そもそも消防車にディスガイズする正義のオートボットなのに「地獄」だよ?「 inferno」には大火/業火/猛火/烈火の意味もあるから「火」に関連するネーミングって事なんだろうけど個人的には「hell」よりも「inferno」の方が断然凄惨な地獄感あります。このネーミングは何より映画「タワーリングインフェルノ」のイメージからだと思うんですがあれもはしご車が届かない高層階まで延焼しちゃって云々ってお話なのではしご車ロボは寧ろ負け戦なイメージついちゃいますよね?ビーストインフェルノの方が地獄の兵隊的なイメージでこのネーミングに相応しい気がします。
さてそんなサイバトロンインフェルノですが、私が所持している消防車のインフェルノ玩具はこれのみ。当時海外版(※Universe (2008)版)を見て滅茶苦茶ほれ込んで、変形!ヘンケイ!版が発表された時に喜び勇んだ覚えがあるんですけど、冷静に考えてみたらどうしてそんなに欲しがってたんやろ?購入後も大変感動してもんの凄く気に入った覚えしかない。でも変形自体は凡庸、ロボットモードも箱、関節は全体的に緩め、なので今の感覚だとあんまり良さが判らない。なんだろうな?同じ消防車でも G1 とかなり見た目が違うから「そうきたかー」的な感動があったんだろうか?
公式だと 1985 の G1、2009 年の本玩具、2016 年のマスターピース、2021 年のキングダムでリぺリデコではないインフェルノ玩具が発売されていますが、消防車ロボなんてまあまあ人気者だろうという認識に反して全然リメイクされてないんですね。2018 年にパワーオブザプライムでもインフェルノが発売されていますが、あれは Combiner Wars 版ホットスポットのリデコという先輩消防車 TF 敵にはやや屈辱的な玩具だった訳です。公式からはそれ位しか発売されていないんですが消防車という人気性、比較的単純な変形なので設計も(多分楽)、リデコで複数キャラを発売できる、などの理由からか非正規界隈からは大変に人気が高く、一時インフェルノ(っぽい人)ラッシュだった時期があるような気がします。ざっくり十種類弱位出てるんじゃないでしょうか?
オルトモード:
はしご車じゃないんだよねえ。車両上部に放水銃を装備した化学放水車という車両が存在するのでそのイメージでしょうか。これはこれで斬新なんですが、はしご車だからタワーリングインフェルノから名前貰ったんじゃねーのかよう?
京都市消防局:新型化学車の危険物火災対応訓練を実施しました。
こういう車両がベースイメージっぽいですね。
車格的には 4 トン車ベースの化学消防車といった雰囲気です。未塗装ですがフロントウィンドウにはワイパーのモールドもあり、オルトモードの造形はリアリティに徹しています。Universe 版玩具はフロントのサイバトロンインシグニアの反対側、右運転席付近に「401」という数字が印刷されており、それがまた結構格好良かったりするんですが、日本版ではなぜか省かれていました。TFWIKI によるとこのナンバーはハスブロ本社のあるロードアイランド州の市外局番だそうですが、だからなの?
運転席には別パーツでシートが造形されています。この辺のリアリティにもグッと来てたのかな? 15 年前のわし。ハンドルも造形されていて左ハンドル仕様になっているのは元の Universe Inferno がアメリカの消防車だからでしょうか。シートとハンドルは恐らく一体成型で距離が非常に接近しており、その隙間にヒトが乗り込む余裕はない感じですね。この辺はレガシーのアニメイテッドバースオプティマスプライムでもみられましたが、限られたスペースで出来るだけリアルな造形を盛り込もうという意欲を感じます。
リアにはなぜか 4 発のエンジンノズルがあります。ロボットモードで踵になる部分ですが現場まで猛スピードで急行するんでしょうか?
側面はパネルで隙間を埋めるガワ変形ですがもともと四角い消防車というモチーフと非常に相性がよく、違和感ないですね。ガンメタのパネルやその隣に位置しているシルバーの(恐らくホースを接続するコネクタ部だと思われますが)モールドなどはいかにもそれらしいディティールでリアリティがあります。半面車両後部上面に配置された放水銃はピカピカ銀メッキで玩具臭さが凄い。ここ Universe 版だと黒に近い濃いグレーの成型色なのでそっちの方が不自然さが少ない気がします。
上面は特に塞がっていないのでロボットモードの腕丸出しだったりするんですが、実際に触っていると放水銃で上手く誤魔化せていてほとんど気になりません。
底面もシンプル。
放水銃は上下左右に角度をつけられますが、取り付け軸が右手首にあるため左右首振りは少し中心からずれるので若干の違和感があります。
ロボットモード:
四角ぅい!全くくびれの無い胴体!バンパー部がフロントスカートのように下に垂れ下がるのもあんこ型の胴体を強調しておりかなりのどすこい感があります。
側面から見ると巨大な肩アーマーが垂れ下がってちょっとシルエットが判りにくい。割とガワ変形なんですが綺麗に畳まれてすっきりした肩アーマーと腕の甲側の小手状のパーツに収まってしまうのでかなりすっきりしたロボットモードです(横からだとこれらが悪目立ちしちゃってそうは見えないんですが……)
逆に背面はすっきり何にもない。あまりに何もないのでわざわざ背中部分を隠す黒に近いグレーの背中パーツが用意されているほどです。
頭部。オプティックにはライトパイピング(集光ギミック)が備わっています。集光性能は高いめなので結構よく光ります。なかなかのイケメン。頭部デザインはかなり G1 に近いと思います。
正面から見ると滅茶苦茶太ましい胴体ですが、側面は非常に薄いのです。
武器は右腕の「ライフルガン」ですが、セットするミサイルの先端がクリアブルーでありイメージとしては放水銃でしょうね。これはピンで固定されており腕から取り外すことは(通常)できません。
肩アーマーは自由に動くので作り付けの盾といった運用が可能だと思います。
この型の可動部の特筆すべき点は股間部のここなんですが、他であんまり見ない機構でハの字立ちを可能にしてるんですが、この体形とは上手い具合にマッチしてなかなか格好いい開脚をしてくれるんですよね。
可動性能はなかなか厳しめ。動的ポーズはちょっと難しい感じでこれはポージング巧者向け玩具かもしれません。しかしハの字立ちが決まるのでロボットモードで飾っとく分には支障ないもんね!(´;ω;`)
追記(2025/1/12):
https://blog.hatena.ne.jp/triggerhappysundaymorning/trans-formers.hatenablog.com/edit?entry=6802418398319073603 TFC Toys TFC-004 Gear of War Accessory Set (2009) - 変圧器たち の画像撮影してた時についでにこっちでやっときゃ良かったな画像撮影したのでそれを追記します。
放水銃を取った状態の画像。メッキの放水銃は玩具テイストが非常に強いので、取ってしまうといっそうリアルな消防車に見えますね。
あんまりガワ変形に見えないインフェルノですが、ロボットモードで肩部のアーマーに見立ててるガワはこれだけ広範囲を覆っているという概念画像。
折りたたんでコンパクトにしているけどこれを見るとかなりのガワ変形ロボなんだなって判りますね。そう考えると非常にガワの処理が上手いフォーマーってコトだね。