元々は 2021 年のトランスフォーマー キングダムが初出の型ですが、ガルバトロンに思い入れ無いしどうしよっかなーなんて思ってるとこにハスブロ版初期ロットは全数肩の組間違え(変形やスタイリングに大きな支障なし)というやらかしがやってきて萎え萎えになってしまい国内版が着た時も予約せずにスルー(タカトミ発売版では問題なかったらしいです)してしまいました。
その後、2021 年に玩具カラー版のジェネレーションセレクト(日本ではモール限定:まだ欲しくない)、2022 年にザ・ムービー劇中でのリフォーマットシーンのワイヤーフレーム(っぽい)描写を再現した Behold, Galvatron! Unicron Companion Pack (これはタカトミの扱いが無かった覚え)と キングダム版の配色を一部修正したレガシー版(これもタカトミからは発売されなかったはず:まだ欲しくない)と短期間でリカラーが沢山発売されまして、更には 2024 年にリデコのストラクサスまで発売されてしまって、これは買っておくべきだった TF かも知れんぞ……購入圧が高まってきたところで満を持しての劇中そっくりカラーこと SS86 版の発表があり、タカトミ版の予約開始を待ってまんまと予約してしまったんですが、その直後に急にストラクサスが欲しくなって発売済みの奴を購入してしまったので正直変形機構萌え的には逆向きの二番煎じ感があったりします。
そうは言っても実際に比較してみると基本構造こそ同じですが大幅なリデコによってロボットモードはほぼ別人、オルトモードでもガルバトロンの SF レーザー砲台(Cybertronic treaded field artillery unit)とストラクサスの飛行大砲(flying cannon)は似て非なる、程度には差異があり、それぞれの出自に登場していたビークルとして差別化出来ていたと思います。
でもまあスタジオシリーズ以外で出した型をスタジオシリーズ枠で出すのはちょっとなー……という気もします(逆はアリだと思うんですが)。
オルトモード:
劇中のイメージよりは少し太ましい印象ですがこれはなかなかの SF レーザー砲台ではないでしょうか。私がガルバトロン玩具にあまり惹かれない理由の一つに砲身が組み換え変形である、ってのがあってこれも御多分に漏れず組み換え砲身であり、ロボットモードで融合カノン砲を構成する際には原則余剰の尾部を取り付ける必要があるのでその点は感心しないんですけど、そこはもう G1 ガルバトロンのアイデンティティみたいなもんなのでどうしようもないですからね。それはそれとして各部の見立てが非常に上手なタイプの変形で、例えばロボットモードの胸部が砲身を接続する基部の下面に配置されていい感じの形状になってる辺りとかですね、脚部周りの纏まりの良さとかがグッとくるので完全変形でなくとも満足度は高いです(これはリデコ先のストラクサスでも同様に感じましたがストラクサスの方が組み換え変形感は低かったですね)
側面から見た時に後脚というか後方側の支柱が垂直に降りて、そこから G1 デザインでお馴染みの砲架尾部が取り付けられた形状はやや不格好でありますね。これリデコのストラクサスだと支柱が斜めに取り付けられていて(構造上垂直にできない)、この不格好さは緩和されています。
それを真似してみるとこんな感じ。砲架としてはこっちの方が「らしい」気がします。微妙に砲身に仰角もついて劇中のパースが付いた画に近くなる気もします。ただ、めいっぱい前脚を広げてもちょっとガタつくというか、丁度いい角度に調整するのが面倒くさいです。
