど気にならなかった前方のコクピットっぽいパーツがまんま頭部に見えちゃうからという気がします。
なので我が家では台座部分の前後を逆にしてこの形状をロングアームのオルトモードという事にしています。
クレーン部分は砲身を折りたたむ事によってディセプティコンインシグニアを下面に隠すことでオートボットに擬態している感を醸すというなかなかエグイ演出。
ロングアーム ロボットモード:
劇中ではバンブルビー、ワスプ、アイアンハイド(日本版ではアーマーハイドにされてしまった方)らとともに一緒にオートボット軍の入隊時訓練を受けてましたが、このロングアームはショックウェーブが過去の無名のオートボットのアイデンティティを剽窃して作り上げたどこにも存在しないオートボットでした。
ほっかむりしてるような独特の頭部デザインが特徴的。このモードでは脚部の可動にかなり制限があり、股間部は左右の開脚しかできないため棒立ち以外のポージングが難しいという欠点があるんですが、比較的太目な劇中イメージを良い感じで再現できている上に擬態モードの癖して破綻ないスタイルで凄い出来栄えです。
インストラクションによればクレーンは背部に取り付けておくようですが外した状態の後姿はこんな感じ。膝下はショックウェーブの脛側が 180° 反転しています。
クレーンを取り付けた背面はこんな感じ。
何より凄んごいのはこの頭部変形ギミック。額の赤いパーツは劇中同様ショックウェーブの単眼ですが、本来集光ギミックありの単眼がロングアームモードでは集光しないように後頭部が塞がれるという芸コマさなのですよ。なお、フェイスはショックウェーブ以上に劇中のロングアームに似ています。
腕はまあまあ動くんですが、首が回らない、脚部は股間部で前後稼働しないのでこんなくらいですかね……
めいっぱい頑張ったアクションポーズでこれが限界でしょうか。
尚劇中ではロングアームの特殊能力として名前の通りロボットモードで腕がにょろりと伸びる描写がありましたが、ショックウェーブへの変形ギミックを使って少しだけ再現が可能です。
手首は軟質パーツによる平手(これはショックウェーブモードじへ変形する際の制限ですが)なのでクレーンを把持出来ないんですが、下腕側面の 5mm 穴に取り付ける事が出来ます。
ちゃーらーらーらー(場面転換SE)
ショックウェーブ ロボットモード:
胸部、というか胴体はロングアームとほぼそのままですが頭部を引っ張ると首が伸びてロングアームの顔が隠れ額の宝珠みたいだったのがショックウェーブの単眼だったことが判明する超ギミック、そしてインシグニアが回転してチェンジ、肩の一部が反転してモールドが出現、肩基部が変形していかり肩を再現、肘部分が伸長し日本の爪と組み合わさってロングアームの掌だったパーツを対向する爪に見立てるアイディア!胴体が伸びて脇腹だったパーツが太ももの内部フレームとなり、ロングアームの太腿だったカバーがクランクで移動して脚部が伸びたように見えるギミック、そして膝下が 180° 回転して前後逆になってショックウェーブが本性を現します。アニメイテッド玩具は傑作ぞろいですが、このショックウェーブは本当に素晴らしい。設計は蓮井章吾氏だそうです#Animated)。
劇中と比較するといろいろバランスが違いますし、頭部も実はそんなに似てないんですが、アニメイテッドのトゥーンデザインで四段変形盛り込んで雰囲気は寄せてここまでの傑作玩具に仕上げるのは本当に凄い。アニメイテッド玩具はそんなのばっかりだけどな!
