トランスフォーマー キャラクシーフォースに登場したノイズメイズです。
Unicron Trilogy とマイクロン三部作は海外版と日本版で設定やニュアンスが若干変わってるという話を聞いたことがありますが、英名はどっちも Sideways で同一人物設定、和名はマイ伝がダブルフェイス、ギャラフォがノイズメイズと異なっているので別キャラ扱いかも知れません。
当時も(そして今日に至るまでも)ギャラクシーフォースを視聴していないのでこの人がどのようなキャラなのかはよく存じておりませんが、サイバトロン、デストロン間を行ったり来たりする二重スパイとして活躍していましたがその正体はユニクロンの眷属だったと記憶しています。ギャラフォサウンドウェーブとデザインの系統が似てるなと当時から思ってたんですが GF サウンドウェーブもユニクロンの眷属らしいので似てて当然だったんですねえ。
さて本玩具はぱっと見 2025年に発売された AOTP Sideways と非常に良く似ているのですが、今では考えられないコストのかけ方をしており、こっちはこっちで神懸った魅力があります。だから TF 玩具は溜まる一方で捨てらんないんですよね。
オルトモード:
向かって左が GX-01 ノイズメイズ、右が AOTP Sideways 。オルトモードはノイズメイズの方が若干大きいですが、形状はかなり似ています。20年前はメッキ、クリアパーツ、コロ走行、ギミックなどにコスト掛けることが出来てたんですよねえ。
また、機首形状がシャープなのが 当時品の特徴ですね。何よりロボットモードで武器(ウイングハルバード)として取り外す主翼までもが変形用のアームによる位置移動で取り外さずに完全変形してしまう変態設計!誰この凄い設定?と思ったら江島多規男さんでした。神~。なお、盾(ブラインドアロー1)は取り外しさえできない設計です。
20年前にどれくらいコスト掛けられていたかっていうとですね、機首のクリアパーツが不透明黒のプラの内側にクリアオレンジのパーツを重ねて固定することが出来る程なんですよ。機種の表面はシルバーとゴールドで全塗装されるので、今クリアパーツ使おうってなったらこんな二重化ではなく、クリアパーツに塗装で済ましちゃうと思うんですが、当時はこんな手間をかけることが出来たんですねえ(これで希望小売価格 2,100 円)
オルトモードはセイバートロニアンスペースシップ。イメージとしては X-48) のようなリフティングボディ(ブレンデッドウィングボディ)航空機じゃないかなと思います。
主翼は前述のようにアームで接続されているんですがボディ側の「∩」型スロットに主翼側の 5mm ピンを差し込んで位置決めしています。その為摩擦による保持は殆どないので少し隙間が空きがちです。
裏面。ロボットモードの下腹部にあたるパーツは左右に分割して「開き」にすることで高さを抑えています。また底面3か所にコロが備わっており、コロ走行が出来ます。
前進翼はロマン。クリアパーツのきらめきとか多めの塗装個所とかで滅茶苦茶リッチな印象ですね。
古い玩具なのでフィギュアスタンド用のスロットなどは設けられていない為、アーム的なパーツで胴体裏側を挟んで固定しなければなりません。なかなかいい場所がなくて結構後ろ側のロボットモードの手首辺りを挟むんですがバランスが悪いので結構不安定ですね。これで長時間飾るのは怖い感じがします。
左腕の盾はオレンジ色のアームで接続されており、取り外し不可です。という事はこの機体上面中央に位置しているパーツが移動してロボットモードでは左腕に移動するという事です。
オルトモードでのフォースチップギミックとしてこの部分を少し浮かせてからイグニッション!(仮想 cv. 水樹奈々さん)するとオルトモードでもデストロンのインシグニアに切り替わり、ブラインドアローが発動可能です。
ロボットモード:
ガウォークは結構得意ですが、主翼は脚部側面に移動します。
セミ怪人!フォースチップスロット付近がちょっとセミっぽくないですか?
AOTP 版(左)と比較するとロボットモードでは頭一つ分背が低いですね。こちらはフェイスや機首、そしてブラインドアロー展開部にクリアパーツが使われており非常にリッチです。
可動箇所については 20 年前の玩具という事もあり、首の上下動やウエスト部のロール、足首の左右スイングが実装されていませんが、逆に言うとそれ以外はあんまり変わらないんですよねえ。マイクロン三部作はマイクロン伝説玩具がギミック重視で可動やロボットモードのスタイルについてはあまり考慮されていなかったところから始まり、スーパーリンクではロボットモードのスタイルこそギミックの犠牲になったところがありますがフルポーザブルが復活し、ギャラクシーフォースでロボットモードのスタイルと可動が(今の目で見ても)遜色ないくらいに大進化したという認識がありますが、プラネット X 出身勢はその中でも特にロボットモードのスタイルが極まった感があります。
右腕固定武器であるところのブラインドアローはギャラクシーフォース玩具の共通ギミックであるところのフォースチップによるイグニッションギミックで、今やほとんど期待できないスプリングによって勢いよく展開されます。尚、この武器は腕から取り外すことは出来ず、変形時もオルトモードの機体上部からぐるりと回ってロボットモードの右腕に収まる構造になっています。
左側面。脚部の主翼の後ろ側に見えているオレンジ色の丸いパーツは主翼をつけ外しせずに主翼を脚部側面に移動させるためのアームの一部です。この主翼は AOTP 版玩具同様取り外して武器ウイングハルバードとして手持ちさせることが出来るので、軸を三カ所も打ったヒンジを使わなくても変形自体は成立させることが出来たのですが、パーツフォーマーを許さない江島さんの拘りよね。