うっかり背中に融合カノン砲の基部パーツを取り付けてしまいましたが、私はこんな事しても余剰内合体とは認めんぞ!派閥なので初代玩具同様いっそ余剰になっとれ!と思ってしまうんですが、紛失防止的には良いのかもしれないですね。しかしこれをここに取り付けてしまうと折角の背びれがちょっと主張弱くなってしまうので、せめて腹側に収まってくれれば良かったんですけどね。ストラクサスよりも組み換え変形感が強くなってしまうのはこのパーツ故で、向こうは背部に斧を取り付けることでオルトモードの外観の一部を「補完する」デザインだったり、砲身もロボットモードではそのまま手持ちさせることが出来る 5mm ペグが付いてるので「武器を取り付けている」感のギリギリセーフっぽさがあるんですよねえ。
この辺りにさあ、どうにかうまく収まってくれれば良かったんだよねえ……
後とか斜め上とか。オルトモードは非常にかっちりしているんですが、前脚付け根(ロボットモードの肩部)はロックもなくクリック関節でもないので、ここだけ少し定位置にキまる気持ち良さに欠けます。
砲身取っちゃうと急に「モートルの日立!」みたいな主張をしてきちゃうので小平記念館当たりで飾って欲しいですね。
アクセサリーや余剰パーツを全部取り付けると少し仰々しくなって強そうさは増しますが、ちょっと G1 感が減じるので SS86 ではやや相応しくない気がしますが、もともとキングダムのトイライン出身の型なのでそう考えれば納得のギミック。ユニクロンがガルバトロンに与えた戦艦リベンジを模した銃は保持力が弱めなのでポロリしやすいですね。チェーン付きのマトリクスは SS86 装備としては有り難いです。これはオルトモードではタブでガッチリ固定されるので安定して保持できます。
リデコのストラクサスと比較。
後脚はストラクサスの場合これ以上立てられないようにモールドが変更されています。全体的には同じボディなんだけど各パーツに形状変更とカラーリングでちゃんと別物に見えてしまうの、TF 玩具の面白さ(若しくは私が鍛え上げられ過ぎた TF ファン)ですよねえ。基本変形パターンで玩具を購入しているのでリデコはあまり買わないんですが高齢化してくるとこういう「差異を楽しむ」のも好きになってきました。
後脚展開しないでクローラーだけで自立させてみたら、BWⅡガルバトロンのドリル戦車って G1 ガルバトロンのビークルモード踏襲してたんだなって気付きました!今!
これはロボットモードの融合カノン砲基部も砲身にくっつけて重心を前側に移動させて後ろに転け難くしています。これはこれで良いですね。
SF ガンモード!構造的に前腕の処理がどうにもできなくて全部上にまとめてしまいましたがもっと上手い方法がありそうな気もします……
当初案だとやっぱり前腕が邪魔でグリップが全然目立たないので NG。尻尾伸ばしてグリップを長く見せようとあがいてみましたら無駄でした。
ロボットモード:
これは変形途中で別のロボットっぽくなってしまったヤツ。ガウォークとも違う別の趣ですね。B 級ヘビーメタル感あるかも。
変形途中画像ですが低頭身一つ目ロボっぽく見えないこともない。上手く形にしたら目玉おやじ感出せないだろうか?
これも変形途中画像ですが腹筋の赤いブロックが目に見えてしまったのでつい。さっきから何をやりたいんだって言われるとまあガウォーク的な見立てをしようと思ってるんですけどね、今回は難しいって話です。目の下に鼻と口も見えて来たのでいよいよシミュラクラ現象末期な感じ。
"Generations" Kingdom Galvatron Toy Review | Ben's World of Transformers
ロボットモードは多分、多分 17 世紀頃のフランスの銃士隊の衣装をモチーフにしてんじゃないかと思うんですよね、太ももまで達する長いブーツ、長手袋、首周りのひらひらの襟、そして頭部ヘルメットのデザインは帽子のつば的なものの意匠なんじゃないかと思います。
そういえば今こそこの背景じゃん!サンキュー!ムンベ!