このグレーのボディーカラーはロングアーム擬態時のもので、ショックウェーブとしてはもっと濃いパープルのボディカラーとして劇中でも描かれていたため、ハスブロからは翌 2009 年に Shockwave VS Bumblebee の 2 pack としてパープルカラーのショックウェーブが発売されていました。
Gift Sets Shockwave vs Bumblebee (Transformers, Animated, Autobot vs Decepticon) | Transformerland.com - Collector's Guide Toy Info
同様のディセプティコンカラーのショックウェーブはタカラトミーからも「トランスフォーマー アニメイテッド TA45 ショックウェーブ オリジナルVer.」として(ハスブロ版とは若干仕様が異なっていますが)発売されていたようです。
胴体が伸びてロングアームで脇腹を構成していた太もものインナーフレームが稼働するようになったので下半身も標準的な可動範囲を確保したため、比較的よく動くんですが御覧の通り足首設置性が非常に悪い為ポージングは難しいですね。
とはいえ立膝は可能。首も若干の上下動をするので表情付けも出来て結構様になります。
流石にフェイスは無貌の漆黒に赤い単眼が浮かんだような、は再現できず黒檀で出来たのような顔にも見えるディティールが見て取れてしまいますが玩具としてはこの解釈で大正解だと思います。のっぺりした無貌よりも劇中でロングアーム体からショックウェーブに変貌した驚きを玩具で再現することの意味ですよ。
左右の首振りも出来ますが、関節位置がやや特殊なので首を傾げたようになってしまう為使いどころが難しい気がします。
そしてロングアーム体ではロックされていた集光ギミックがアンロックされます! この後頭部のクリアレッドの部分がロングアームのロボットモードでは後頭部側になるパーツのタブでカバーされるんですね。
集光オプティックは非常によく光ります。
インストラクションのショックウェーブロボットモードのイラストがロングアームから首も伸ばしてなく、顔もロングアームのままのように見えるイラストが採用されていてミストランスフォームしてるっぽいんですよねえ。ロングアームの状態から頭部を前方に傾ける矢印はあるんですが多分この説明だけではショックウェーブの頭部には変形できないと思いますし。
尚インストラクションではロングアーム体を "infiltration mode" (潜入モード)、ショックウェーブ体を ”Spy mode” と表記されていました。スパイモード?
武器は背中にマウントさせておくことも出来ますが、手首に 5mm ジョイントで取り付け可能です。その場合(実際には爪の構造上把持出来ませんが)、銃を把持しているように見えます。
数ある TF 玩具の中でもこの頭部変形ギミックは最高峰の面白さだと思います。
2024/9/8 追記:
この記事に対してコメントくれた人がいるんですけど、
アニメテッド・ショックウェーブは傑作ですよね ところで胸下の前屈ギミックが紹介されてないですよ 前屈によってショックウェーブの不気味さが増すので重要です
とか言ってんですよね。そんなの知らんですけど??
インストラクションにもねーですし、そもそも「胸下の前屈ギミック」そうなとこなんで何処にも無いzy……


(இдஇ; )うわぁぁぁぁぁ!折れた!!(上画像左が通常状態、右が「折れた」状態)……なるほどですね、若干傴僂になってクリーピーさが増すって仕掛けですか。これは気付かなかった。


腰部を少し後ろに反らして胸部だけ起こしてるみたいなポーズでも使えそうですね。こんな凄いギミック見逃してて蓮井さんごめんなさい。
早速正しい変形のショックウェーブでポーズ付けてみましたが、確かに微妙に「背が高い人にありがちな姿勢の悪さ」感増してますね(´^ω^`)微妙ですけど。まさか 16 年間もミストランスフォームドに気付いてなかったとは……いやしかしこれタカラトミー版のTA-16 ディセプティコンショックウェーブでは取扱説明書にこの工程明記されてたんですかね? TF 玩具は取説にない仕様がちょいちょいありますけど、流石にここはなかなか気づけないんじゃないかと。それだけに教えてくれた人には大感謝ですよ!
ついでに今玩具とのサイズ比較。レガシーユナイテッド版の TL-65 バンブルビー(デラックスクラス:アニメイテッドユニバースのすがた)と並べてしましましたが、彼は最近の Basic Class の中でも際立って小さいの 2008 年の Voyager Class 玩具と比べたら、ただでさえ現行の Voyager Class よりデカいのが更にデカく見えてしまいますね。アニメイテッドショックウェーブは同 Class のアニメイテッドブリッツウィングと比べても頭一つ分くらいデカいのでロングアームとの差別化による伸長ギミックが効いてるって事ですね。