背面は肉抜きを隠すように「蓋」がされています。旧玩具触っていると当時もの凄くコスト掛けられたんだなってのを痛感するわけですが、ギャラクシーフォース玩具位からはぼちぼち最近の TF 玩具と比較してもプロポーションに遜色なしの玩具が登場している為、一層その差に愕然としたりするんですよねえ。
非常に特徴的なフルフェイスシールド顔。TF だと割と希少ですが、プライム サウンドウェーブのように何考えてるか判らんキャラって事なんでしょうか? フルフェイス部分はクリアパーツで表現されており、また顎がシルバーで塗装されている為、 AOTP Sideways よりも悪魔的な雰囲気が強調されている気がします。当時玩具、クリアパーツだけじゃなくて肩のオレンジや機種部のゴールドなど塗装個所も多くなんというか「金のかけ方が違う」って感じしますね。
江島さん設計でフェイス部クリアパーツならそりゃライトパイピング(集光ギミック)ありますよ!ゴーグルアイよりも広い開口部なので非常に良く光ります。またクリアパーツの硬化時のプラの流動の都合で付いたんだと思いますがマスク内部に濃淡が生じていてこれがなんというかヤプールのうねうねというか、マスクの奥で何かが蠢いているかのような雰囲気を醸していて非常に格好いいんですよね。
足首の内側スイングやウエスト回転の可動軸がありませんが、それ以外は概ね 2025 年のフォーマットにも引けを取らない可動範囲を誇っていると思います。また股関節がボールジョイントになっているのもこの当時の玩具の特徴ですね(最近は軸関節になっているのが多い気がします)。私のノイズメイズが購入当初からこのボールジョイントが緩めだったのでパーマネントマットバーニッシュで補強しています。
脚部の柔軟さは変形パターンの恩恵もあってかなり高いですね。ただしウエスト回転が無いのでスーパーヒーローランディングは拳を接地させてしまうと結構無茶なスタイルになってしまいます。このくらいが関の山かな。
普通に立膝させるだけならかなり自然に、上体が斜めにならずポージングが出来ます。
バーニッシュで股間部ボールジョイントを強化したので大開脚も可能ですが、足首の内側ロールが無いので辺で接地する感じになります。
背面のウイング状のパーツ、AOTP 版では起こして飛行ユニットっぽく見立てることが出来るのでこっちでも試してみましたが、まあまあそれっぽくは見えますね。ただしこちらはクリックが入っていて、この状態か完全に畳むかの二択になるため、AOTP 版のようにいい塩梅の角度で保持することが出来ません。またここの可動のサイには首基部のオレンジ色のパーツに干渉する為、ロボットモードのまま何度もここを稼働させるとうっかり破損を招きかねないので取扱いに注意が必要かと思います。
AOTP 版と異なり右腕の武器は取り外し不可、また脚部の主翼を取り外しても変形時の主翼移動用のアームが存在する為印象がそんなに変わりませんね。
フォースチップによる武器開放ギミック!これは最早再現不可能な当時玩具の大きな魅力でしょう。
フォースチップを右腕固定武器上部の専用スロットに差し込んでイグニッション!(仮想 cv. 水樹奈々さん)することでインシグニアがサイバトロン→デストロンに変化し、畳まれたブラインドアローが展開します。なのでブラインドアローはノイズメイズデストロンモードの専用武器という事になりますね。
AOTP 版のフォースチップと比べるとサイズ感はこんな感じ。海外では「サイバーキー」と呼ばれていたもので形状も鍵(Key)を模した形状になっており、キーヘッドにあたる部分は概ね本物の鍵のキーヘッドと同じくらいの大きさになっていました。まあ軸の部分は非常に短いんですけど。
展開されたブラインドアローはオレンジのクリアパーツで非常に SF 感があります。フォースチップがデカいので武器自体にかなり迫力があります。AOTP 版と異なりここは取り外し不可。
両足の主翼は変形時には取り付けたまま、アーム移動で変形可能ですが取り外し可能であり、手首の 5mm スロットに取り付けることでウイングハルバードという手持ち武器にすることが出来ます。
実際の取り付け向き的には裏表逆だと思いますが、この画像では見栄え優先でメッキ面がこちらを向くよう通常とは逆に取り付けています。
ハルバードってこういう武器でしたっけ?違うよね?斧付きの槍的な武器だよね?これは形状的にはクリンゴンのバトラフみたいな双剣的な奴に見えます。TF は DOTM センチネルプライムも似たようなフリップの両サイドに刃の付いた武器使ってたりしてこういうの多い気はします(でも他は思い出せない)。
20 年前の製品なのでアクションフィギュアスタンド用のスロット的なものは当然ありません。腰部辺りをアームで挟む的な固定方法に頼るしかないですが、バランスとるのがちょっと難しいですね。
最近の Deluxe Class との比較。AOTP 版よりも現行の Deluxe Class に近いサイズになっちゃってますね。見た目的にも 13 Primes に居ても違和感無さそうな気がするし、クリアパーツのリッチさでソラスよりちょっと神々しく見えちゃってんの駄目でしょ(´^ω^`)
当時基準としては非常に優秀な可動、オルトモードのシャープなイメージ(特に機首がね)、塗装の豪華さ、ギミックの楽しさ、そして何より差し替えなしの完全変形という現行 TF と比べても遜色ない素晴らしさ。同じなのにみんな違ってみんな凄いという捨てられない人あるあるですわ(´^ω^`)
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あっ!最近私のタイムラインで話題になってた「実際には弓(ボウ)なのにアロー(矢)ってネーミングにしがち」の奴だ!(´^ω^`)
↩俺「(特撮作品ってよく弓のことアローって言うよな)弓のことよくアローって言うけど本当はボウなんだよね」
— 速水アクセル (@hayami_accel) 2025年7月24日
特撮作品見ない人「そもそも弓のことアローなんて言わないが……?」
俺「ア……ワァ……」