玩具に関してオルトモードとの兼ね合いもありますが、その制限の中でかなり劇中デザインに似せてきていると思います。膝上のパーツはもっと長く、太ももの半分より上位まで隠れる程度に大型化してもよかったかな?と思いますがそうするとここ膝の可動と独立させないと不格好な気がするのでこのくらいが妥協かな?肩の突起は固定されていないので角度を変えることが出来る、というかうっかりしてると左右で角度変わってたりするのでちょっと悩ましい部分ですね。
腕部背面にはキブルとしてクローラーが配置されていますがちょっとデカい(これはこれとして私はオルトモードでの実寸なのでこれ位デカい方が良いと思います)。
クローラー側のタブを肩パーツ背部のネジ穴に差し込んで固定出来ますが、ここで固定してしまうと二の腕ロールが死ぬのでここで固定できるのは単なる偶然という可能性もありますが、位置やサイズがばっちり一致してるんですよねえ。尚取説ではロボットモードからオルトモードに変形させる手順のみしか記載がないので真相は不明です。
背面はかなりキブルが残っていますが、背中から生えてる角状のパーツがちゃんと再現されているのが素晴らしいですね。
顎の部分の灰色と角の赤色が省略されていますが、顔の造形はかなり劇中に似ていると思います。これはこれで素端死因ですがオルトモードで頭部収納するときに角が干渉するんですよねえ。
この劇中そっくり頭部もよいのですが、私は映画「ブレイブハート」に登場する糞エドワードⅠのチェインメイルの上に王冠被ったみたいなオリジナル玩具の頭部デザインも好きなんですよ。ジェネレーションセレクトで出てた玩具カラー版も頭部はリカラーで済まされていたので ThirdParty からアドオンで交換頭部出てるんじゃないのかな?って期待して探してみましたがそういうの無かったですね。まああったら今からジェネセレ版探し出してたかもしれないのでなくて良かった!なんですが。
「素立ちが格好いいロボは何やっても格好いい」はまあちょっと言い過ぎなんですが非常にボリューム感ある太マッチョボディなのでどうやってもガルバトロンらしい威厳が出ますね。
融合カノン砲を振り上げたポーズも様になります。数少ない欠点としては手首収納部の蓋がない事くらいですかねえ。
ポージング性能として、立膝はギリギリ。もう少し膝が深く曲がれば良かったんですが。あと構造上足首の前後方向の可動が無いのもちょっと厳しい。
これはオルトモード時の尻尾上のパーツをロボットモードで展開してアウトリガー的な表現できないかしら?って思いついて試してみた奴です。肘二重関節とか通常よりもリッチなフルポーザブルなんだけど、肩引き出し関節と下腕ロールも欲しい!って思っちゃうなあ。これはむしろ逆に玩具としてのポテンシャルが高いので更なる高みを求めてしまう的な奴だと思います。
付属品全部載せ。戦艦リベンジガンはオルトモードでもロボットモードでもペグに対してスロットが緩いのでポロリしやすいですね。
上面中央部付近に長方形の(明らかにタブを受けるための)スロットみたいなモールドがあるんですが、固定に使うのはこっちじゃなくてブリッジ直後のモールド的なスロットの方なのがちょっと不思議な感じがします。とはいえロボットモードは兎も角オルトモードでは後ろ側のタブを使わないとパーツ形状的に取り付け出来ないのでそっち側が正しいんだと思いますが。
塗装こそされていませんが形状はまんまユニクロンが転生記念でガルバトロンに与えた戦艦リベンジのまんまですね。ThirdParty からこれに変形するショックウェーブという玩具が発売されていましたが、あれはなんか謂れがあったんでしょうか?珍玩具枠?
取説的には武器として使用する場合は二つを組み合わせて大型のハンドガンとして使用することが想定されているようですが、両方とも全く同じ形状のものなので分離して両手に持たせることも出来ます。でも多分 The Movie の劇中では融合カノン砲以外は使っていない(しかも最初はジェット推進機みたいな使い方してましたね!)ので SS86 ガルバトロンとしては使い道のない余剰武器扱いとします(俺判定)
アクションフィギュアスタンド用の 3 ㎜ ジョイントは備わっていませんが、グッスマの THE シンプルスタンド × 3 のアタッチメント外した 3 mm ペグを尻のネジ穴に差し込むと、尻側のカバーとの隙間に丁度ハマってゆるゆるだけど重心も良い感じで浮いてるポーズ取らせることが出来ました。
リデコによる差異を愛でるコンピ。
SS86 コンボイと。実際にはフォーマットが異なる玩具ですがガルバトロンもバッチリ G1 デザインなので違和感なく並べられるんですが、コンボイの方が少しサイズが大きいですね。海外の比較画像では SS86 メガトロンが SS86 コンボイとサイズを揃えているのでこのガルバトロンより微妙に大きくなってしまっているらしいです。まあこの程度のスケール違いなら許容範囲内じゃないですか?(私はジオラマ的な遊び方しないので各 TF のサイズが一致しなくてもそれほど嫌じゃないんですけど、スケール統一派閥所属な人も結構多い様ですから大変ですね……)。
付属の背景台紙はスタスク戴冠式乱入シーンですが、これはスタスクが焼かれてハイになってしまった後でしょうか?いずれにせよここにガルバトロンを飾るのは違和感ですねえ。
再現度も高いし、玩具としても非常に優秀なので SS86 として再版されるのもまあまあ納得ではあるんですが、武器減らしてその分ちょっとリデコして寄り劇中に近いオルトモードにして欲しかった気持ちもありますが、私はこの型のガルバトロンは初購入なので今までスルーして良かったの満足感はあります(´^ω^`)